07.03.30 MM第168号
【歩いた日】 2007年2月25日(日) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 花沢の里P8:50発−9:13「高草山」石脇登山口−10:23高草山〈501m〉10:42−11:24鞍掛峠 11:30−12:10満観峰〈470m〉13:15−14:00日本坂峠−14:30法華寺−14:50花沢の里P 【 登り(花沢の里P〜高草山) 1時間33分 周遊時間合計 4時間30分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。 【温泉】 「かんぽの宿」黒潮温泉 800円(割引券をゲットで400円、600円) |
【感想 等】 焼津アルプスの主峰「高草山」は、私の発行しているメールマガジン「週刊 私の出合った日本百名山 他の山々」の中のmasarusのコーナーで何回か紹介してきた。高草山は四季を通して楽しめ、JRの駅からも東名高速道路を利用してもアプローチが簡単な里山である。 なお、焼津アルプスと私が言うのは高草山と中心のした山塊全体である。(『低山の四季博物誌 静岡県・高草山(鈴木紳弌著’05.6発行』には花沢山から南部のごく一部の山塊をいうようなことが書いてあったと思う。) 毎年、トレーニングや気晴らし等で数回は登っている。特にキスミレの咲く頃、山桜が咲く頃、新緑の頃、空気の澄んだ冬がおすすめである。 また、今回の周遊コースは焼津アルプスのハイライトコースで変化に富んでいて気に入っている。 まず、アプローチの良さがある。JR焼津駅から徒歩30分余で高草山石脇登山口に着く。車を利用の場合は今回利用した「花沢の里観光駐車場」が無料で利用できる。東名高速道路を使って来るのなら焼津インター及び静岡インターから10分ほどである。その駐車場から昔からある標高40mほどの農道を景色を見ながら石脇まで20分余である。 登山口の標高は約10m。どんどん高度を上げていき501mの山頂に達する。焼津市内や志太平野が手に取るように見える。高草山からは北東に下り、標高約300mの鞍掛峠に達する。そこから北に登り470mの満観峰に着く。南東に尾根を歩き日本坂峠を経て花沢の里に下る。 下の写真のように展望、花や木々、歴史に触れる等いろいろ楽しめる山歩きコースである。 前回のメールマガジンNO167のmasarusのコーナーで書いたが、 「私はなぜ山登りをするの?」と聞かれたら、簡単に言うと「楽しいから」、と答える。 もう少し詳しくいうと、「楽しさ」にもいろいろいあり、30年を振り返ってみると、その時々によって目的や楽しさが違っていた。ざっと書くと以下のようになる。 1,自然を見たり接するのが楽しい 2,やり遂げたという達成感がたまらない。 3,美しさや感動を求めることが楽しい。(山々の美、高山植物、太陽や星、展望) 4,写真撮影が楽しい。 5,写真や文で記録しそのすばらしさを残したり他の人と共有する楽しさ。 6,肉体・精神力の鍛錬 7,ストレス解消・リフレッシュ 8,健康づくり・健康の保持 9,未知との遭遇(動物や自然現象との出合い) 10,下山後のその地方の温泉などの楽しさ 11,日本百名山、二百名山等の達成をめざすことの楽しさ 12,家族や友人との会話や共通体験することの楽しさ 今回の山歩きは、「12,家族や友人との会話や共通体験することの楽しさ」になる。 メルマガ100号達成オフミを八ヶ岳の本沢温泉・天狗岳で行ったとき参加してくれた櫻田さんが友人達に呼びかけて集まってくれた11名と共に歩いた。60歳代が多いが、メンバーの中にはお母さんと共に参加した13歳の少女もいた。一応私が案内人ということであった。それで市役所でもらったハイキングマップを用意してみんなに配布した。 午前8時半にJR焼津駅に集合し、タクシーとマイカーで花沢の里駐車場に着き8時50分に出発した。 天気は晴れだ。しかも今年の2月は大変暖かい。絶好の山歩き日和である。 前述したように、山腹40mくらいに付けられた昔からの道を焼津駅の方に戻る感じで歩く。途中、花沢城趾や高崎の集落を通り、高草山石脇登山口に着く。私たちは20分余で着いた。 いよいよここからが登りである。地元の中学生は毎年高草山登山競争がある。麓の学校から速い生徒は20分ほどで山頂に着いてしまう。標識に沿って高度を上げていく。中腹まで農道もあるが、昔からの登山道の方が早いし楽しい。 麓に近くにはミカン畑が多い。11月から12月頃には下から見えるくらいミカンが実り黄色くなっている。少し上がるとお茶畑に変わる。下の写真のように茶畑と防風用に植えられた樹木の間に付けられた山道を進んでいく。 途中3回ほど農道を横切る。そこはちょうど、焼津市内や志太平野の展望台だ(下の右上の写真)。景色を見ながら休憩するとよい。御前崎や伊豆半島も見える。伊豆半島は石廊崎や天城山がはっきりわかる。 次に農道に出たところでは満開の菜の花が私たちを迎えてくれた(写真)。 急登も2回ほどあり、1時間余で501mの山頂に着く(下の写真)。途中、下ることなく山頂まで登りだけであるところも私は気に入っている。 山頂からは焼津港や市内だけでなく、藤枝・岡部方面も見える。最近、山頂付近の北東の木が切られ富士山がよく見えた。 焼津市を見渡せる最高峰であるので市民から親しまれ毎回登山者に会う。山頂には写真のようにたくさんのベンチがあり、神社や無線中継所もある。そこから3分ほど西に行ったところには錨と共に戦没者の慰霊塔がある。そこにも足をのばした。 山頂で20分ほど休んで鞍掛峠に向かった。杉林の中を北北東に下っていく。多少のアップダウンはあるが夏でも涼しい木が生い茂った道である。最近の強風で倒れた杉がたくさんあった。杉は根が浅くここ2から3年くらいはよく倒れている。かつてより突風が吹きやすくなったのかもしれない。高草山から40分ほど下り11時半頃鞍掛峠に着いた。ここ鞍掛峠へは農道がつながっていて車で上がってきて満観峰へ向かう単独の老人もいた。 5分ほどで全員がそろったので昼食を食べる予定の満観峰へ向けて出発した。やや明るい杉林の中をなだからに登っていく。満観峰でお昼を食べて降りてくる人が何人もいた。中には「山頂はすごい人だよ。200〜300人は、いるよ。」という人もあった。登って降りてまた登る、ということで多少大変だった人もあったが、12時過ぎに満観峰に到着した。 今日はこの時間に山頂に100人くらいいて、富士山も見える(写真)。もちろん、静岡市内や日本平もよく見える。前にも書いたが富士山のビューポイントで県外の登山者にも人気がある。 前に会った横浜の中年女性グループは坂本から高草山を往復し、花沢から満観峰を往復していた。両方をつなげたすばらしいコースがあることを知って欲しくてこれを書いている。(標識は整備されているので地図さえあれば初心者でも十分歩くことができる。) 山頂では櫻田さん他の皆さんからお汁粉と抹茶をいただいた。彼らの荷物が少し多いと思ったらリュックの中には抹茶用の器や小豆の缶詰・餅、ミネラルウォーターなどがそれぞれ入っていたのだ。大変おいしかった。野点(のだて)もなかなかいいなあと思った次第である。荷物の分担をしないでいただいて申し訳なく思った。 山での楽しみ方はいろいろあり、バーベキュー用品やお酒類やスイカなども持ってくる人もいる。 山でどんなふうに楽しむかは多種多様である。最近の私は最低限の荷物で身軽に歩き、その快適さと移りゆく自然の変化を楽しむことに軸足をおくことが多い。 今回もそうであるが、地元の山を歩くときには「530(ゴミゼロ)運動」と書いた袋を持ってゴミを拾いながら歩く。 「ご苦労様」と声をかけてくれる人もいる。また、ゴミ拾いを手伝ってくれる人もいてありがたい。 この日の満観峰は大勢の人でにぎわっていたのでたばこの吸い殻、ビールの空き缶やゴミなどがいつもより多かった。 満観峰の山頂では1時間ほど休憩した。 ここからは小さな峰をいくつも越えながら日本坂峠に下っていく尾根道である。 それほど急な山道は少なく、時々両側に開ける静岡市や焼津市の展望を楽しんでいると日本坂峠に着く。 私たちは14時に着いた。 この日本坂峠は万葉の時代、焼津と静岡を結ぶ重要な峠であったらしい。かつて日本武尊も東征で通ったと言われている。また、万葉集には「焼津辺(やきつべ)にわが行きしかば駿河なる阿部の市道に逢いし児らはも」と詠まれている。 現在ではこの下を通っている事故の多い「日本坂トンネル」として日本坂の名は知っている方も多いと思う。 峠からは右に30分も下れば、花沢の里である。少しがれている滑りやすい杉林の山道を少し下れば農道に出る。そこからはミカン畑の中を降りていくと法華寺だ。お寺のカンヒザクラが満開であった。白いコブシの花のつぼみもかなりふくらんでいた。四季を花や木々がきれいで写真愛好家にも人気のある寺である。 ここは『花沢の里』といい、写真のような長屋門造りの家並みが残っている。それらを見たり無人販売の果物や野菜などを楽しみながら下り、15時前に駐車場に着いた。 焼津には『黒潮温泉』が湧き出ていて、それを引いている施設が8ヶ所ほどある。どれもそれぞれの良さはあるが、山の上に建っていて焼津港や駿河湾を一望できる「かんぽの宿」がおすすめである。ちょうど、割引券を入手できたこともよかった。私たちはそこで2時間ほど入浴したりくつろいだりした。 その後は、駅の近くの小さな店でビールを飲みながら「焼津おでん」を食した。焼津おでんは魚を使った練り製品が豊富だ。また、3cmほどのカツオの心臓を「カツオのへそ」といって串刺しになった物もある。これらに味噌だれを付けて鰹節や青のりを振りかけて食べる。 ここへは天狗岳に一緒に登った伊藤さんも合流してくれた。そして懐かしい話に花が咲いた。 普段は接することができない様々な職業や趣味の人たちと話をするのは楽しい。 有志でもう1軒飲み歩いてしまった。家に帰ったのは23時であった。長い充実した1日だった。 |
山頂501mに向かって高度を上げていく | 中腹から焼津市内・駿河湾を展望する |
菜の花が我々を歓迎してくれる | 2つ目の急登、あともう少しだ |
高草山の山頂にはたくさんのベンチが | 2つ目のピーク「満観峰」で昼食 |
花沢の里は四季を通して人気のスポット | 「かんぽの宿」黒潮温泉から焼津港の展望 |