05.11.12 MM第119号
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【感想 等】 用事を早く済ませ、箱根に宿を取った。紅葉の時期なので小田原からの上りは渋滞の車を見ながら登ってきた。私は逆方向で良かった。 小涌谷温泉に泊まったが、温泉が気持ちよかった。 「箱根山」。箱根とは出ていても、箱根山とは記載されていない地図が多いだろう。そうです。八ヶ岳などと同じで、三重式火山である箱根の山々の総称である。中央が神山・駒ヶ岳、その外側に屏風山・浅間山があり、一番外側に金時山・明星ヶ岳・明神ヶ岳などがある。「箱根の山は天下の険」と東海道五十三次の昔から言われている。かつて高校時代にサイクリングで伊豆半島を一周し箱根に宿をとったのだが、三月下旬の大雪でチェーンもうまく回らず、かなりの距離を歩いて登ったのを覚えている。国道一号線も静岡から東京に向かうのにかなりのネックになっている。 そんな山々ではあるが、東京方面の人にとっては手頃に四季の自然を楽しむ良い場所になっていると思う。 今回はこの箱根山の主峰「神山」とその相棒のように隣にある「冠ヶ岳」に登った。 9時過ぎ箱根ロープウェイの早雲山駅駐車場に車を止め、出発した。新しい「ハイキングコース登山口」の標識がありわかりやすい。 初めは杉林の中を登っていく。少し登ると、広葉樹林に変わる。緑の葉も黄緑や黄色にそまっている。そして登山道にはそんな落ち葉も落ちていて、さくさく音を立てながら快適に歩いていく。その中に赤く色づいたモミジやカエデなどが混ざっている。 稜線が近くなるとクマザサが現れた。そして石でできた小さな祠があった。ここまで来れば、早雲山分岐は近い。 10時、早雲山分岐に着いた。そこからわずか5分もしないうちに大涌谷分岐だ。大涌谷に下山するコースは火山性ガスのため現在通行できないのが残念である。時々、風に乗って硫黄のにおいが漂ってくる。また木々の隙間から噴煙や硫黄の岩肌が垣間見える。 尾根歩きは快適だ。ほとんど高低差がない。しかも木々は1年で一番美しい時だ。大涌谷分岐過ぎの落ち葉のじゅうたんを敷き詰めた下の写真のような道が気に入った(左上の写真)。 そのうちに冠ヶ岳が木々の間から見えてきた。麓から見ると烏帽子(冠)のように見えるところから名付けられたそうだ。神山が火山の大爆発を起こしたとき、溶岩柱が露出して山頂になったのだそうだ。10時半、冠が岳への分岐に着いた。山頂までわずか5分の標識が出ている。 鳥居をくぐり登っていくと、小さな神社がありそこから展望が開けていた。下の写真のように大涌谷も手に取るように見える。また、これから登る、箱根山の主峰「神山」も木々の隙間から見えた。冠ヶ岳山頂は神社のすぐ上にあった。山頂からの展望は、周りは潅木で良くない。 すぐに下山し、神山に向かった。これまでのコースと同様、赤く色づいた木々が目を楽しませてくれ、10分ほどで神山1438mの山頂だ。 山頂の広さは冠ヶ岳よりあるが展望がない。2カ所、潅木が切れているところがあり、景色を楽しめる。下の写真のように駒ヶ岳も見えるが、近くなのにぼんやりしている。富士山は残念ながら見えない。 ここまで来ると、『駒ヶ岳ロープウェイ』で登ってきた団体が何グループかいた。(駒ヶ岳ケーブルは今年の8月末に営業を終了した)。 団体なので賑やかである。それで、休憩は防ガ沢分岐にし、下山を開始した。 このコースは土砂が流出し、登山道が深くえぐれていた。しかも、前日の雨でぬかるんでいたり滑りやすかったりした。 11時過ぎ防ガ沢分岐に着いた。休憩しながら駒ヶ岳に行くか否かを考えた。観光客が多いし、富士山をはじめとする展望が今一歩なので今回は行くのをやめた。(かつて観光旅行で来たこともあるから)。 お中道を通り、早雲山駅に向かった。山腹の杉林の中をかなり歩く。台風による倒木だろうか、写真のように何カ所か杉が倒れていた。お中道は30分余で通過し、早雲山分岐に戻った。このような周遊コースがあるのはうれしい。そこからの下山は30分余で早雲山駅であった。 半日、十分に紅葉を楽しむことができた。 |
大涌谷分岐過ぎで | 冠ヶ岳手前で |
冠ヶ岳から大涌谷を | 冠ヶ岳から箱根山最高峰の「神山」を |
神山から駒ヶ岳を | お中道の杉の倒木 |