2008.04.14 MM第211号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus
       
                         

藤原岳(ふじわらだけ 1140m) 花の百名山

[三重県いなべ市・滋賀県東近江市]


    
  この山の私の印象等は・・・                         

「 たくさんのフクジュソウ、雪解けジュルンコ、人・人・人に出合った 藤原岳 」

 *下に感想等の文があります。                                         


【歩いた日】     2008年3月29日(土)

【天候】        曇り

【コース及び時間】


近鉄西藤原駅12:00発−12:08登山口−(聖宝寺コース)−12:15聖宝寺−12:22長命水12:27−

13:01六合目13:06−13:25八合目分岐−13:35九合目13:40−13:59藤原小屋−14:20藤原岳

〈1140m〉14:38−14:53藤原小屋−15:19八合目分岐−(大貝戸道)−15:47三合目15:52−

16:03登山口16:09−16:15近鉄西藤原駅


   【 登り(聖宝寺コース) 2時間5分  下り(大貝戸道) 1時間26分   合計 3時間31分 】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。


  
西藤原駅は汽車のデザインだ 八合目に来るとフクジュソウが至る所に・・
九合目は雪が解けじゅるんこ状態 25人の団体のあとにつき藤原小屋着く
48人の団体と泥道に参りながら藤原岳山頂に着く 藤原岳山頂からの展望

 【感想 等】

 
「藤原岳」はフクジュソウで有名な花の百名山だ。
花の百名山は、花の時期はどっとみんな押し寄せるので大変な混みようだ。
かと言って花のない時期に行っても楽しさは半分以下かもしれない。

 例えば、私が行った時の鉢伏山入笠山三ツ峠山などだ。
これらはまたいつか、花の時期に登りたいと思っている。

 反対に花の時期ですばらしい花々に出合えた山は、櫛形山北岳天城山などだ。
これらは、早い時間に出発して花を楽しみ混む前に下山できた。
大変楽しい思いができた。

藤原岳も、以前から行きたいと思って機会をうかがっていた。
他の山と違って都会から近い、行きやすい山だ。
だからかえって後回しになっていた。

 車で行くか、JRを使うかも迷った。
あいにく、前日は送別会でアルコールを大量に飲んだ。
アルコールが残っていると車の運転は困るので、JRで出かけた。
名古屋から関西本線に乗り、富田で三岐鉄道三岐線に乗り換えた。

 終点の西藤原駅に着いたのは12時近くだった。
時間が遅かったためか下りたのは2人だけだった。登山者は私だけだった。
駅にはかつて活躍したSLなどが置いてあり、駅舎も写真のようにSLを模して造られていた。
駅前には『鈴鹿国定公園 藤原岳周辺案内図』が設置されていた。

 それを見て確かめてから、12時に出発した。
天気は晴れ、風もなく、まずまずの登山日和だ。
車道を聖宝寺コース(裏道)の登山口の鳴谷神社に向かって歩く。
左手にはこれから登る藤原岳が山頂付近に雪を残しているのが見える。

 親切にも、向かい側に観光駐車場のある小学校のフェンスには「大貝戸登山道」「聖宝寺登山道」の案内の矢印の看板が大きく付けられていた。

 12時8分、鳴谷神社の聖宝寺登山道入り口に着いた。
そこには「花の百名山 藤原岳」と書いた大きな看板もあった。
聖宝寺を過ぎ、少し登っていくと「長命水」という水場があった。
山のおいしい湧き水で喉を潤し、少し登ると「藤原岳裏登山道 二合目」という標識が出てきた。
丁寧に案内板が付けられている。
植林された針葉樹の樹林帯の中をどんどん登っていく。

 13時、六合目に着いた。
その近くまで行くと自然林の広葉樹帯になっていた。
そして樹木の間から展望も開けているところもあった。

 六合目を過ぎると、窪地に雪が残っていた。
また白いカタバミのような花が可憐に咲いていた。
なだらかな登りで弱い風を受けながら快適に歩いていくと八合目に着いた。
ここは大貝戸道(表道)と合流するところだ。
さすが登山者が増えてきた。
下山している人も多くいるが、私と同じようにまだ登っていく人もいる。

 ここまで来ると、待望の『フクジュソウ』が至る所に咲いている。
濃い黄色なので遠くからでもよく目立つ。
満開の花もあれば、つぼみもある(写真)。
いろいろな株を撮影する。
久しぶりに見た自然のお花畑。
うきうきしてくる。

 以前も書いたが、南アルプス南部や山伏岳(静岡市北部の三百名山)のお花畑はシカの食害で全滅状態で保護により復活をめざしている。
4年前に行った甘利山は虫の大量発生でレンゲツツジが全滅状態だった。

 元気に大自然の中で花開いている姿を見るとうれしくなる。
セツブンソウも咲いていた。

 九合目に着くと登っている人が急に増えた。
後でわかったが、25人の団体の後ろについてしまったのだった。
しかも暖かさから雪が解けじゅるんこ状態になっている(写真)。

 登るにつれ、白い雪は見えなくなりどろんこ道になった。
道を譲ってくれるわけでもなく、細い1本道では追い抜くことも出来ない。
あきらめて後をついていく。

 14時少し前、立派な避難小屋の「藤原小屋」に着いた。
この団体はここで休憩するので、休まずに登ることにした。

 やっと渋滞を抜けたと思って快適に歩くこと5分、またもや渋滞につかまった。
後でわかったが、クラブツーリズムの48人の団体だった。
ズック靴の人、普通の服装の人、滑るのでなかなか前に進まない人・・・。

 ぬかるみは深いところで10cmほどあった。
今回はスパッツも軽アイゼンも持参していたが、ザックにしまい込んでいた。
アイゼンは必要ないが、スパッツは付けておけば良かったと後悔した。
前の人が泥をはねてくるからである。
自分のはねと合わせて、私のズボンの膝から下は泥だらけになってしまった。

 小屋から20分で藤原岳の山頂に着いた。
「展望台」と言われるだけあって360度、山々がよく見える(写真)。
あいにく展望はよくなかったが、景色を見て楽しんだ。

登ってくる途中、下山者にもあった。
彼らの中には「待っていてあげても、ありがとうの言葉もない」とやや不満そうな人もいた。
それは50人を待つのはさぞ大変だっただろう。
ガイドらしい人がメモを取っていたので、そのことを伝えた。
メンバーに基本的な常識を教えるのは引率者の役目だ。
また引率者が率先してあいさつやお礼を言うのは当たり前だ。

 先ほど登ってくるときには最後尾は引率者ではなかったのか・・・。
旅行社が募集するツアーは統率が取れず、大変である。
この団体は48人に対して2人の引率だという。
48人で2人は大変である。十分把握できるのだろうか。私には無理である。
体力差で10人から15人のグループにして引率したいところだ。

 決まりでは30人に対して1人の引率だという。
(下山中、八合目分岐でこの団体の3人が心配そうに登ってくるのを見かけた。引率者は十分把握できているのだろうか・・・。このような人達が道迷いで遭難するケースが多いように思う。)
何の決まりかは私にはわからないが、改善した方がよいように思う。

 彼らは10分ほどで下っていった。
残ったのは私1人だった。
みんな団体だったのだ。

 静かになった山頂を楽しみ、10分ほどしてから下っていった。
やはり5分ほどで追いついた。
小屋で休むからその時追い抜かせばいいと思い、最後尾の引率者と話をしながら下った。

2つの団体は藤原小屋にいる。その間に下山を始めれば会うことはない。

 15時19分、八合目の分岐に着いた。
ここからは右の大貝戸道を下る。
歩きやすい樹林帯の中で気持ちよく下れた。
人にもあまり会わず、あっというまに三合目だった。

 16時過ぎ、神武神社を過ぎ、登山口に着いた。
そこには立派な休息所があり多くの登山者が休んでいた。
外の水道にはたわしが置いてありみんな靴やスパッツを洗っていた。

 私も靴を洗い西藤原駅に向かった。
待合室には何人か待っていたが、みんなの服や靴のきれいさに驚いた。
隣の人からは「登山口で洗ってこなかったのですか」とも言われてしまった。
靴はざっと洗ったが、泥はねの付いたズボンはいかにも汚かった。

 帰路、富田駅前の店で「近くに温泉か銭湯はないか」、と訪ねると50mくらいの所に『たから湯』という銭湯があるという。
ラッキーとばかり、1日を振り返りながら汗を流した。

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