06.12.31 MM第159号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

大峯奧駆道(おおみねおくがけみち) 7 (世界遺産)

[ 深仙ノ宿〜石楠花岳(1472m)〜天狗山(1537m)〜        

     地蔵岳(1464m)〜涅槃岳(1376m)〜証誠無漏岳(1301m) ]

    
  この山の私の印象                                  

「 南奥崖に入り1日全く人に逢わなかった 天狗岳 などの山々 」


【歩いた日】     2006年8月23日(水)  [ 4日目前半 ]

【天候】       晴れ

【コース及び時間】

 6:00深仙ノ宿出発−6:19太古ノ辻6:25−6:55石楠花岳<1472m>7:00−7:15天狗山<1537m>

7:20−7:36奥守岳7:40−7:53嫁越峠8:00−8:18地蔵岳<1464m>8:25−8:44般若岳<1376m>

−9:00滝川辻9:05−9:51涅槃岳<1376m>10:00−10:21証誠無漏岳<1301m>(昼食)



       【  深仙ノ宿〜証誠無漏岳  3時間33分   】

*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】
 
 深仙ノ宿で日没と共に寝たことをNO.158で書いた。
一眠りすると、ネズミが1匹歩き回っていた。
ネズミの学習能力の高さは十分知っているので、すぐに食料関係は二重に袋にしまいザックに片づけた。そのザックを自分の近くに置いた。

 台湾の山「南湖大山」の山小屋でネズミに顔の上を走られたりザックに穴を開けられたりしたしたことがあるから、余計に慎重に対処した。
 あまり近くに置きすぎて顔の上を歩かれるのもいやだが、食べられたのではこれからの食料がなくなってしまう。
朝用に炊いて置いたご飯はコッフェルに入れたまま太い柱のような木の上にふたをして置いた。もし、ふたが開けば、下に落ち音が鳴り目が覚めると考えたのだ。

 1時間おきくらいにネズミの走り回る音で目があいた。リュックの近くにやってきたり、コッフェルの近くも走っていた。

 午前3時頃、コッフェルの近くで小さな音がするので見ると、中に入ってご飯を食べていた。
まだまだネズミ対策が甘い。
ネズミの勝ちだ。ふたを木から落とさずに開け、食べていたのだ。1食分減ってしまった。
それより、ばい菌があるかもしれないので、残ったご飯を取り出しゴミ袋に入れ、中を洗ってから熱湯消毒しなくてはならない、と思った。

 5時前、起きて出発の準備をする。
外へ出てみると、快晴だ。
そして低いところにある雲の上に太陽が上がるところだった。
太陽は神々の存在を感じさせるように神秘的ですらあった(下の写真)。

 200m離れた水場に水を汲みに行くと、昨日流れていた小滝のようなところはチョロチョロの水量だった。
これは「香精水」と呼ばれている水場である。
いつもはこのように少ない水量なのだろう。

すぐ近くを見るとふたをした水ためがあった。
よかったと、汲むための容器を洗い、水ためのふたを開けるときれいな水ではあるがボウフラが泳いでいた。
最悪の場合は汲むだろうが、それはやめてチョロチョロの水を時間をかけて容器に入れた。
少しゴミも入ったが仕方ない。

 小屋の方を見ると2頭のシカが小屋近くまで来ていた。
大雨がやみ、朝ご飯を求めて来たのだろうか。
私が歩いていくと山の方に帰っていった。

 6時、快晴の中、気持ちよく出発した。
昨日の大雨で空気中の塵がすっかり取り払われ透明感がある。
悪天候の後には必ず、すばらしい天気がある。
変化に富んでいるのが縦走の楽しみでもある。

 大日岳の肩を通過し、6時半少し前、「太古の辻」に着いた。
これより南奥崖だ。看板も付いていた。
小屋を出発したばかりであったが、木々の美しさを見ながらしばし休憩する。
後ろを振り返ると木々の向こうに今通過してきた大日岳が青空のもとに見えた(写真)。

 そこから5分ほど登るとシャクナゲの木の群落だ。最後はシャクナゲの木々をかき分けるようにして登る。
その山頂は名前の通り、石楠花岳(シャクナゲだけ)1472mだ。
春の花の時期はさぞきれいだろう。
コースタイムの所を見てもわかるように今日は小さな山をいくつも越えていく。
木々の上から山を眺め5分ほどで出発した。

 15分ほど歩くと天狗岳だ(下の写真)。
山頂には三角点があり、写真のように少し下がったところに標識が付いている。
ここでも展望を楽しみながら5分ほど休んだ。
次々に山頂になり休憩の間隔が近くなる。
でも、せっかくの良い天気だ。これから先は長いが、展望などを楽しみたい。

 ここでは歩きながらも高原状の地形で山々の展望を楽しんだ。(写真)

 次の奥守岳へも15分余だ。
登りも緩やかだったし、
標識がなければ見落としような小さなピークだ。
そして次の嫁越地峠もすぐで、登れば地蔵岳だ。
地蔵岳では地蔵を見つけることができなかった。(山の形も地蔵には見えないし・・・)

 小さなピークの続く山道は歩きやすく気持ちがいい。
天気もいいし、快適に進むことができた。
昨夜の雨のせいか、シマヘビと黒ヘビに出会う。
名前はわからないが、黒ヘビに会うのは珍しい。

 般若岳へは下からピストンだ。
山頂には標識はなく三角点が傾いているだけだった。
9時に滝川辻に着いた。
これらのコースは下草が刈られ整備されていて歩きやすい。
また、30分前後歩くと目印があり助かる。ありがたいことだ。

 南奥崖もここまで来ると山は低くなり木々に展望を遮られることが多い。
しかしそれは逆に考えると、暑い夏でも日陰になって暑さを遮ってくれる。
縦走も4日目に入り、荷物は軽くなりまた重さにも慣れてきた。
そのため、快適に歩くことができる。

 あたりは静かだ。
聞こえるのは沢の音、シカの鳴き声、鳥のさえずりだけだ。
10時少し前、涅槃岳に着く。

 ササが至るところで枯れている。
南アルプス前衛の山「櫛形山」でもそんな風景を見たが、数年から20年に1度花を咲かせた後枯れると言うがそのためだろうか。

 ササの仲間も本日の歩き始めにあった「ヒメササ」は見て良し、歩いて良しだ。
しかし、ここ涅槃岳の近くは背丈が2mを越えるササだ。クマザサかな?

 屋久島の永田岳ではそれが生い茂り登るのに苦労した。
ここでは、下の写真のように幅2mくらいしっかり刈ってくれてあり歩きやすい。

 10時半前、証誠無漏岳に着いた。
この山頂も展望がきかない。
少し早いが昼食にする。
 
深仙ノ宿でご来光を拝む 太古の辻から大日岳方向を
天狗岳山頂 天狗岳過ぎからの展望
地蔵岳過ぎで 手入れされて歩きやすい。涅槃岳過ぎで

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