06.11.28 MM第155号
【歩いた日】 2006年8月21日(月) 【天候】 快晴 【コース及び時間】 四寸岩山〈1236m〉5:19−5:33足摺小屋−6:09百丁茶屋跡(二蔵小屋)−7:29五番関7:39−9:05洞辻小屋 9:10−9:35鐘掛岩−10:03大峯山寺・山上ガ岳〈1719m〉 【 四寸岩山〜大峯山寺・山上ガ岳 4時間29分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。 |
【感想 等】 この日は林の中にビバークし、5時過ぎに出発し、7分で四寸岩山に着いたことを前号で書いた(第154号)。 四寸岩山の近くの尾根道は右手(西側)は開けていて、ピンク色に染まった雲と山々が見える。 そこからは、尾根道を緩やかに下っていく。 5時半、昨日探していた「足摺小屋」に着いた。 木々に囲まれたところに建っていた。 そして、中は土間になっていて、少し湿っていた。(小屋の中は板敷きになっているとうれしい) 昨夜はバッタが髪の毛について少しうるさかったが、どちらも似たり寄ったりだと納得した。 四寸岩山にしても、尾根歩きといえども標高はそれほど高くなく1200mである。 ある時は自然林、ある時は杉林の中を歩くことになる(下の写真)。 だから、展望が利かないが夏といえどもそれほど暑くはない。 6時少し前、車が通れる「大峯道」の林道に出た。 林道は尾根近くを通っていてここで尾根を横切り、東側に出るのだ。 そこにはイラストマップと立派な標識があった。 車で来る人もいるのだろうが、本日は静かで車の音は全く聞こえない。 イラストマップは山を強調してかなり高くかき、吉野から山上ガ岳までを描いてあった。 山上ガ岳へは、四寸岩山より200mほど高い小天井岳を越えて行く。 第2日目の今日は始まったばかりでこれから先は長い。 出発してから1時間ほどで百丁茶屋跡に着いた。 そこには二蔵小屋が建っている。 当初の計画では昨日、ここに泊まる予定であった。 新しい小さな、なかなか良い小屋である。 次回、泊まってみたい。 百丁茶屋跡からなだらかな登りを1時間余で五番関に出た。 ここ「五番関」には写真のように『女人結界門』がある。 ここからは女人禁制だ。 右にある看板を読んで思い出した。 かつて、ここ奥崖道の女人禁制が解除されたというニュースを。 しかし、それは間違いであり、今でも女人禁制だと書いてあった。 写真ではわからないが、手前は広い草地になっていてテントが張れる。 そして水場も近くにある。 10分ほど休憩してこれからのコースを確かめた。 そして、現代も脈々と受け継がれている修験道にふれることができるとわくわくしながら門をくぐった。 深い木々の中を登っていく。 ようやく山に来たような感じだ。 足下に可憐なムラサキシキブが咲いていた。 庭にはあり毎年花を付けるが自然で見るのは珍しい。 これまでずいぶん歩かれたのだろうか、山道の中央がへこんでいる。 これまで何人の修験者が歩いたのだろうと、歴史を感じながら歩いた。 そのうちに蛇腹ノ頭を越え、辺りが開けて9時過ぎに洞辻小屋に着いた。 ここまで登ると展望が開け山上ガ岳も見えてくる。 平屋の横に広がった感じの小屋は閉まっていたが、真ん中が登山路になっていて休息用の縁側もある。 私はそこで5分ほど休んだ。 1人年輩の人が休んでいた。 少し行くと蛇羅助茶屋だ。 ここにも2人休んでいた。 ここから2つに分かれる。 私はまっすぐに鎖を登り役行者像のところに出た。 そして鐘掛岩に向かった。 梯子というか階段が続いていて危険はない。 鐘掛岩近くに来ると周りの山々が見えてきた。(下の写真) その風景を見ていたら山上ガ岳に来た、という実感が湧いてきた。 さすが、紀伊山地の人気峰だ。 もうすぐ、その山頂に到着する。 写真を撮ったり休んでいると、洞辻小屋で一緒だった人がつえを突き突き登ってきた。(写真) 彼は苦労しながらも毎年登っているという。 これぞ、服装は違うが心は修験者だ、と思った。 ここにも「女人結界門」と似た浄心門があり、その先はほぼ平坦になっている。 山道に並ぶ石造りの登山記念碑を見ながら進んでいく。 すると立派な宿坊群が見えてくる。 それを越えると「大峯山寺」の石柱と門がある。 参道を少し歩くと下の写真の世界遺産、大峯山寺だ。 10時過ぎに着いた。 寺の中を見てお参りをしたら山頂を探した。 お寺の前の少し盛り上がったところに三角点がありピークのようだ。 しかし、写真のような今はクマササに覆われ花が咲いていない「お花畑」に山頂の標識があった。 まあ、記念写真を撮るにはこちらの方が相応しい。 山頂には誰もいない。 大峯山寺には3グループほどが来ていた。 期待していた修験者の姿はどこにも見えなかった。 静かで人の声も聞こえてこなかった。 時間的に今は活動していないのか、それともいないのか・・・。 寺番や宿坊のお坊さんも少し暇そうに見えた。 しかし、全道を通して山の中ではここ大峯山寺・山上ガ岳でもっとも多くの人に会った。 |
標高が高くないので木々の中を歩くことが多い | 「五番関」からは女人禁制だ |
鐘掛岩付近からの山々の展望 | 今から入っていく吉野の山々を眺める |
世界遺産、大峯山寺 | 大峯山寺の裏のお花畑が山頂だ |