06.09.15 MM第147号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

身延山(みのぶさん) 1153m    山梨百名山
 

    
  この山の私の印象                                  

「 信仰の山・総本山に初めて触れた 身延山 」

【歩いた日】     2006年7月29日(土)

【天候】       晴れ

【コース及び時間】 

 十萬部寺13:15発−13:30感井坊−14:00奥の院・身延山〈1153m〉14:35−14:56感井坊−15:12十萬部寺


       【  登り 45分    下り 37分  】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

【温泉】    下部温泉会館   300円

  
【感想 等】
 
 七面山の8kmほど北東に身延山がある。
静岡から中部山岳の山に行くには、R52号線はよく利用するので、その沿線にある日蓮宗の総本山「身延山久遠寺」には時々立ち寄りしだれ桜を見たり初詣をしたりした。
せっかく時間もあり近くにいるのだから奥の院のある身延山の山頂に行くことに決めた。
身延山久遠寺から「身延山ロープウェイ」で山頂に立つことができる。
しかし、登山路がわからなかった。
白峰三山に登れなかった代わりの、急な思いつき登山なので、地図を持っていない。

 そこで、県道36号からの入り口にあったインフォメーションセンター「南アルプスプラザ」を朝、見たのを思い出し、聞いてみるため立ち寄った。
すると、先ほど七面山に登った登山口、羽衣からの身延山への登山ルートも書いてある観光マップが置いてあった。
(早川町の観光マップなので他のルートはしっかり出ていない。)

全くラッキーだった。
地図を見ると「赤沢」までは道路が書いてあり、車で行くことができるという。
早速、車で舗装道を赤沢に向かった。
赤沢に着き、登山口と駐車場を探していたら舗装道を十萬部寺方向から車が1台下りてきた。
運転していた人に聞くと、十萬部寺までは車で行くことができるという。

 それならとばかり、車で行ってみることにした。
落石で走りにくい所や信者の行進の列にも遭遇したが十萬部寺に着くことができた。
(観光マップを見ると、信者達は「南アルプスプラザ」のある角瀬登山口から七面山に登り敬慎院に泊まり、羽衣に下山し、赤沢宿を通り十萬部寺を経由して身延山に縦走して奥の院・思親閣にお参りしロープウェイで下山し総本山である久遠寺に参拝して帰る、というコースが一般的であることがわかった。)
数十人の信者の列に会ったのも修行のコースであるためであった。

 思っても見なかった「十萬部寺」に車で着くことができ、13時15分に寺で休息していた信者達が出発した後、私も歩き始めた。
下の左上は十萬部寺から見た身延山である。十萬部寺は標高950mほどの所にあり、ほぼ尾根歩きなので比較的楽に歩くことができる。
歩き始めて15分ほどで感井坊に着いた。そこでは先ほど出発した信者の団体が休憩していたので追い抜いた。
道は車が通れるくらいの幅がある林道で歩きやすい。
所々に歴史を感じる古い石碑のようなものが立っている。
熊に注意の看板もあり、朝晩に1人で歩いたら遭遇するかも知れない。
信者達の大きな「な−んみょ−ほーれんげきょう−」と唱える声が聞こえれば熊は寄ってこないだろう。

 感井坊から30分で奥の院の「思親閣」の入り口に着いた。
ロープウェイの駅やいくつもの建物などがあり、規模の大きさにびっくりした。
私のイメージの中の「奥の院」は、山の上の方に小さくひっそりと建っている、というものだったからだ。
社務所を右に見ながら傾斜のゆるい階段を上がっていくと、右上のような立派な仁王門があり、奧に本堂があった。
その前には信者の団体が整列しちょうど拝んでいるところであった。
団体休息所にも2団体がおり、静寂の中にもあまりの人の多さに驚いた。

 「思親閣」の入り口に戻り、標識に沿って身延山の山頂の「展望台」に向かった。
杉林の中を2分ほど歩いたところにあり、本堂の裏にあたり境内からもつながっていた。
そこは北側がひらけていて甲府盆地や午前中に登った七面山などが見えると、大きな看板で展望の様子を描いてあった。
それによると、荒川三山、鳳凰三山、今回登れなかった白峰三山なども見えるということである。
私が行ったときは雲が多くなり近くの山しか見えなかったのは残念であった。

 その内に霧が出てきた。
下の写真のようにより神秘的になり、信者の1団体がやってきた。
そして写真のように展望の開けた北側に向かってみんなで拝み始めた。
1人のんびりとベンチで休んでいたが、奥の院に戻り辺りを散策した。

 ロープウェイ乗り場から信者達がロープウェイで久遠寺に下りていった。
乗り場の横には東側の展望台があり、まわりの山並み、身延町の家々、富士川などが見えた。
14時半過ぎ、十萬部寺に戻るために出発した。
たくさんの日蓮宗の信者には会ったが、登山者は私1人であった。
帰路も私1人である。
静かになった幅が広いよく整備された山道を歩いていった。
感井坊には行きには気づかなかった崩れ落ちそうな古い大きな休息所があった(下の写真)。
かつてはこれが信者達でいっぱいになったであろう。
まだまだ多くの信者で賑やかであるが、昔はもっとすごかったであろう。
帰りはゆるやかな下りであったので30分余りで十萬部寺に着くことができた。

 元来た道を車で戻り、県道36号線を進みR52号に交差しているR300号を少し行ったところにある下部温泉の温泉会館に寄った。
このこじんまりとした公共の日帰り温泉は川のせせらぎを聞きながらのんびりと浸かることができる。
 本日1日の充実した山歩きをふり返りながら汗を流した。

 私は、総本山である久遠寺には今まで何回か立ち寄ったことはあったが、白装束の信者に会ったことがなかった。
しかし、今回奥の院のある身延山に登り、多くの信者を見て人々の信仰の厚さと久遠寺の本当の姿に接したように思った。
十萬部寺から見た身延山 身延山奥の院の「思親閣」
山頂近くでは霧が出てきて神秘的な雰囲気になった 身延山山頂で拝む信者の団体
感井坊にはかつて賑わった休息所が崩れかけていた 下部温泉会館で汗を流す

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