05.02.21 MM第130号

   私の出合った日本百名山 by masarus                                

比叡山 (ひえいざん)848m   日本300名山 (京都府) 

    
この山の私の印象                           

「 愛宕山とは対照的に 1人の登山者にも会わなかった 年末の比叡山 」

【歩いた日】     2005年12月26日(月)

【天候】       晴れ 時々曇り&小雪

【コース及び時間】 

叡山鉄道修学院駅7:52発−8:14きらら橋−8:47水対策陣之跡−9:29ケーブルカー駅(待合室)9:40−9:50スキー場

10:24大比叡〈848m〉−10:43阿弥陀堂−11:00根本中堂:下山11:28−11:57花摘堂跡−12:20日吉大社−

12:37JR比叡山坂本

       【 登り(修学院) 2時間21分    下り(坂本) 1時間26分 】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】
 
 大好きな京都の2日目は、「比叡山」である。
 この比叡山は、NO.128で紹介した愛宕山と共に京都府の日本300名山の1つである。京都の西の愛宕山に対して東の比叡山である。
 また、観光化が進んでいない静かな山の愛宕山に対し、ケーブルカーやドライブウェイ等があり観光客が多数集まる比叡山である。
 そして、比叡山の山頂付近には世界文化遺産にもなっている延暦寺がある。(インターネットで検索したら、「比叡山には延暦寺という名の建物はなく、比叡山そのものが延暦寺を表わしている。」とあった。)3つの地域にある数百の建物の総称が延暦寺であると私はとらえている。私は比叡山延暦寺を歴史的にも文化的にも大変興味を持っている。また、そんな人も多いだろうから、平日といえども大変なにぎわいであろうと思い、暮れの押し迫った日に出かけた。
 人気のある場所であるので行き方は数多くある。私はオーソドックスな修学院から登り、琵琶湖側の坂本に下りるコースを選んだ。

 8時少し前、叡山鉄道の修学院駅で下車し歩き始めた。道案内の標識もなく、山の方に向かって歩いた。地図を見るとかなり北東方向だ。道であった年輩の女性に比叡山に登りたいけど、きらら坂はどこですかと訪ねた。比叡山はもっとずっと向こうで、きらら坂は聞いたことがあるけどわからない、という返事だった。
 山のふもとにある家の年輩の方に聞くと、彼は知っていて詳しく教えてくれた。ようやく車1台が通れる細い山沿いの道をしばらく行くと川がありそこに標識があり、その上流がきらら坂登山口であった。
 その川沿いの道は凍結していて滑った。慎重に歩いていくと木橋があり、「きらら橋」と書いてあった(写真)。そこの説明には「雲母(きらら)坂は平安時代から都と比叡山を結ぶ主要路で賑わっていた。また、法然、親鸞などの名僧も行き来した」とあった。

 橋を渡ってすぐ、山道の登りである。初め、山道には雪はそれほどなかった。山道は風化しやすい土壌で雨水等でまん中がえぐれて窪んでいた。それは、千年余の往来の証でもあるのだろう。幾代に渡る人々の往来の様子を思い浮かべながら登っていった。そこにはたくさんの落ち葉が積もっていた。そのため、さくさくと柔らかい感触であった。
 30分近く歩くと、傾斜が緩やかになり雪が10cm弱積もっていた。今日も雪の1日になりそうなのを覚悟した。8時45分過ぎ、「水対策陣之跡」に着いた。付近にはだれ1人としていず、静かだ。新しい「京都一周トレイル東山コース」の標識が何カ所かあり、わかりやすい。下の写真のように京都の街並みや北部の小高い山々が見えてきた。もう少し北に目をやると街並みもうっすらと雪を被り白くなっている。
 順調に登っていった。杉林付近では雪も降ってきた。雨具を着けるか迷いながらも歩き続け、9時半、八瀬からのケーブルカー駅に着いた。待合室が開いていたのでそこで休ませてもらうことにした。ケーブルカーは動いていたが、1人の駅員以外誰にも会わなかった。
 10分ほど休み出発したが、雪は少し多くなり、辺りはより白くなっていた(下の写真)。積雪20〜30cmだ。
 水平に10分ほど歩くとスキー場へ出た。人は見あたらず営業はしていなかった。そこから根本中堂と四明岳との分岐の矢印があった。
 四明岳方面に登っていく。四明岳838mは比叡山の2つのピークの1つだ。10時過ぎ山頂の駐車場に着いた。そこはまるで雪原のように真っ白い雪の原が広がっていた。比叡山の最高峰大比叡848mへはあとすぐだ。細い車道を登っていくと樹林の間に雪に埋まりかけて細々と一等三角点があり、木に山頂を示す手作りの標識があった(下の写真)。登山者にとっては目的の1つの大事な場所であるが一般の人にとっては単なる一番高いところに過ぎないのかもしれない。
 長居する場所もなく、すぐ出発した。テレビの中継塔であろうか塔の横を通り、標識に沿って根本中堂へ向かった。20分ほど、山を巻きながら下ると真っ赤な大きな屋根が見えてきた。それが阿弥陀堂だった。真っ赤な建物と純白の雪、そしてモスグリーンの木々。太陽に照らされてまぶしかった。
 辺りには誰もいず、中から重々しい感じのお経が聞こえてきた。私はその上がり段に腰を下ろし、おむすびを頬ばりながら聞き惚れていた。いくらでも聞いていたい気もしたが、境内を散策することにした。予想に反して、観光客もほとんどいなかった。
 11時、根本中堂に着いた。せっかくなので中に入った。雪が吹き込んで渡り廊下が白くなっているところもあった。
 私が訪れた5日後は大晦日。NHKの行く年来る年で比叡山延暦寺が映し出されていた。

 11時半、比叡山の東側、坂本に向けて下山を開始した。東側は太陽の昇る方角である。そのため雪が解けて少なかった。少し歩くと雪が消えているところも多かった。花摘堂跡には12時頃着いた。石碑が1つあるだけだった。
 しばらく下りると下の写真のように琵琶湖が見えてきた。そして12時20分、日吉神社に着いた。比叡山からの幅が広い山路だけでなく、登り口の立派な石段や建物にびっくりした。琵琶湖側から比叡山に登る大事なルートであったことがわかる。
 そこからまっすぐ下ればJR比叡山坂本であった。まさか、登山者に全く会わないとは驚きであった。静かな世界遺産『比叡山』を堪能することができた。
 
修学院からの登り口にある「きらら橋」 京都市内の展望
ケーブルカー駅を過ぎるとますます雪が深くなる 比叡山の山頂
阿弥陀堂はひっそりと静まりかえり・・・ 坂本への下山路から琵琶湖を見下ろす

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