06.09.23 MM第148号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

富士見山(ふじみやま) 1640m    山梨百名山
 

    
  この山の私の印象                                  

「 富士山から見放されたが木々や鳥獣に出合えた 富士見山 」

【歩いた日】     2006年7月30日(日)

【天候】       曇りのち晴れ

【コース及び時間】 

 身延町堂平5:55発−8:07稜線−8:17平須への分岐−8:26富士見山展望台−8:46富士見山〈1640m〉8:57−

9:12富士見山展望台−9:20平須への分岐−10:42平須登山口−10:51堂平P


       【  登り 2時間51分    下り 1時間54分  】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】
 
 今年の遅かった梅雨明けの当日、山梨県身延町にある富士見山に登った。
「富士見峠」「富士見ヶ丘」など、「富士見……」という名は見えにくい所から富士山が見える場所についている。
富士山の周りにある静岡県、山梨県、神奈川県では富士山が見える場所は多いが当然見えにくい場所もある。
私は中部山岳に登る場合、多くは静岡から甲府に抜けるR52号を通る。その国道で富士山が見えるのは静岡・山梨県境の富士見峠くらいだ。
それは、両側を大きな山塊にはさまれた富士川沿いに道が造られているからである。

 R52号沿線にあるここ身延町もしかりである。
しかし、富士山は近くにあるので山に登ればその勇姿を見ることができる。
富士山大好き人間の私は、富士見山の名前に惹かれ登ろうと思った。
ちょうど先日、JRの駅で「身延線沿線トレッキングガイド」というパンフレットをもらった。

 早朝、登山口の堂平へ向けて車を走らせたが、途中、平須を通過するとき偶然に「富士見山登山口」の標識を見つけた(下の写真)。
場所的にも堂平からそれほど遠くないし、往復同じ道を通るよりは周遊したいと思いここから登ることにした。
JRのパンフレットは平須からの往復になっていた。(帰宅後、ヤマケイの「山梨県の山」を見ると私と同じコースであった。)

 6時少し前曇り空の中を出発した。
近所のおばあさんが畑仕事を始めていて、あいさつし少し話をした。
イノシシやサル・鹿が畑や田んぼを荒らしてしょうがないとのことであった。
先日は30匹のサルがやってきたという。
おばあさんの畑だけでなく多くの畑は回りを電気を通す線で囲い農作物を守っていた。田んぼは金属の柵が付けられていた。

 登山口は「甲斐やすらぎの宮」という宗教団体への道を登っていき、そこから山道に入っていく。
杉の木々が生い茂り暗くうっそうとした山道を登っていく。長い梅雨時だったせいか、歩いた靴の跡はあまり感じられない。
30分ほど歩くと木々の中に広葉樹が混じり、辺りは少し明るくなった。それと共に下草も生えている。

 登山口から1時間ほど歩くと自然林になりブナの大木が現れた。大きなブナは見ていて気持ちがいい。
その近くには造林小屋もあった。その上ではシカ2頭に会う。登山道の足跡は人間ものはなくほとんどがシカなど動物のものだ。
7時10分、尾根のコブ状の平坦地に出た。そこから20分ほど登ると三王分岐(廃道)という標識があった。

 登り始めて2時間余、ようやく稜線に出た。そこは標高1600m近い。右上の写真ように標識があり、平坦な植林された松林の中だ。
そこから10分で「平須登山口」への分岐に着いた。ほとんど勾配がなかった。
さらに10分で「富士見山展望台」に着いた。
あいにくガスがかかり展望はなかった。
初めて聞く名前「念力教会」の奥の院と言うことで写真のように小さな鳥居と祠があった。
富士見山なので天気が良ければ富士山や南アルプスが見えるはずだ。
残念である。

 三角点のある富士見山最高点はそこから20分ほど行ったところにあった。
写真のように樹林帯の中にあり展望はなかった。
10分ほど休憩し展望台に戻ったが、まだ展望は開けていなかった。
そして、静かだ。
聞こえるのは小鳥のさえずり、鹿の鳴き声、鳥の飛び立つ音だけだ。
しばらくすると樹林帯の中もガスが立ちこめ始めたので下山することにした。

 平須への下りは始め緩やかだが、すぐに急坂になる。少し行くと右側がガレている。
この平須コースは人の確かな踏み跡があり、あと何分、あと何mかの標識もあった。
足下にはトラノオ、山アジサイ、ギボウシ、山ホタルブクロなどが咲いていた。

 1時間ほど林の中を下ると、きれいに間伐したばかりところや神を祭った小さな祠や作業小屋もあった。
平須コースの方が活用されていることがわかる。
中腹では少し展望が開け、富士川と身延町の街並みが見えるところもあった(写真)。
下山中、1人の登山者にあった。本日会ったのはこの人だけであった。

 下り始めて1時間半、平須登山口に着いた。
平須から堂平に向かう途中に「富士観橋」があった。そこには、ダイヤモンド富士が見れると書いてあった。
正月に増穂町高下から見たことがあるが、ここでも見ることができるのだ。
下の写真のようにあいにく稜線近くは雲に覆われ富士山は見ることができなかったので、
ダイヤモンド富士がどんな感じに見れるかはわからなかった。

 11時少し前、堂平に着いた。
富士山の展望には出合えなかったが、鳥や鹿、木々に囲まれて充実した午前中を過ごすことができた。
暑くなかったのはよかった。
身延町堂平の登山口 稜線に出る。標識がある
富士見山展望台 富士見山の山頂は樹林の中にひっそりと
中腹ではガスも晴れ展望が開ける 平須から堂平に向かう富士観橋上から

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