05.10.20 MM第116号
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【感想 等】 「粟ヶ岳(あわがたけ)532m」。 静岡に住んでいても聞いたことがない方が多いだろう。 私もその1人であった。 高さもわずか500m余。私がトレーニングに使っている焼津アルプスの主峰「高草山」とさほど変わらない高さだ。 しかも、粟ヶ岳の方は山頂まで舗装道があり車で行くことができる里山だ。 今まで、行きたい、という気持ちは持たなかった。 地元の新聞に、たまに「焼津から自転車で100回登った」「夫婦で100回登頂した」などという記事が出ている。 近くにあるし、静岡百山の1つであるので出かけたついでに登ることにした。 粟ヶ岳の南東にある「東山」から7時前に歩き出した。ここはJR掛川駅からのバスの終点にもなっている。 東山からは目の前に粟ヶ岳がデンと見える(下の写真)。中腹までお茶畑である。静岡は日本一のお茶どころ。 ここ掛川もお茶の生産が盛んなところである。だから山のすそ野の民家を過ぎるとすぐにお茶畑になる。 私が登ったのは5月上旬、八十八夜前後であり、下の写真のようにお茶の新緑が美しかった。 お茶摘みをしている農家も見かけた。アザミ等の自然の花を見ながら高度を上げていく。 山の上部は木々と草だ。山道にはマムシクサやシャガ、ホウチャクソウなどが咲いていた。 しばらく歩くとやや広い道に出て、下のような大きな木があった。そこには荒廃した神社があった。木々が茂っていて暗い。 また少し進むと、木々の茂った中に大きな石がいくつもある。説明によると、「磐座(いわくら)」で、古代の祭祀跡だという。天上から神が降りてきた岩だそうだ。神秘的な雰囲気が漂っていた。ここを過ぎるとすぐ、粟波々神社だ。ここはもう、山頂である。 粟波々神社は736年に創建されたという。私は聞いたことがなかったが、由緒ある神社なのだ。 ここに大きな木が残っているのは、これが社有林で、海を走行する船の目印にもなっている林野庁指定の保安林だという。 山頂を示す標識がないか探したら、下の写真のような売店の展望台の所にあった。8時前と朝が早いので売店は閉まっていたが、展望台には上がれた。 目の前には遠州灘の海が広がっていた。天気もいいから余計に展望もいい。 一服し、神社の裏手を散策し、下山した。 裏には「無間の井戸」というのがあった。無間というのは地獄。ここに鐘を埋めたという面白い逸話があるものだと感心した。 近くには小さな苗のようなシャクナゲが白い花を付けていた。 もときた道をすたすたと下った。わずか32分だったので自分でもびっくりした。朝の気持ちがよい散歩ができた。 |
登山口「東山」より粟ヶ岳 | 中腹にはお茶畑が広がる |
荒れた社殿近くの大きな木 | 磐座(いわくら)と呼ばれる古代の祭祀跡 |
粟波々神社 | 山頂にある売店の展望台 |