05.05.20 MM第138号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

岩岳山 1369m    静岡の百山(静岡県春野町) 

    
この山の私の印象                           

「 さすが国の天然記念物のアカヤシオの 岩岳山 」

【歩いた日】     2006年4月29日(土)

【天候】       曇り

【コース及び時間】 

 シンフォニーP8:46発−9:30第2ゲート−10:44荷小屋峠−(昼食15分)−11:45岩岳山〈1369m〉−入手山〈1212m〉−

12:47キマタ山−13:57シンフォニーP

       【 登り(荷小屋峠 経由) 2時間44分    下り(入手山 経由) 2時間12分 】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】
 
 GWの初日、静岡県西部にある岩岳山に向かった。それは、アカヤシオ大好きな私にとって「国の天然記念物」に指定されているここ岩岳山のアカヤシオを見ないわけには行かないからだ。以前から気になってはいたが、なかなか機会がなかった。
 山の掲示板で1週間前岩岳山がつぼみ、入手山は満開だったと書いてあり、行く決心をした。

 GPSを付けていない私の車は、登山口までスムーズに行くことができるか不安だった。1/10000の道路マップにも納得のいく表示がなかった。それで、掲示板で行き方を教えていただき、大変参考になった。8時半に無事、ログペンション・シンフォニーの駐車場に着いた。
 かつてはあと4km先の小俣事業所跡まで車で行くことができた。私が入手した資料4つの内、3つまでもがそう書いてあった(3つが古かったのかも)。
 
 駐車場は下の写真のようにかなり多くの車で埋まっていた。私は草が40cmもある所に車をつっこみようやく止めることができた。さすが昭和49年に国の天然記念物に指定されただけあって人気がある、と感心しつつ歩き始める。しかもこのアカヤシオはちょうどこのゴールデンウィークに咲くのである。
 しかし、安易に見物に行く人が後を絶たないのか、看板に岩岳山は往復6時間かかる山歩きである、というようなことが書かれていた。
 林道を1分も歩かない内に濃いピンクのミツバツツジが歓迎してくれた。そして車が通れないように第1ゲートがあった。ゲートにも岩岳山からの直接下山のコース、入手山からのコースに赤い×が書かれていた。
 ここの標高は600m余あり、もうすぐ5月だというのに、まだ桜の花が残っている。また、林道沿いに小さな滝もあり、それらを見ながら飽きることなく40分ほどで小俣事業所跡の第2ゲートに着いた。ここには東屋や便所がある。ここで少し休んでから出発した。ここにあった案内地図には岩岳山から直接下山するルートに赤で×が書かれていた。
 ゲートから少し進むとようやく山道だ。小俣川にかかる新しい木橋を渡って登っていく。そこから1時間くらいで荷小屋峠に着いた。2パーティ−10人ほどが休んでいた。ここ荷小屋峠は下の写真のようにまだ木々が芽吹いたばかりで明るい。
 私は疲れていなかったのでそのまま歩くことにした。ここからは尾根に出るので傾斜もゆるくなるのだ。
 岩岳山方向には20mほど先にある岩岳神社の鳥居をくぐって進む。峠から20分ほど歩くとアカヤシオがあった。まだ咲き始めたばかりだ。3分咲きといったところだ。開花が思ったより進んでいないことにびっくりした。
 しかし連続でアカヤシオが続く。さすが国の天然記念物ゆえんである。ほとんど葉のない中にピンクに咲いたアカヤシオを楽しみながら歩いていく。
 荷小屋峠から30分ほどで岩岳神社への分岐点に着いた。標識に「岩岳峠」と書いてあった。
 お腹がすいてきたので、どこかで昼食を食べようとスペースを探し歩く。ちょうど目の前にアカヤシオが咲いているスペースを見つけ昼にした。登山路から昼食中の私を見つけたおばさんが「いいところで食べているわね。一緒に食べたいな。」なんて言うので、「いいですよ。」と言ったのだが行ってしまった。
 食べ終わると、すっかり岩岳神社のことは忘れ、岩岳山頂に向かった。
 山頂には11時45分に着いた。山頂は下の写真のように人がいっぱいだった。昼食時間であったし、他に広い場所がないからでもある。
 あまりに多いので、先を急ぐことにした。

 岩岳山山頂から小俣事業所跡へ下るコースは通行止め、入手山方面は「悪路につき通行禁止」と小さな立て札があった。
 岩岳山の山頂にいる多くの登山者のほとんどが同じコースを戻るのでここで昼食を取っていることもわかった。

 私は入手山方面に行くか否か、迷っていた。
 一週間前、掲示板で初心者の奥さんを連れて歩いた人がいるのを知っていたし、この先がアカヤシオが満開であることも知っていたからである。
 1/25000の地図を持ったし、時間も十分ある。入手山から先が通行不可能なら引き返せばよいと考え、南下を続けた。
 
 そのような表示があるので行く人はないと思ったが、途中、中高年の2グループにあった。
 心強かったのは、シンフォニー近くで追い抜いた犬を連れた人とすれ違った事だ。彼は私と逆コースを歩いてきた。道の状態を聞いたが、大丈夫ということだった。
 入手山に向かう尾根の西斜面はアカヤシオがいたるところで満開だった(下の写真)。少し歩いては立ち止まり、また立ち止まるといった繰り返しだった。写真も数え切れないくらい撮した。
 そうこうしているうちに「キマタ山1208m」という手作りの標識のある小さなピークに着いた。地図で見ると「入手山」は通過したあとだった。

 そこからが急坂だった。初心者では転げ落ちそうな下りである。どんどん高度を下げていく。1度坂がゆるくなったと思ったらまた急になり、やがて鉄塔に出た。これほどコースの標識がない山も珍しい。
 鉄塔をくぐってからは「境界見出標」の赤い杭が登山路のまん中にある。しかし、ススキなどの枯れ草が生え、下草が刈ってない。方向的には間違いではないが、この道でよいか不安ではあったが、進んでいくと「入手山」と書いた矢印があり林道に出た。
 そこから30分でシンフォニーの駐車場に着いた。

 私が歩いた3日後、ここ岩岳山で4人が道に迷い遭難し、翌日午後防災ヘリで救助された。この岩岳山から入手山コースは、初心者が気楽に歩けるほど整備されてはない。ある程度名が知れた山で、これほど標識が少ない山は知らない。経験者と行くとか地図やコンパスを持って人に迷惑をかけないように出かけたいものだ。
  
ログペンション・シンフォニーの駐車場は車がいっぱい 荷小屋峠まで来ればあとは尾根歩き
さっそくアカヤシオが現れた 岩岳山〈1369m〉山頂は人がいっぱい
入手山には満開のアカヤシオ キマタ山先からの展望

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