05.12.08 MM第122号
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【感想 等】 台湾五岳第2弾は、雪山(シュエシャン)3884m。これは、メールマガジン「私の出合った日本百名山 第90号」の『masarusのコーナー』 雪山のある場所は台北の南西70km(直線距離)、台中の北東50kmにある。 台湾で2番目に高い山である。「次高山(つぎたかやま)」とも呼ばれていた。それは、NO.112で紹介した「玉山」が新高山であるのと同様、日清戦争で勝利し清国から台湾を譲り受け日本の領土になって日本で二番目に高い山になり、しかも富士山より高かったからである。 私が登ったのは、かなり前になるが1990年冬である。 台北から1泊2日で出かけた。 朝5時、台湾の首都台北をチャ−ターしたマイクロバスで出発した。高速道路を飛ばし、南山村に着いたのが10時、そこで30分ほど休んだ。そして11時50分、武陵農場の誠荘招待所上に着いた。昼食を取ったあと、薄晴れの中を先発隊が12時半頃から歩き始めた。少し遅れて残りの人達も出発した。 今回の参加者は15人。台湾山岳協会に依頼した山岳ガイドは2人である。登山者10人に付き1人であるから2人のガイドだ。山岳ガイドは先発隊に1人、後続隊に1人が付き、無理をしないで自分の速さで歩いた。歩き始めは、大きな松を伐採したあとのススキの多いゆるやかな上りであった(写真)。 1日目の宿泊地のシチカ山荘まで2kmの山道は階段状のところもあったが、晴れた空の元、難なく全員歩くことが出来、13時25分到着した。 いつもだと調子が悪かったりペースが遅い人がいたりして時間がかかるのだが、あまりのスムーズさにびっくりした。 この小屋は2463mにありうれしいことに無料だった。しかし、木造平屋の小屋(写真)の前はゴミの山であった。ゴミの持ち帰りが徹底していないのだろうか。 毎回の登山がそうだが、自炊セット、シュラフを担いで来ている。自炊セットは、共同の圧力鍋と大きな鍋、コンロ、食材等を体力に合わせて分担して担ぎ上げている。重いが圧力鍋で炊いたご飯は平地で食べるものと変わらず、おいしい。 みんなで手分けをして夕食を作り食べると、する事がないので小屋の前から山などを見たりして過ごした。だんだん雲が出てきていた。天気は下り坂だ。私たちグループは、暗くなるとすぐに寝た。翌日は朝が大変早いからだ。標高差1400m以上登り、ふもとまで下山しなくてはならない。 翌2日目、1時半に起き、朝食の準備や出発の準備をした。そして、3時前にヘッドライトを付け出発した。早すぎる出発だが、「早出早着」が山では原則だ。 天気は、前日とはうって変わって小雨だった。合羽を着ての山歩きだったが順調に歩き、3199mの雪山東峯を越え、少し下がったところにある三六九山荘(標高3100m)に6時半に着いた。これから登る山々が頂を白くしているのが見えた。 ここまで来るとようやく明るくなってきた。この辺りがちょうど森林限界で、草原の斜面に針葉樹が生えていた。年輩の女性2人を含む4人が体調が悪く、登頂をあきらめここの小屋止まり、ということになった。山岳ガイドも1人それにつき合い、5人が三六九山荘に残ることになった。そして彼ら5人は時間を見て先にゆっくり下ることになった。 三六九山荘で30分休み、7時に10人はガイドと共に出発した。少し歩くと窪んだ沢に雪と氷があった。 いくら台湾といえ、12月下旬で3000mを越えると雪があった。ガスが晴れ、稜線も今まで以上に見えてきたがうっすら雪をかぶっている。 しばらく歩くと、また針葉樹の樹林帯に入った。それを抜けると登山道でも雪が積もっていた。深さはだんだん深くなり、10cmくらいになった。 だんだん山頂が近づくと、登山道がアイスバーンのようになっていて少し滑るので念のため簡易アイゼンを付けた。 10時半、3884mの雪山の山頂に着いた。山頂を示すプレートのひもにも雪が付いていた。また、少し雪比もあり、まさに「雪山(ゆきやま)」であった。残念ながら山頂はガスっていて展望は良くなかった。寒いので各自のペースで登り、山頂で仲間を待たずにそれぞれで下山していった。私も10分ほど山頂にいただけで、すぐ下山を開始した。いつもは参加者全員で登頂写真を撮るのだが、天気も良くないし時間も充分ないのでそれはやめた。 アイスバーンは滑りやすいので慎重に下り、三六九山荘には13時に着いた。小屋に残った5人はすでにいなかった。 その後も各自のペースで下り、シチカ山荘に16時過ぎに着いた。そこで仲間を待った。彼らは30分で下りてきた。 みんなが揃ったところで下り始め、誠荘招待所に18時に着く。 そして武陵農場賓館で打ち上げを兼ねた夕食を食べ台北に向かい19時半出発した。 台北に着いたのは深夜の1時であった。 |
武陵農場の誠荘招待所上の登山道 | 1日目の宿泊地のシチカ山荘 |
三六九山荘(標高3100m)手前で | 足下にも雪が積もっていた |
3884mの雪山の山頂 | 雪山の山頂の様子 |