07.06.15 MM第177号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

 尾白川渓谷、鞍掛山(2037m)、日向山(1660m)[山梨百名山] 

  その2 鞍掛山(2037m) [山梨県北杜市]

    
  この山の私の印象等は・・・                                  

「 時間もあるし、もう少し歩きたいと ついでに登った 鞍掛山 」


【歩いた日】     2007年5月26日(土)

【天候】        快晴

【コース及び時間】

その1

 おじろP7:06−7:15千ヶ淵7:20−7:35旭滝7:45−8:02百合ヶ淵8:10−8:15神蛇滝8:31−

8:55不動滝−9:16林道−9:24錦滝


その2

錦滝9:38−10:13雁ヶ原−10:24(小ピーク)10:37−11:50駒岩11:55−12:17鞍掛山

〈2037m〉12:37−12:56駒岩13:01−13:51錦滝への分岐13:56−14:00雁ヶ原


その3

雁ヶ原14:05−14:13日向山〈1660m〉14:22−15:07矢立石−15:20林道途中=(車)=

 15:27おじろP



   【 その1 1時間39分   その2 3時間34分   その3 1時間13分  計6時間26分】

*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

【温泉】   尾白の森 名水公園べるが 入園料200円+温泉500円

  
【感想 等】

 NO176で紹介したように、尾白川渓谷を歩き不動滝から錦滝に着いた。
尾白川渓谷歩きは楽しかった。山梨県でもう1つ好きな渓谷がある。
それは、西沢渓谷だ。日本百名山の甲武信岳の南東にあり、下山後に寄った様子を紹介したことがある。
HPで紹介したように、西沢渓谷は冬季凍結するのが魅力だ。もちろん、他の季節もいい。

 錦滝は日向山への登山口の1つになっている。そこには東屋があり、落書き帳が置いてあった。
そこをみると、鞍掛山に行ってきたと書いてあった。地図で見ると雁ヶ原からの尾根歩きでそれほど遠くない。
以前歩いたように尾白川渓谷−日向山と歩き、ゆっくり「名水公園べるが」で入浴もいいと思ったが、もう少し歩きたいと思っていたのだ。そこで隣にある2000m余の鞍掛山に登ることを急遽決めた。

 鞍掛山は山と渓谷社の「山梨県の山」にも「山梨百名山」にも紹介されていない。
選ばれなくてもすばらしい山は全国にたくさんあると思う。
今回は、全く先入観なしでただ地図を頼りに歩くことにした。

 錦滝の近くにはピンクのかわいい花がたくさん咲いていた(写真)。
残念ながら小さすぎて写真では見えにくいが。
落書き帳には「サクラソウ」ではないかとか、「クモイコザクラ」ではないかと書いてあったが私には本当の名前はわからなかった。
静寂の中に滝の音と鳥の鳴き声だけが聞こえる。

 9時半過ぎ、雁ヶ原に向けて出発した。
大変急な上りである。緩やかな渓谷の登りを十分な休養を取りつつ歩いて来たのですいすい歩けた。
ショッキングピンクのミツバツツジや太陽を透かしてみる新緑は美しかった。

 30分ほど歩くと進行方向上の方に、太陽の光に輝く花崗岩の風化した白砂が見えてきた(写真)。
前回の紅葉時に来た時は小雨の中であったので白砂は灰色にくすんでいた。
きらきら輝く白と黄緑の風景はいくら見ても飽きないくらいの美しさだった。

 10時過ぎ、雁ヶ原に着いた。
福井から来たという年輩の女性達が鞍掛山の方から下りてきた。
仲間は鞍掛山に行ったが、自分たちは少し先でお昼を食べて帰ってきたという。
地図で見ると小ピークがあるのでそこで昼食にしようと思いここは休まずに進む。

 道は急に細くなりやせているところもあった。
所々に付いている赤いテープが頼りだ。
10時半頃、軽い昼食にした。
ミツバツツジがつぼみだったり満開だったりしてきれいだった。
少し歩くとまとまったシカの糞やシカが樹皮をかじった跡もあった。
シャクナゲの群生もあったが、花にはまだ早かった。

 そこから少し登っていくと樹林帯に入ったが、標識を見落としたのかコースから外れてしまった。
地図を見ると尾根を歩いていくので山道は近くにあるはずだった。
けもの道に迷い込んだのかもしれない。
コースを外れても歩けなくはなかったのでそのまま登っていった。
30分ほど登りなだらかになった辺りで、本当の登山道に合流した。
白い甲斐駒ヶ岳がようやくはっきり顔を出した(写真)。

 その先が「駒岩」だった。
1人年輩の男性が疲れた顔で休んでいた。
あとどれくらいで鞍掛山かを尋ねたが、わからないと言うことであった。

 そこから少し下っていくと、年輩の女性がくたびれた表情で「下れるか心配になって引き返してきた」とのこと。
「山頂はそんなに遠くないですよ」と言ったが、戻ると言って駒岩へ登っていった。
案の定、下りはわずかですぐに登りに変わった。

 少し行くと、数人のグループに出合った。
先頭の方が、福井から来たこと、地元に鞍掛山があるので全国の鞍掛山に登っていること、これで11座目であることなどを話してくれた。山歩きにはこんな楽しみ方もある。

 他にも、自分で尾根をつないで縦走する方法(かつてアラシさんから八ヶ岳から東京まで縦走した人のお話を聞いた)、日本百高山をめざしている人、全国の低山を巡っている人、同じ山を毎日登っている人、県境や市町村の境目を歩いている人・・・、いろいろな楽しみ方がある。

 まもなく、鞍掛山(2037m)の山頂だった。残念ながら山頂は樹林帯の中で展望はなかった(写真)。
残りの昼食を取り休んでから同じコースを帰路に着いた。

 帰路は間違わないようにしようという思いはあったが、赤いテープが時々あるだけの標識が少ない山である。
途中、透明のビニル袋が登山道の所々に付けられていた。
(行きにも目に付いたが、初めは風でとばされたビニル袋が木に引っかかっているものと思っていた。しかし、それが人為的にくくりつけられたものであることに気づいた。)
ありがたい、初めて見る変わった標識だ、とそれに沿って下っていった。
地図では確かめずに下りていき、少し下りすぎたかな、と思いながら下っていると午前10時頃通過した錦滝から雁ヶ原へ向かう道の途中に下りてしまった。
雁ヶ原への最後のピークを越える手前でゆるい谷間に下りてしまったようだ。

 行きも帰りもコースを間違えた自分にがっかりした。
踏み跡や目印を頼りに、地図を使ったり考えたりしないで歩いているとこのようなことになる。
しかし、雁ヶ原へはそれほど遠くはない。
5分くらいで着くことができた。(次号へ続く)
  
錦滝の近くにはきれいなピンクの花が 山道から雁ヶ原を望む
ミツバツツジが色を添える 駒岩近くから甲斐駒ヶ岳
鞍掛山の山頂は樹林帯の中だ 登山路から日向山が見える

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