07.02.23 MM第166号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

 大山(おおやま 1252m) [日本三百名山 神奈川県] 

    
  この山の私の印象                                  

「 山頂は人、人、人 & 大山寺付近は紅葉真っ盛りの 大山 」


【歩いた日】     2006年11月23日(木)

【天候】       薄曇り

【コース及び時間】

 簑毛バス停10:25発−11:17ヤビツ山荘−12:05下社分岐−12:13大山〈1252m〉12:38

−13:16下社−13:33大山寺13:40−13:58大山ケーブル駅バス停

       【 登り 1時間48分   下り 1時間13分  】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】

 行こうと思っていたがなかなか機会がなかった大山に、東京に用があり出かけるついでに寄ることができた。
大山は13世紀に開山し今でも多くの人に親しまれている山である。私はそんな歴史のある山に惹かれてつい登りたくなる。位置は東京と静岡の間、丹沢山塊の東の方である。

 朝早めに家を出て、小田原から小田急線で秦野駅に行き、そこからバスで蓑毛に着いたのは10時過ぎだった。下車したのは私一人だった。きっとここから山歩きをする人はもう少し早く出発するのだろう。
秦野駅からはバスの時刻さえ合えばヤビツ峠まで行くことができるが、蓑毛から歩いてもいいなと思い無理にヤビツ峠行きのバスを待つことはしなかった。

 10時半少し前、歩き始めた。なだらかな林道を登っていくとすぐに小川を渡り、山道に変わった。それまで林道を15分ほど歩いただろうか、山道にかわってもしばらくは沢沿いを歩く。
 蓑毛の登山口には「9/28熊出現」という看板があったが、休日で人が多いだろうからと、あまり心配もしないで歩く。
沢沿いの道からはずれつづら折れの山道を歩いていくと、「ワン、ワン」という犬の鳴き声がするのでもしかしたら熊かと上を見るとシカが逃げていった。その後、犬はしばらく私の後をつけてきたが、やがてどこかに行ってしまった。
近くに林道が通っているのでそこまで車で来て、飼い主が犬を放したのだろう。その犬は猟犬などの恐そうな犬でなくて良かった。熊は恐いが犬も結構恐い。犬を放すのはやめてもらいたいものだ。
 足元を見ると、シカの糞がかたまってころころとあった。
そういえば、この丹沢山塊にはシカが多く、日本百名山の丹沢山に登ったときには人よりもシカの方がたくさん出合った。

 そのうちに人の声がすると思ったらもうヤビツ峠だった。きっと、車かバスで来たのだろう。そこには数人がいた。
近くにあるヤビツ山荘はひっそりと閉まっていた。ここまで約50分かかった。

 そこから緩やかな尾根を数分歩いたところにあるベンチで休憩した。
モミジの木の下に下の写真のような看板があった。
そこには「道づくりの一環でモミジ500本を植樹した」と書いてあった。
樹は写真のようにまだそれほど大きくはないが紅葉していた。やがて大きなモミジ林ができるかもしれない。

 そこからしばらく行くと春岳山(949m)のすぐ東に着く。
木の間から大山も顔をのぞかせる。
方角を東に変え歩いていくと、阿夫利神社下社からの道に合流した。ヤビツ峠から約50分だ。
そこには木でできた立派な標識がある。

 ここまでは2グループに出合っただけであったが、『大山ケーブル』のあるこの登山道に合流するとすごい人だ。
ケーブルカーで下社まで来れば1時間で山頂に着けるからだ。
なかには普通の服や革靴の人もいる。
天気さえ良ければまあ不可能ではない。かつて見た富士山をそのような格好で登っていた人に比べればよいか。
富士山の御殿場側須走りを革靴やズック靴で下りた人たちはぼろぼろに破けたり傷ついていたりした。

 山道は整備され良く歩かれていて木の段があったり鳥居があったりした。
8分で大山山頂1252mだった。
歩いている人が多ければ山頂の人も多くなる。
しかも私が着いたのがお昼ごろということもあって、いたるところに人・人・人だった。
多くの人はお弁当を広げたりおしゃべりの花を咲かせていた。

 車で山頂に行くことができない山頂で、これほど多くの人にあったことはない。
ざっと見て200人、300人はいるだろう。
やはり首都圏の人気の山だ。

 阿夫利神社奥社の前も、裏の山頂の標識のある売店の所も大勢が休んでいた。
少し下がった見晴台にも人がいっぱいだ。
私は山頂の標識のある売店近くに腰を下ろし弁当にした。

 食事も終わりお茶を飲みながら休んでいるとたばこのにおいが・・・
こんな人が多い風上でたばこを吸うのは非常識である。
黙っていようと思ったが、やめていただくようにお話しした。

 今月初め、退職間もない親戚のおじさんが肺がんで入院した。
彼は若いときはヘビースモーカーだったという。
転移していて手術ができなく余命6ヶ月だという。大変残念ではあるが奇跡を信じるしかない。
空気がきれいな山でも、間接喫煙でたばこの害を広げてほしくないものだ。

 昼食後は山頂や見晴台で展望を楽しんだ(下の写真)。
丹沢の山々や箱根の山々が見渡せる。
また、南の方には江ノ島や三浦半島などが見えた。

 天気は少し下り坂で雨雲が出てきた。
12時半過ぎ、下山を開始した。
コースは下社から大山寺、ケーブル駅と歩きそこからバスで小田急線に戻る。

 まさまだ登ってくる人もいる。
下っているグループを追い抜いていく。
雨が少しぱらぱらと降ってきたが、何とか持ちそうであった。
約40分で下社に着いた。
ここには「大山ケーブル」の下社駅がある。しかもちょうど紅葉のピークであった。
いろいろな木の紅葉が好きだが、やはりモミジの紅葉が一番好きである。「紅葉」と書いて「もみじ」と読むことを知ったとき、昔からみんな紅葉と言えばもみじなのかとびっくりした。
ここにはモミジがたくさんあり真っ赤に色づいていた。
だから観光客がいっぱいであった。

 阿夫利神社下社は信者や参拝者が多いためか、立派でありよく手入れされていた。
紅葉を見ながら下っていくと「男坂」と「女坂」に分かれている。
男坂を直接まっすぐに下るより、紅葉などを見ながら下る方がよいので女坂を進む。
すぐに大山寺だった(写真)。

 ここではなんと「かわらけ投げ」が今もできる。
かわらけ投げとは、高い所から土器の杯を投げて、風に舞うさまを見て楽しむ遊び。京都の愛宕(あたご)山・高雄(たかお)山などで花見の時期に遊客を楽しませた。(三省堂「大辞林 第二版」より)
京都の愛宕山(新日本百名山、日本300名山)では、山道にかつてかわらけ投げを行ったと看板があった。
ここ大山寺では、20mくらい下の方に藁で作った輪がありその中に素焼きの皿を投げ入れるようだ。うまく入れば、願いが叶うのだろう。私もやろうか迷ったが、環境にも良くないし、特に願い事も思い浮かばなかったのでやめた。

 大山寺から20分くらいで大山ケーブル駅バス停に着いた。すぐにバスがあったので飛び乗って帰路についた。
バスの中の広告に「紅葉祭りで、11/18,19,23,25,26と夜間ライトアップがあり、20時までケーブルカーを運転している」と出ていた。どうりで山頂にも人が多いし混んでいるわけだ。
乗用車の駐車場も大変混んでいて、長い列ができていた。

帰りのバスで初めて自分が紅葉の最高に混む時期にここに来たことを知った。

ヤビツ山荘はひっそりと閉まっていた ここにモミジ500本を植樹したという
山頂には200人くらいが休んでいた 大山からの展望
大山寺は紅葉が真っ盛りであった 大山寺は歴史がある寺だ

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