07.01.14 MM第161号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

大峯奧駆道(おおみねおくがけみち) 9 (世界遺産)

[  笠捨山(1352m)、地蔵岳(1259m)、香精山(1222m)  ]

    
  この山の私の印象                                  

「 送電線の鉄塔下からの展望を楽しんだ笠捨山 などの山々 」


【歩いた日】     2006年8月24日(木)  [ 5日目前半 ]

【天候】       晴れ

【コース及び時間】

 行仙宿山小屋(佐田辻)5:37出発-7:10笠捨山<1352m>7:21-7:40葛川辻-8:22地蔵岳<1250m>8:29-

8:53四阿宿跡9:03-9:38香精山<1222m>9:44-10:12貝吹野-10:51上葛川への分岐(昼)11:16

       【  行仙宿山小屋〜香精山〜上葛川への分岐  4時間40分   】

*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】
 
 前夜、日没と共に寝たのは良かったが、また一匹ネズミが走り回っていた。
前日の深仙ノ宿でのネズミ騒動は大峯奧駆道7(NO.159)に書いた。
2日連続とは全く参ってしまったが、今回は絶対にネズミに負けないぞ、とばかり二重三重に食料をパッキングし手の届くところにすべて置いた。

 今回のネズミは6cmくらいの小ネズミで人間を警戒して私の近くに近寄ってこなかった。
それで助かった。
ただ、キリギリスのようなバッタがまたまた私の顔や頭にジャンプして来るのだった。(四寸岩山、大峯奥崖道3:NO.155)
ここ奥崖道に来る前にも何回も山小屋やテント泊を経験しているがこれまでになかった初めての経験である。
バッタが飛んでくるそのたびにびっくりして目を覚ましたが、それは合計4回くらいかもしれない。しかし熟睡を妨げるには充分だった。

 それでも朝までは結構長いので、睡眠不足で眠いということはなく5時半過ぎに出発した。
今日も晴れ。しかも今日は風があり気持ちいい。
歩き始めてすぐに、日の出だ。
雲もピンク色に染まってきれいだ。
下の方にある雲海もきれいだ。

 数分歩くと、送電線の大きな塔にぶつかった(下の写真)。
私の持っている地図にもこの送電線が出ているが、今日は3回登山道を横切る。
これでも世界遺産の奥崖道か、とも思ったが世界遺産になる前からあるものだから仕方ないのかもしれない。
「美観を損ねる」等の意見が多ければ色を塗るとかもっと自然にマッチするものになるだろう。

 しかし、前回書いたように、送電線の所からの展望が一番いい。
雨の多い紀伊山地の1500m以下のこの山々は木に覆われているからである。

 この日の早朝の山には、昨日とは打って変わって秋風のような気持ちの良い風が吹いていた。
本日もいい日になりそうだと、うれしくなった。

 ここからは昨日登った行仙岳(1227m)や今から登る笠捨山(1352m)が見える。
雲海も太陽に照らされてきれいに光って見える。

 小さいピークを越えていくと木々の間から幾重にも重なる山並みが見えた(下の写真)。
これが紀伊山地の山の深さであり良さだ。
つい見続けてしまった。
気に入ったのでこれを表紙に『 世界遺産 [ 紀伊山地の霊場と参詣道 ] の山々 』のHPも作ってみた。
(内容はこれまでの紀伊山地の山々をまとめただけだが・・・)

 最後は標高差100mほどの登りで1352mの笠捨山だ。
その笠捨山には7時過ぎに着いた。体調はすこぶるいい。
笠捨山は双耳峰で東峰と西峰がある。
山頂は下の写真のように灌木とクマササが生えているが北西方向と南方の展望がある。
特に西峰は縦走路側(北西)がひらけている。そこには道祖神のようなものもあった。
雲一つない真っ青な空のもと、下の写真のような展望を楽しんだ。

 ここからが急坂だ。雨が降ったら降りることができないのではないかと思われるくらいの勾配だ。
そこを一気に6分で下る。
その後もまあまあの坂が続き、7時半過ぎに葛川辻に着いた。
しばらくいくと、また送電線を横切り展望が開ける。
山々の展望写真を撮りたいところだが送電線が写ってしまう(残念!)。

 鎖や木の根っこをつかんで登ると1250mの地蔵岳だ。
木々に包まれて全く展望のきかない山頂で「なんで地蔵岳というのかな」と思いつつ休憩する。
その疑問は下山し始めてすぐわかった。
少し下ったところの岩陰に小さな石地蔵があった(下の写真)。
下りも鎖や梯子があり楽しめた。
9時少し前、東屋岳の南にある四阿宿跡に着いた。
朝食から4時間が経ちお腹もすいてきたので昼食を半分食べる。

 あまり変わり映えしない縦走路を30分ほどでまた送電線の鉄塔の下を通り、9時半近くに1222mの香精山に着いた。ここもやはり木々の中にあるが、三等三角点や石碑がある。また、霊場になっていて木のお札が置いてあった。
笹は大きく身長を超えているがよく刈り込まれていて歩きやすい。

杉林の中をずっと下って行き、10時過ぎ貝吹野に着いた。
そこから5分で貝吹金剛のある塔ノ谷峠だ。ここからも上葛川へ下れるが、ここ貝吹金剛から30分ほど歩いたところにも上葛川に下る分岐があった。そこで昼食休憩にした。

 俗世間を離れて5日。
人の声はほとんど聞かなかったが、この下の北西側には21世紀の森森林植物公園があり、南側には上葛川口のバス停もある。スピーカーから流れる音楽と人の声、車の警笛も聞こえてくる。
人間の社会に近づいたのを感じる。
 
行仙宿山小屋から少し歩くと送電線だった 笠捨山への途中から山並みを
笠捨山の山頂は双耳峰だ。 笠捨山からの展望
地蔵岳山頂は木々の中にあった 地蔵岳下にあった石地蔵

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