07.02.04 MM第164号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

 高山(1094m) 無双連山(1083m)[静岡の百山] 

    
  この山の私の印象                                  

「 暖冬の中、雪に会いに行った 高山・無双連山 」


【歩いた日】     2007年1月27日(土)

【天候】       晴れ

【コース及び時間】

 R362小長井トンネル過ぎから入った林道10:00発−10:24高山下の林道−10:38林道引き返す−10:50

高山入口−10:58高山〈1095m〉11:08−11:12高山入口−(山道)−11:48無双連山入口−12:10無双連山

〈1083m〉{反射板、三角点}12:37−12:52無双連山入口−(林道)−13:19高山下の林道−13:37車の場所

       【無双連山まで  登り 2時間   下り 1時間  】

*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】
 
 『無双連山』。

無双とは・・・
「比較するものがないほどすぐれていること。並ぶものがないこと。二つとないこと。また、そのさま。無比。無二。無類。(三省堂提供「大辞林 第二版」より)」

 「比較するものがないほど優れた連なった山」
「無双連山」の名前に惹かれ、前から気になっていた山だ。
しかし、1年半前に出た「静岡県の山(山と溪谷社)」にはコースガイドは出ていない。
かつての静岡県の山には出ていたのを覚えているが・・・。

 前日の26日(金)夜は雨だった。天気予報では翌土曜日は晴れだと言っていた。
それを信じ用意して待っていた。
そしたら、運良く朝の道路情報で静岡奥から川根に通じるR362号は積雪のためチェーン規制だった。
やった!とばかり、先週の土曜日出かけていった。

前にも書いたが、私は冬には雪に会いたくなり、できる限りシーズン1回は雪に接することにしている。
今年も正月2日に山梨県の日向山(1660m)に行ったが、ほとんど雪はなく残念だった。
もっとも、暖冬の今年は北陸・東北等にもあまり雪はないのだから無理はない。
(今月になって雪は降ったものの、新潟市さえ1月は積雪0で、明治時代からの観測以来のことだそうだ)

私は雪に会いたくてR362号経由で前述の10年前のガイドブック「静岡県の山」と25000分の1地形図を頼りに無双連山を歩くことにした。

 ガイドブックや地図を見ると文沢集落から登るのが一般的のようであったが、近くにそれより10mほど高い「高山」(名前のまんまだ!)がありその近くにも林道が通じている。
 それで、R362号の小長井トンネル過ぎから高山方向に向かうことにした。
久能尾を越えてきたが、そこまでは雪が少ししかなくチェーンは必要なかった。

小長井トンネル過ぎから舗装道の林道に入る。
 林道はしばらく行くと、変則四叉路があり私は高山方向に登っている真ん中の未舗装道を進んだ。
それは、25000分の1の地図を見ると山頂近くに続いているようだったからだ。
しかし、少し行くと道の真ん中に40cmくらいの枯れ草が伸びていて普通車では通行不可能だった。しかもUターンもできなかった。
しかたないので500mほどバックで下がり、杉の伐採現場に車を置いた。

 10時、その林道を歩いて高山に向かった。
全く案内板や標識はないのでこの道で合っているかは不確かだった。
地形図の読み方が間違っていなければ高山に着けるかな、程度の気持ちだった。

 すぐに林道は終わり、中部電力の索道のマークがある山道に出た。
そのまま登っていくと高山下の立派な林道に出た。送電線があるので自分の位置はだいたいわかった。
しかし、私の地形図が古いためか、地図には出ていない林道であったので現在地が確かめきれなかった。
また、地形図には高山山頂への山道が付いていない。

 その林道には5cmほど雪が積もっていた。
白いガードレールの付いた立派な林道を雪を踏み踏みサクサクと音を立てながら歩く。
その白いガードレールに赤ペンキで「←ムソレ山、←高山」と書いてあった。
登ってきたコースはほぼ間違いないことが確かめられ、安心した。
それで、その林道を雪踏みを楽しみながら歩いて行った。

 20分余が過ぎ、気づくと高山のピークはかなり通り過ぎていた。しかも、無双連山が見えてきた(下の写真右上)。
高山への入口が全くわからなかった。
帰路は同じコースを戻ってくるので、先に無双連山に登り帰りに高山でもいいのだが、見落としによるコース間違いだと困るので引き返した。

 10分ほど引き返すと、杉の木に赤丸が書いてあるのが見えた。
もしかしてこれが入口かもと草をかき分け登っていくと杉の木に「高山」と書いた赤いペンキが見えた。
(この赤丸は私が来た道からは陰になり全く見えないので、通り過ぎても無理はなかった)
少し急な山道を登ること8分、木々に囲まれた1094mの高山の山頂に着いた。
木々の間から見える富士山や日本平の方向を示す標識もあった(下の写真)。
その方向を覗くと、日本平は見えなかったが、富士山はうっすらと見ることができた。
この標識がなければ富士山が見えることに気づかなかっただろう。もっとも、高山下の林道からは富士山が遮るものもなく見えたが・・・。

 高山から4分で下り、林道に沿った山道を無双連山に向かって歩く。
雪の上にはカモシカやウサギの足跡が付いていた。
それらを見るのも雪山歩きの楽しみだ。
少し歩くと倒木やとげの生えた小さな木がいっぱいで行く手を遮っていた。
ずっと林道が平行して通っているので廃道に近いのかもしれない。

 11時40分、登山道は林道に出た。文沢集落から登ってきたところだろう。そこには藤川県行造林の看板があった。
そこで数分休んで林道を進んで行った。
300mほど行くと立派な「無双連山」と書かれた入口の標識があった(写真)。

 6分ほど急登すると、史跡を示す白い杭に「犬戻り」という書いてある。かつて徳山城があり、犬も怖がって戻ったやせ尾根だそうだ。
無双連山の山頂までは20分余だった。
下の写真のように木々の中にあり、山頂を示す標識は赤ペンキで落書きのように染まっていた。
高山下の林道の白いガードレールに赤ペンキで「←ムソレ山、←高山」と同じ赤色ではあるが、同一人物によるものとは思いたくなかった。

 南に少し行くと電波反射板があり展望がよい。そこは木を切ってあるので雪が積もっている。
雪と大札山などの山々を展望しながら昼食にした。
昼食後はもう3分ほど南下した所にある三角点に寄った(下の写真)。
そこも、木が生えているものの山々が見えた。

 誰もいない山頂で30分ほど楽しみ下山した。
いろいろなところに屋敷跡や砦跡などがあり1000m余の連なったこの山が自然の要塞になっていたことがわかった。
無双連山入口近くから山々や大井川が最もよく見えた。

 無双連山入口からは登山道は使わずに林道を歩いて戻る。
高山入口近くで黒いカモシカの子供を見た。
高山下の送電線鉄塔付近からは富士山がよりくっきり見えていた。
そこから車までは20分ほどだった。

 車を止めたところには軽トラックが止まり、おじいさんが杉の木を切る準備をしていた。
彼と20分ほど話をした。
彼は50年前に自分で植えた杉の木を切っているという。
間引きをしないと木が大きくならないことやお茶栽培で生計を立てていることなどを教えていただいた。
隣の植えっぱなしの杉は彼の木に比べると本数は多いものの太さは半分以下だった。

 帰路は川根に回り、家山のさくら茶屋で今年の干支であるイノシシの肉を食した(下の写真)。
今年は豊作でチャーシューにして手打ちそばにのせて食べることができると新聞に出ていたので寄ったのだ。
せっかくなのでそれとは別にチャーシューの小皿も注文した。
もともと豚はイノシシを家畜化した物なのでそれほど味は変わらないが、豚肉より少し堅く香ばしく感じた。

 お腹がいっぱいになったら温泉だ。
近くにはSLを見ることができる『川根温泉ふれあいの泉』がある。
川根温泉はメルマガNO.121「蕎麦粒山」で紹介済みだ。
冬場のSL運転は1日1往復のみだった。
しかもそれの下りが16時01分ということで運良く露天風呂から見ることができた。
相変わらず人気があって混んでいて洗い場が空くのを待つのはつらかったが、薄黄色のナトリウム塩化物泉(源泉掛け流し)は私の好きな泉質である。
ゆっくり入浴を楽しむことができた。

今回は雪とカモシカに会え、イノシシそばと温泉を楽しんだ1日であった。
高山山頂 林道から無双連山の山並みを
林道から無双連山への入口 無双連山の標識は赤いペンキが・・・
無双連山の三角点 イノシシチャーシュー入り手打ちそば

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