06.12.04 MM第156号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

大峯奧駆道(おおみねおくがけみち) 4 (世界遺産)

[ 山上ガ岳〈1719m〉〜阿弥陀ガ森(1680m)〜大普賢岳(1780m)〜行者還岳(1546m) ]

    
  この山の私の印象                                  

「 山また山の奥駆の峰々を気持ちよく歩いた普賢岳・行者還岳 等 」


【歩いた日】     2006年8月21日(月)

【天候】       晴れ

【コース及び時間】

 大峯山寺・山上ガ岳〈1719m〉10:26−11:00小笹ノ宿(昼食)11:32−11:59阿弥陀ガ森〈1680m〉

12:05−13:14普賢岳〈1780m〉13:21−14:23国見岳〈1655m〉−14:46七曜岳〈1584m〉4:50−

15:30みなきケルン15:35−15:49行者還岳〈1546m〉15:52−16:12行者還小屋



       【  大峯山寺・山上ガ岳〜行者還岳  4時間49分   】

*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】
 大峯山寺・山上ガ岳に着くまでは前号で書いた(NO155)。
 10時過ぎに山頂に着いてひと休みをしてからクマササの生い茂る道のどこに標識があるのかわからなかった。
これまでは多くのわかりやすい標識があり、困ったり迷ったりすることは全くなかった。
道が前方に続いていたので歩いてみたが、どうも宿坊や大日山に行く道に通じるようであった。
それで引き返して大峯山寺の坊さんに聞くと、寺の前庭の隅の方に標識があった。
ここから小笹ノ宿に向かって100mほど下っていくのだ。最初からかなりの下りであった。

 ここは大峯奥崖道の中でも展望が良いところだ。
大台ヶ原など、周りの山々を見ながら下って行く。
木々の中を地蔵岳へ少し登り、30分で木々に囲まれた小笹ノ宿に着いた。(写真)
ここには無人の新しい小屋が建っている
その小屋の中で1人昼食を取った。
小屋の脇には水量のあるきれいな小川がある。
水を汲み飲み水にした。
泊まるには良いところだ。泊まりたくなったがまだまだ先がある。

 私は靴の中にも汗をかくので、靴を脱ぎ足や靴下を乾かしながらゆっくり昼食を取った。
外を見ながら周りの緑を空気と共に吸い込んだ。
その間に三人ほどのグループが通っていった。

 北八ヶ岳のようにたくさんのコケの生えた道を進んでいくと阿弥陀ガ森に着いた。
ここにも「女人結界門」がある。外国人にもわかるように英語でも説明があった。
五番関と阿弥陀ガ森の間が女性入山禁止というわけだ。私は男で良かった。

 ここから「脇の宿跡」へ下っていく。
ツガなどの針葉樹に囲まれ気持ちがよい。
木々に囲まれた森林浴では森林の中は酸素が30%くらいあるという。
気持ちがいいわけである。(エアロビクススタジオなどでは30%の酸素が出ているところもある)
また、大木などの根本にはお札が置いてあり、修験者の行の跡もあった。
新しいものは今年の7月下旬の日にちが刻まれていた。

 そこから明王ガ岳・普賢岳へと登っていく。
わずか標高差100mの登りだ。

 今回の縦走でも少し失敗があった。
「大峯奥崖道1」でも書いたが、入山アプローチでの乗り継ぎの失敗、思い込みによる小屋を発見できずにビバーク、そしてザックの失敗だ。みなさんもご存じのように体にフィットしていないザックは徐々にダメージを貯め効いてくる。今回使用したザックは約30年前、白馬岳から槍ヶ岳まで縦走するために買ったものだった。
 小型ザックに20kgを詰めようとがんばったが、入りきれなかった。近くに登山用品店があればすぐ買いに行っただろうが、近くにはなく行く時間がなかった。
 それで、大は小を兼ねるとばかり大型ザックにシュラフから食料まで詰め込んできた。
南アルプス全山縦走では35kgだったが、今回はわずか20kgなので簡単に歩けると思ったが、齢を重ねた体は正直だった。旧式ザックは体との接点が少なく肩の一部分に重さがかかってくる。
 そのため徐々に肩が痛み出した。位置を少しずつずらしながら歩いていく。

 13時過ぎ、普賢岳に着いた。
山頂は下の写真のように、北側に木が茂っているが他の方角は展望が開けていた。
雲は出てきたものの今日歩いてきた山上ガ岳も見える。これから登る行者還岳、弥山、八経ガ岳も。
それらの山々を見ながら休憩した。(写真)

 まだまだ今日の日程は続く。
普賢岳から少し下ると「水太覗」だ。絶壁の上から水太谷が見える。
山道脇にはシャクナゲの木が茂っている。それはずっと続き、行者還岳まであった。
初夏に訪ればきっとシャクナゲの赤い花々できれいだろう。

 14時16分、稚児泊に着く。
 そこから数分で、国見岳だ。
国見岳では目の前に東側の小普賢岳の山々が見えた。
そしてすぐ七ツ池だ。5分ほど休みたくさん生い茂ったシダを見ていた。
太い木々にはコケも生えていて山の深さを感じた。
そこから崖に架かった木の橋や鎖を過ぎると七曜岳だ。

 鎖などはあるものの尾根歩きは楽しい。
15時半、みなきケルンに着いた。
少し休んでから、本日最後の山、行者還岳に向かった。
アキアカネのトンボが多数飛んでいた。

 みなきケルンから10分余で行者還岳下に着いた。
ここからはピストンになるので荷物を置いて空身で山頂へ向かった。
荷物がないのは楽ちんで、数分で行者還岳に着いた。途中2匹のサルを見た。
行者還岳の山頂は木々に覆われ、山頂の標識と鉄の杖があった。(写真)
展望も利かないのですぐ下山した。

 16時過ぎ、そこから10分余で今日の宿泊場所、行者還岳小屋に着いた。(写真)
 9時間半弱の2日目の行程は多くの山を越え、充実して終わった。
山上ガ岳からは誰にも会わない1人旅であった。

 小屋は新しく、しかも引き水があり快適だった。
そんな中に自分1人はもったなすぎるが・・・。

 水が豊富なので汗をかいた体を拭いたりしていると、スコールの雨。
早く着いて良かった。
 
小笹ノ宿で昼食、近くには清流有り もうすぐ普賢岳だ
普賢岳は北以外は展望がある 普賢岳からの展望
行者還岳にも鉄の杖があった 行者還小屋は小屋に引き水があり助かる

 私の出合った百名山HPトップ   発行済みMM 「日本百名山」TOPに戻る   masarusにMail

inserted by FC2 system