2008.04.21 MM第212号
*下に感想等の文があります。
【歩いた日】 2008年3月30日(日) 【天候】 曇り 【コース及び時間】 近鉄湯の山温泉駅6:20発−6:56湯の山温泉−(中道)−7:21御在所山ノ家7:26−7:55おばれ石8:00 −9:00朝陽台9:12−9:21御在所岳〈1212m〉9:44−9:55朝陽台−(裏道)−10:05国見峠(八合目) 10:10−10:32藤内壁出合10:40−10:55藤内小屋−11:10日向小屋11:15−11:30蒼滝11:35− 11:50湯の山温泉ロッジ[入浴]12:50−12:53蒼滝口バス停13:05=(バス)=13:11近鉄湯の山温泉駅 【 登り(中道コース) 2時間39分 下り(裏道コース バス停まで) 1時間51分 合計 4時間30分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 【温泉】 湯の山温泉ロッジ(450円) |
急に「おばれ石」が中腹に現れる 中腹からロープウェイの鉄柱のかかる御在所岳山頂が見える おばれ石付近からの眺め 夕陽台への道はまだ雪がいっぱいだ 登山者が歩きやすいように山道を補修してくれている 蒼滝まで来れば湯の山温泉はもうすぐだ
【感想 等】 藤原岳に登った翌日に御在所岳にも行った。 御在所岳は日本二百名山であると共に、花の百名山(アカヤシオ、シロヤシオ、タテヤマリンドウなど)だ。 もっとも、この時期、3月下旬はアカヤシオなどの開花にはまだ早い。 この御在所岳はロープウェイとリフトで簡単に山頂に立つことができる。 体力のない方や観光客には大変よいことだろう。 ただし、富士山もそうだが、登山の中腹を省く、ショートカットは山歩きの良さも半減させる。 例えば、富士山の一般的登山口は五合目の森林限界である。 ということは、富士山の植物のすばらしさは十分体験できないことになるのだ。 この御在所岳もコースによって全く違った感じを受ける楽しい山である。 登りに使った「中道」コースは山岳ムードいっぱいで岩あり鎖ありのコースだ。また、下りに使った「裏道」コースはよく整備されていて歩きやすく滝や沢があるコースである。 前号で書いたように公共機関を使って登山口まで出かけた。前日はアルコールが体内に残る中、12時という遅い時間のスタートであった。また、藤原岳は大変混んでいたので、この日はできる限り早くスタートして賑やかくなる前に下山したいと思った。 近鉄湯の山温泉駅から湯の山温泉までのバスはなんと9時58分が始発であった(2日後の4月1日からはかなりの本数があるのだが・・・)。インターネットで調べてはあったが、4月までは利用者が少ないからであろう。 また駅前は静かでこの時期のこの時間にはタクシーなどの乗り物はいない。 6時20分、曇り空の中を出発した。 車のほとんど通らない県道577号を歩いていく。 歩き始めてすぐに「ヘルシーパル・湯の山」があり、帰りに寄って温泉に入るのもいいなあ、なんて考えたりもした。 ほぼ平坦な車道をどんどん歩き、30分余で湯の山温泉に着いた。 御在所岳に登るコースはいくつかあるが、私の選んだ「中道」コースは左にある「表登山道」と右の「裏登山道」の間にある。 その「中道」コースはまだ車道を歩く。三岳寺、大石公園などの標識を見ながら車道を登っていく。 一ノ谷茶屋跡を過ぎると国道477号にぶつかる。そこに着いたのは7時21分だった。その近くには御在所山の家がある。5分ほど休み、いよいよ山道に入る。 大きな木の看板で「御在所岳 中登山道口」と書いてある。ガイドブックにはここに「鉄バシゴ」と書いてあるが、鉄バシゴを渡ると山の家の方に行ってしまう。きっと間違う人があるからだろう、鉄バシゴに小さな矢印が「中道」と示していた。 最初から結構な山塊の登りで楽しませてくれる。 そして少し歩くとショウジョウバカマの淡い紅紫色の花に出合った。久しぶりにショウジョウバカマに出合えてうれしかった。やがてロープウェイの鉄柱と山頂方向が見えてきた。山はでんと構えそびえている。わずか1200m余とは思えない大きさに見えた。 ウグイスやピーチクピーチクという名も知らない鳥の鳴き声、沢の音、聞こえるのはそれだけだ。 気持ちよく歩く。 8時少し前、「おばれ石」に着いた。 中腹にこんなに花崗岩の大きな石がごろごろしているとはびっくりした。 山岳ムードいっぱいで楽しい。 岩が多いということは木が少ないということである。 山頂が先ほどより少し近づいて見える(写真)。 眼下の展望も開けてくる(写真)。 岩が続く中を少し登ると「地蔵岩」に着いた。 誰かが組んだような不思議な大きな岩が下を見下ろすようにある。 その様子が地蔵に見えたのだろうか・・・。 その上まで登ると山慣れした感じの老夫婦が休んでいた。 近くから車で麓まで来たという2人と話をする。 このコースは健脚向きだという。確かに高さに比べ変化に富んでいて楽しいと感じていたので頷きながら聞いていた。 しばらく行ってはしごを登ると4cmほどの霜柱があった。まだまだ夜は寒いことわかる。 そのうちに窪地に雪が残っているところに出た。 鎖を登り上がっていくと山頂の一部「朝陽台」に着いた。ちょうど9時だった。 ロープウェイが動き出したようで赤いゴンドラが見える。 ここまで御在所山ノ家から1時間半、湯の山温泉から2時間、駅から2時間40分くらいかかったことになる。 気持ちのよい登りであった。 朝陽台には閉まってはいる売店やトイレ・休息場があった。 近くの「山上公園案内図」を見ると1212mのピークはまだ先だ。 地形図を見て道を探したが見つからず近くにいた2人組の登山者に聞いた。 山頂に行くには「雨量レーダー」を巻くアスファルトの道を通っていくとのことだ。 休んだり辺りを散策したりしてから山頂に向かった。 ロープウェイを付け、通年営業をするだけのことはあり展望もよい。 また、山頂はスキー場になっていて、現在、雪はあまり残っていないがレストランはやっているようだ。 その横を通り舗装道を歩いていくと階段があり登って行くと一等三角点に着いた。 第一陣の観光客が三角点で写真を撮っていた。 少し散策してから本当のピークの「夕陽台」に向かった。 まだ、1m以上の雪が残っていて4月1日の山開きに備えて関係者が雪をどかしていた(写真)。 三角点の表示からは大した登りではなく3分ほどで着いた。 朝陽台から三角点までは観光地といった感じであったが、ここ夕陽台はまだまだ山の良さが残っている。 岩の上に立って鈴鹿の山々を眺める。 それほどの高さはないが、幾重にも山々が重なっている。 今回、藤原岳からの縦走も考えたが2日では少し長すぎて無理だった。 いつか機会があれば挑戦してみたい。 20分ほど休み、元来た道を朝陽台まで戻った。 幼稚園くらいの子を連れたグループが歩いていた。小さい子や障害者などでも来ることができるのはロープウェイのある良さだ。 9時55分、国見峠に向かって下山を開始した。 夕陽台からそのまま尾根を国見峠に向かう道を探したが見つからなかったので、雪かきの作業をしている方に聞いたがない、との事であった。それで朝陽台からの下山になった。登ってきた「中道」もそうだが、この下山に利用する「裏道」も標識が出ているのでありがたい。朝陽台が九合目という表示になっている。 下り始めるとまず雪がある。柔らかいが藤原岳のようにどろんこでないだけうれしい。 雪は大したことはないが、やはり北斜面だからだろう。 10分ほど下った国見峠(八合目)にも雪が残っていた。 そこからぐいぐい下っていく。 20分ほど下ると、「藤内壁出合」と書かれた看板のあるところに出た。ロッククライミング用の壁だそうだ。 水場を通り過ぎ、藤内壁出合から15分で「藤内小屋」に着いた。 小屋からの道は急に歩きやすくなった。 浮き石を処理し歩きやすいようにならしてある。 藤内小屋から日向小屋までは15分だった。 日向小屋辺りからは沢沿いの道だ。 小屋を過ぎると山道を補修している小屋の人に会った。 ありがたいことだ。このような人のおかげで私たちは快適に山歩きができる。 真っ赤なヤブツバキの花もまだ咲いていて楽しませてくれる。 やがて国道477号の鉄橋の下をくぐる。 道はロープウェイ乗り場と蒼滝に分かれる。 せっかくなので滝に寄って行く。 滝までは分岐から3分だった。 思っていたより大きくてよい滝だった。 夏なら清涼感いっぱいでもっとすばらしいだろう。 蒼滝から15分で湯の山温泉ロッジだった。 ここも日帰り入浴ができると行きがけに見た看板に書いてあった。 寄って温泉に浸かる。 シーズンオフのお昼時に温泉に入る物好きは私ぐらいか。 貸し切り独占状態の温泉を沢の流れを見ながら入る。 前日の藤原岳とは近くにあり高さも似ているが全く違った印象を受けた。 これが山の楽しみだろう。 駅まではロッジでバスの時刻を見ておき、バスで行った。 小雨が降りだしていたがバス停まで3分という近さだったので傘もいらないくらいだった。 |