07.01.07 MM第160号
【歩いた日】 2006年8月23日(水) [ 4日目後半 ] 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 証誠無漏岳<1301m>(昼食)10:55発−11:18阿須加利岳<1251m>11:23−11:39持経ノ宿小屋11:55 −12:48平治ノ小屋−13:16転法輪岳<1281m>13:24−13:48具利迦羅岳<1252m>13:53−14:53 怒由宿跡14:58−15:15行仙岳<1227m>−15:45行仙宿山小屋(佐田辻) 【 証誠無漏岳〜行仙宿山小屋 4時間11分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。 |
【感想 等】 証誠無漏岳(しょうせいむりょうだけ)に10時21分に着き、靴を脱ぎゆっくり昼食を取る。 縦走路は木々に覆われているところが多いが、ここの証誠無漏岳山頂は日なたになっていて靴下が良く乾き気持ちがいい。 前号(NO.159)で下草を刈ってくれてあり歩きやすいと書いたが、ここ証誠無漏岳から阿須加利岳(あすかりだけ)までは刈ってなくて背丈以上のクマササが生い茂っていた。そのため、大変歩きにくかった。 下草を刈ってあるところは「新宮山彦グループ」が刈ってくれたのだろう。所々にグループの表示があった。南奥崖のボランティアグループである。あと、登山道の整備もやってくれているようである。ほんとにありがたいことである。 富士山の村山古道もそのほかの山々でも、多くのボランティアに支えられて登山道が整備・美化されている。私たちはその恩恵を受けていることを忘れてはならない、といつも思う。 阿須加利岳から10数分下ると持経ノ宿小屋だった。 そこには広い林道があって、車で来ることができそうだ。 快晴で水をたくさん飲んだので少し減ってきていた。 「水場まで400m」の標識が出ていたのでザックを置き、林道を下って行き水を補充してきた。 小屋から10分ほど行くと、『森の巨人たち100選「持塚千年桧」』(下の写真)に出合った。 巨木との出合いは私の山歩きの中で好きなものの1つである。予期せぬものに出合ったときは余計にうれしい。 推定樹齢200年、幹周り5m以上だそうだ。 そこから30分ほど行くと「平治ノ小屋」が空き地のような所にこぢんまりとあった。 小屋の中を覗こうと思ったが、覗かず進んでいった。 登山道は展望がなく、木々を見るのが一番の楽しみで、すたこらさっさと歩いていく。 その木々を見ながら森や林の中を歩くことについて先日読んだ本にあの有名なレオナルド・ダ・ビンチの言葉が出ていた。それを引用する。(『3週間続ければ一生が変わる(ロビン・シャーマ)』p.194海竜社) 「心の窓をとおして、魂は世界の美しさをじっと見つめている・・・自然の小さな景色のなかに宇宙のイメージがふくまれていると、いったいだれが信じられよう?」(略)街の喧噪をはなれると、わたしが大切にしているさまざまな価値がさらに明確になって、人生のもっと大きな問題についてじっくり考えることができます。あわただしい日常生活のなかでは、けっして答えの出ない問題を。(ロビン著より) 1日誰にも会わず、ただひたすら歩く。 ある時は展望や周りの木々を楽しみ、またある時はこれまでの自分を振り返りこれからのこと考える。 そしてまたある時はもっと大きな問題を考えたりする。 1人だからできることだ。 1時半過ぎ、転法輪岳(てんぽうりんだけ)1281mに着いた。山の名前は仏教から取ったのだろうか、今日のコースは聞いたことがない名前が多い。 転法輪岳は、やはり樹木が茂り展望はない。 山頂には二等三角点と世界遺産に指定されてから作られた新しい立派な石の標識がある。 そこから20分余行った具利迦羅岳(くりからだけ)1252mも同様であった(下の写真)。 標識がなければ見落としようなピークである。 下の写真を見てもわかるように自然の木々が多い。 また、真ん中右の写真のようにシカに食べられた跡のような木もあった。 3時少し前、怒由宿跡(ぬたしゅくあと)に着いた。 午後になり風もなく日陰でも暑い。 そして、何匹ものアブにつきまとわれ、タオルや帽子で追い回しても顔の周りにつきまとう。 うんざりするがどうしようもない。 ここからは急な登りだ。 汗がだらだら出て朝からの合計で3Lの水を飲んだ。 しかし、疲れはほとんどない。 3時15分、行仙岳(1227m)に着いた。 木々に囲まれた日陰に山頂の標識はある。 そのすぐ後ろにはパラボラアンテナがある。 南奥崖道の多くは緑深い木々の中にある。 山頂さえも木々の中が多い。 そのため展望がよくない。木々の間からかろうじて見えるところが多い。 そして、この行仙岳のようにアンテナや送電線あるところは木々が切られ展望が開けている(写真)。 自然とは調和をしないが、緑深い山々を見渡すことができる数少ないビューピントになるという皮肉。 標識のある山頂からは今日歩いてきた転法輪岳や具利迦羅岳が見える。 アンテナのある切り開かれたところからはこれからの縦走路が見えた。 しばらく休んでから下れば、今日泊まる行仙宿山小屋のある佐田辻だ。 行仙宿山小屋にも誰もいず、今日も1人だ。 小屋の周りの小さな木々はシカの食害から守るように柵が付いている(写真)。 また、小屋にはアブ除けのスプレーが置いてある。 やはり登山道にはアブが多いということだろう。 今日も広々としたところに1人で寝させていただく。 どんな夜になるか・・・・ |
森の巨人たち100選「持塚千年桧」 | 太古の辻から大日岳方向を |
具利迦羅岳山頂 | シカが食べた跡だろうか |
行仙岳にはパラボラアンテナがある | 行仙宿山小屋にはシカの食害避けの柵が |