07.05.16 MM第174号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

 八紘嶺(はっこうれい 1918m)  [ 山梨百名山 静岡の百山 ] 

    
  この山の私の印象等は・・・                                  

「 初夏の日差しの中を雪山を見つつ歩いた 八紘嶺 」


【歩いた日】     2007年4月30日(月)

【天候】        快晴

【コース及び時間】

 静岡市 梅ヶ島8:33発−8:37登山口−9:18林道出合い9:23−9:38安倍峠への分岐−

10:43八紘嶺〈1918m〉11:01−11:47安倍峠への分岐−12:05新安倍峠P−12:24旧安倍峠

   【 登り(梅ヶ島から) 2時間5分  下り(旧安倍峠へ) 1時間23分 】

*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。


  
【感想 等】

 人混みや大勢が集まるイベントが好きな人がいる。逆に、人混みは疲れるから等で好きでない人もいる。
私は後者である。
 それで、前回・前々回(NO172,NO173)に書いたように、GWは避け、少々天気予報は良くなかったがGWの1週間前に前から行きいと思っていた伊豆に出かけた。GWは家でじっとしてようと思った。

 しかし、GWに入り、あまりにも良い天気になった。4月29日は快晴の中空気も澄んで富士山はもちろん、伊豆半島も駿河湾越しに手に取れるくらいに近くに見えた。
 翌30日も良い天気だ。それじゃあ、静岡の奥にちょっと行って来ようかと、梅ヶ島に向かった。
私にとって静岡の奥は、家の近くの焼津アルプスと並んでアルプス縦走時のトレーニングの場でもある。以前書いたように、その中でも一番登るのが山伏岳である。

 今回は久しぶりにこの八紘嶺に行きたくなった。八紘嶺は山梨県と静岡県の県境にあり、北にある山梨県の七面山から歩いたり、西にある大谷嶺に行き大谷崩れから下山したりしたこともある。
 今回は梅ヶ島温泉からの往復をしようと思い出かけたのである。

 8時半過ぎ、県道29号線の終点、梅ヶ島に車を止め登り始めた。車は2台ほどしか止まっていない。
かつて、GWや紅葉の時期には駐車する場所がなくて困ったものだ。今では安部峠まで車で行くことができ、そこに駐車場がある。だからここに少ないのか、時間が早いのか、みなさんは他の観光地に行ったのか・・・。ちょっと、びっくりしたが。

 舗装道路の横の階段を通り、その後林道を5分ほど登ると下の写真のような登山口がある。
そこから杉林の中を進んでいく。途中、樹木越しに大谷嶺などの山々が見える。アカヤシオも少し咲いていた。
山道は地形図の等高線に垂直にどんどん標高を上げていくが、疲れない。
それは、先週歩いたばかりで体が山歩きに慣れていて、弁当・水筒だけ入った荷物は軽いからか。

 登山口から40分ほどで安倍峠に通じる林道に出た。
そこには広い駐車場があって1台止まっていた。すぐに山道に入り緩やかに高度を上げていく。
樹木も徐々に広葉樹が混ざった雑木に代わる。

 9時半過ぎ、安倍峠への分岐に着いた。歩き始めてから1時間、樹木越しに青空を見ながら気持ちがよい汗をかいた。
ここからは稜線歩きだ。晴れの日のなだらかな稜線は快適だ。
足下にはクマザサが茂り灌木の間の山道を歩いていく。
少し行くと、右手にガレ場があり富士山が顔を出す(下の写真)。
家の近くから見たときよりはっきり見える。富士山はいつ見ても、どこから見ても美しい。
前にも書いたが、私は富士山がよく見える道を選んで通勤路にしている。また、職場からも毎日その日の富士山の見え方を確かめている。
 その他の山々もきれいに見える。方角から言って山梨県側だ。詳しい地図がないのでわからないが・・・。

 若い単独の男性が下りてきた。彼は七面山の敬慎院からだという。かなり早い。
その後も3組5人に会う。みんな七面山からだ。

 その内に正面方向の木々越しに真っ白い南アルプスの山々が見えてきた。
前衛の山、緑の木々、青い空の元では目立ちすぎるくらいの白色だった。
(下の写真は八紘嶺山頂の灌木の枝の間からの南アルプスであるが、途中の山道からはもっとはっきり見えた。)
GWの約1900mの稜線は半袖でいい暖かさだが、3000mの山々はまだまだ冬だと思った。

 そんなことを思っていたら、なんと足下に雪が現れた(下の写真)。
目を疑ったが、確かに雪であった。
1カ所だけ4月の初めに降った雪が残っていたのだ。

 木々の間から八紘嶺の山頂が見えてきた。山頂の西側は木はなくクマササだけだ。ここからあと10分くらいだ。
そう思い気持ちも軽くなってきたとき、山道の灌木に目をやると下の写真のようなシカの食害にあった木々がいっぱいあった。山伏岳のヤナギランもそうであるが、シカの食害のよる被害が目立ってきている。
熊にしろ、シカ・イノシシにしろ、人間との共生をいかにしていくか難しいところだ。

 そこから2分ほどで八紘嶺の山頂であった。
下の写真のように葉を落とした灌木に囲まれていた。
その灌木越しに雪で真っ白になった南アルプスが見えた。
人は誰もいず、のんびり昼寝でもしようか、と思っていたら七面山方向からにぎやかな中年3人組が来た。
それで、11時過ぎに安倍峠に戻ることにした。

 写真を撮りながらのんびり歩く。
梅ヶ島への分岐を過ぎ、12時過ぎ安倍峠の駐車場に着いた。ここは以前からの安倍峠と区別するように新安倍峠と言っている。車は5台ほど止まっていた。
落石のため山梨県側には通り抜けできない。家族連れが昼食を兼ね新緑を見に来ている。

 私も昼食を取るところを探しながら歩いた。
結局、旧安倍峠に行き、そこで昼食を食べた。

 歩きながら「このまま下りるのもつまらない。奥大光山まで足をのばし、安部の大滝を見て車に戻ろう」と思い、
昼食後はもう一山、歩くことにした。 〈次号に続く〉

 
梅ヶ島から5分くらい登ると登山口だ ガレ場からは富士山がよく見えた
1カ所だけ4月に降った雪が残っていた シカの新しい食害が目に付いた
八紘嶺山頂は灌木に囲まれている 南アルプスの峰々は真っ白かった(山頂から)

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