07.09.11 MM第186号

   私の出合った日本百名山 by masarus
       
                         

だいらぼう (561m) [静岡県 静岡市]

    
  この山の私の印象等は・・・                                  

「 亡き弟をとむらい歩いた だいらぼう 」


【歩いた日】     2007年8月15日(水)

【天候】        晴れ

【コース及び時間】

 富厚里峠13:30発−13:44山道へ−13:55だいらぼう〈561m〉14:00−14:19林道−14:30

富厚里峠


   【 登り 25分 下り 30分   計55分 】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムです。

  
【感想 等】

 「だいらぼう」
聞いたことのない方も多いだろう。
ここは、静岡市の西、岡部町との境目に近いところにある561mの山である。
周りにもたくさんの山はあるので、それほど目立ってはいない。
だからこれまで紹介した「日本平(308m)」や「高草山(501m)」より高くても『静岡の百山』には選ばれていない。

 この山の近くには弟の家と墓がある。
以前、メルマガでもお話ししたように3年前、46歳で肝臓癌で他界した。
生前、弟は健康増進のためにこの山に登っていた。
ご家族は1年に1回はこの山に行くという。

 その話を聞き、私もお盆の墓参りの前に歩いてみたいと思った。
家を早めに出て、葵区富厚里(ふこうり)に向かった。

 私は学生時代、友人に近くの女子短大生と合同ハイキングをしたいが簡単に登れるところはないかと相談を受け、
1度登ったことがある。
名前がユニークなので記憶に残っている。

 「だいらぼう」は、全国にある『だいだらぼっち』伝説の1つの山だそうだ。
その看板が、山頂の小屋の所にも付けられていた。
だいらぼうという巨人が富士山を作ると言って琵琶湖の土を運んできたそうだ。そのとき、もっこから落ちて出来たのが、安倍川、藁科川にある「舟山」と「木枯らしの森」だという。
なかなか面白い話であるが、なぜ富士山にはほど遠い561mでやめてしまったのか、聞きたいところだ。

 富厚里から岡部町玉取方向に車で少し上ると、富厚里峠だ。
学生時代と違い、今では車で山頂に立つことも出来るがそれではつまらない。
ここに車を置き、歩くことにする。

 初めは林道歩きだ。(あとから山道を見つけたが・・・)
地図を見ながら15分ほど歩くと、山道に入る標識を見つけた。
シダやその他の草木が茂り少し道がわかりにくい。
特に林道が出来たところは、急激に山道が荒れる。
その多くの山道は使命を終わり、山道を手入れする価値がなくなるからだ。

 林の中の山道は、草木が成長したり土砂が流れるのを防いでくれあまり変わらないでいるところもある。
しばらくすると茶畑の中の道に出た。赤白模様の鉄塔が見え、山頂方向はわかるが道を見失ってしまった。
仕方ないので、林道に降り、林道を歩いて山頂に向かう。

 山頂近くはできたての真っ白な白線の付いたきれいな舗装道路だった。
そこを5分ほど歩くと、車が6台ほど止めてあるのが見えてきた。
ダイラボウの山頂、561mだ。
何台も車があって人気のある山だなあ、と思ったらその車の人達はみんな仲間で下の写真のようにグライダーを飛ばして楽しんでいた。
そこには下のような新しい「林道だいらぼう線 開通記念碑」があった。
広場の裏に少し高いところが見えたが、矢印も山頂の標識も見えなかったので、彼らに山頂はどこか聞くと、ここだという。しかも石碑以外には標識はないという。
広場の奥には小屋がありだいらぼうの伝説が書いてあり、入り口には鍵がかかっていた。
よく見ると、その横から林の方に道が続いていた。

 登ってみると山頂を示す三角点があった。
次回来る機会があったら、記念にこの山頂に木のプレートを付けたいな、と思った。

 ここだいらぼうの山頂からは、山を作る巨人伝説にふさわしく、静岡市が手に取るように見える(下の写真)。
特に、手前の大きな橋は第2東名高速道路の橋で、上手く見える。
この風景を見るためにここに来るのか、と納得した。
奥の方には日本平や駿河湾なども見える。
もちろん、周りの山々もはっきり見える。

先日台風9号が静岡から上陸し、日本列島を縦断していったが、海岸線を通る東名高速道路は高波を受け不通になった。内陸部を通る第2東名はかなり出来てきた。
建設事業に税金をつぎ込むのは好きではないが、日本の産業や交通を支える大動脈が早く完成するといいと思った。

 帰路は三角点からの道を下っていった。
林の中の道は消えずに残っていて、行きに見失ったところにも着くことが出来た。
草が生えてわからなかったが、もう少ししっかり探せば見つけられる所にあった。

 14時半、車に着いた。
帰りはヒグラシなどセミの声を聞きながらのんびり歩いたためか、行きより5分時間がかかった。
峠から少し下ったところに山道への標識があった。次回はここをたどってみたいと思い、弟の墓に向かった。
 
林道をしばらく歩くと山道への標識有り 標識はこの石碑だけという
眼下には工事中の第2東名や市内がはっきり 山頂でグライダーを楽しみ人達
小屋には「だいだらボッチ」の伝説が書かれて 広場の上の三角点を確認する

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