2008.07.07 MM第223号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus
       
                         

花沢山 (はなざわやま 449m) 焼津アルプス [静岡県焼津市・静岡市]

    
  この山の私の印象等は・・・                         

「 梅雨の合間にトレーニングで歩いた 花沢山 」

 *下に感想等の文があります。                                         


【歩いた日】     2008年6月28日(土)

【天候】        曇り時々晴れ

【コース及び時間】


花沢の里P9:04発−9:22法華寺−9:30林道9:33−9:51日本坂峠9:56−10:19花沢山〈449m〉10:30−

11:12道了権現11:18−11:35展望所12:02−12:34かんぽ下−13:14花沢の里P


   【 登り(花沢山まで) 1時間7分   下り(かんぽ下経由) 2時間11分   合計 3時間18分 】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。

【温泉】        サンライフ焼津「やいづ黒潮温泉」  500円

  
花沢の里駐車場はもう60%埋まっていた ハイカーに人気のある古道のあった花沢の里
449mの花沢山山頂 尾根道は植林した杉の倒木が多かった
このコース一番の展望所から志太平野を かんぽ下から花沢の里駐車場に戻る道から花沢山を

 【感想 等】

 「富士山へ連れてって!」
私が山歩きをしているということがわかると、よく知り合いから声をかけられる。
これまで富士山に登った半分以上は誰かを連れて登っている。
富士山に近い静岡ならではのことだろう。

 「じゃあ、2回くらいトレーニングをしてからならいいよ」と、今年は連れて行くことにした。
富士山近くに住んでいると一生の間に一度は登りたいと思っている人が多い。
しかも、そう言ったり声をかけてきたりする人のほとんどがあまり山登りをしたことがない人達である。

 これまで富士山初登山の人で途中で登ることが出来なくなった人を何人も見てきた。
私のHPには3回の「富士山頂」登山記録を載せてあるが、その中にも少し書いた。
多くは体力不足であったり、知識不足であったり、体調不良であったりする。

 私の友人でスポーツ万能のK君は、高山病で8合目から進めなくなった。
彼は中学高校で体操部、大学でサッカー部、一緒にバレーボールやバスケットをやったものだ。
私はほとんどのスポーツで彼にかなわなかった。
しかし、その彼が1人高山病になり、青白い顔で動けなくなった。
私はびっくりすると共にどうすることも出来なかった。結局彼を小屋前に残し、3人で登頂し戻ってきた。
合流すると少しは回復していたが、7合目、6合目と下っていくと彼は元気になっていった。
大学4年の夏のナイター登山であった。
この時は、現役で部活をやっていたので特別なトレーニングはなしでの登山であった。

 以前書いたが、私が日本アルプスに登ったり連続登山をしたりする時には、焼津アルプス縦走等でトレーニングをしてから行く。
体を慣らしていった方が楽しい山歩きができるからである。
また、「台湾五岳」に登ったときもみんなで2回のトレーニングを積んでから出かけた。

 そんなこともあり今回も、2回のトレーニングをして行くための具体的計画を知り合いに話した。
そんな計画に3人が「連れてって!」と手を挙げた。
1人はこの日都合が付かず2人を連れての「花沢山」の山歩きだった。
この山は「焼津アルプス縦走」や清掃登山として以前にも紹介した中の1つの山である。

 9時に「花沢の里」駐車場に集合した。
結構広い無料の観光駐車場はすでに半分以上埋まっていた(写真)。
以前紹介したコースのように、焼津アルプスの満観峰や高草山に登るハイカーが次々に出発して行った。
我々も簡単に準備体操をして歩き始めた。

 山の方に少し歩いて川沿いに登っていくと「花沢の里」がある。
そこは「長屋門造り」の家々が残り四季折々の花が咲くので焼津市内で一番情緒がある場所である。
ちょうど、アジサイの花がきれいだった(写真)。

 駐車場から20分ほどゆるやかな舗装道路を登ると一番奥にある法華寺に着く。
そこには「→日本坂峠」の標識もある。ここからが山道である。
法華寺を見下ろしながら10分ほど登ると一度、林道に出る。
まわりはみかん畑で、高草山も見える。

 一緒に登るのが初心者であるので休憩をし、水分補給をした。
梅雨時の晴れ間でかなり蒸している。

 ここからは少し急な坂になり、樹林の中に入って行く。
と言っても、万葉の昔、焼津から静岡に越えた「やきつべの小径」の一部なので大したことはない。
少しガレた所もあるが20分弱で日本坂峠だ。

 日本坂峠は山道が十字に交差している。
まっすぐ行けば静岡市用宗(小坂)だ。
左に登って行けば満観峰に通じる。
私たちは右の尾根を登り花沢山に向かう。

 「日本坂トンネル」を聞いたことがある人も多いだろう。
東名高速道路でよく事故が起きるところである。
以前に大事故が起き、3車線化したので、地形図を見るとトンネルだらけである。
(トンネルは実際には花沢山付近を道路・JR合わせて7本が通っている。また今回の山道は地形図には書かれていない。)

 日本坂峠から少し登ったところに焼津アルプスでシャガが一番群生している所がある。
4月には優美な白い花(アヤメ科でアイリスの仲間)を咲かせるポイントを通過し、登っていく。
時々静岡市が左に、焼津市が右手に樹林の間から見える。
初心者にとっては急な登りである。
ペースを落とし一歩一歩登っていく。

 やがて鉄骨の枠に付けられた白い反射板が見えて、少し行けば標高449mの花沢山山頂だ。
山頂ではベンチがありすでに休憩している人達もいた。
前には焼津側の木が切られていて景色が見えたが、かなり木が伸び木立に囲まれた山頂になってしまった(写真)。
花沢の里駐車場からここまでの実質的歩行時間は1時間余だ。

 10分ほど休憩し、大崩海岸上の尾根に向かった。
梅雨の合間の晴れで、蚊が多い。私も刺されたので先を急いだ。
焼津市観光協会が作成したパンフレットでは花沢山山頂からかんぽ下までを「大崩ハイキングコース」と表示されている。

 少し歩くと、杉の木がたくさん倒れていた(写真)。それは数カ所見つかった。
かつて2004年12月の倒木について書いたが、これは全く別な場所である。
北東からの突風が吹いたのだろう。

 今、地球温暖化をくい止めるため、二酸化炭素の抑制が叫ばれている。
日本では森林の手入れをし森林で3.8%の二酸化炭素を吸収させる計画だと「報道ステーション」でやっていた。
人間の手で植林されたこれらの針葉樹の木々は根も浅く倒れやすい。
そして、安い輸入材が大量に出回ることにより木々の価格が低下し、放置されている森林が多い。
それが、木々を弱く、倒れやすくしている。
突風が強くなったのかそれとも木々が弱くなったのか、以前より大量の倒木群を見ることが増えた。

 海岸沿いの尾根にでると急な下りだ。
こげ茶色の杭を使い階段状にしてくれてある。そこをかなりの長さ下る。
かんぽの方向から1人登ってくる人がいた。

 私には焼津アルプスに行った帰りに使うおまけのようなコースであった。
しかし、こちらから登ってくるのもトレーニングとしては面白いな、と思った。

 11時過ぎ、道了権現に着いた。小さな社があるだけの所である。
樹木に囲まれた日陰なのでここも蚊がいる。
これまで6月の時期にこのコースを歩いたことはなかったが、平地でも蚊がいるので無理はない。
数分で切り上げ、昼食予定場所に急いだ。

 ここからはそれほど急な上り下りはない。
安心して歩くことができる。

 20分弱行ったところに、このコースで1カ所だけ茶畑と草地で開けたところがある。
写真のように、西側には志太平野と東名高速道路、新幹線、在来線などが見える(写真)。
もちろん、焼津市の主峰高草山もはっきり見える。
東側には駿河湾が見える。空気が澄んでいれば伊豆半島が見え石廊崎や天城山が確認できる。
梅雨時の晴れ間ではそれは無理だったが・・・。

 西側を向いて昼食にした。
山歩きの基本的な話やここから見える風景について話しながら食べた。
今回歩いた2人は、2人共水分は500mlだった(私は1.5L持参)。

 今回は短い距離なので500mlでも何とか大丈夫だが、
距離が長くなったり、富士山のような木のない炎天下を歩く時にはもっと必要なことを話した。

 この展望所から30分で「かんぽ下」に下れる。
標高200m以下のなだらかにアップダウンをしながら木々の中を少しずつ下っていく。

 「かんぽ下」に下れば、桜並木の中の舗装道路だ。
坂を上がって行けば、「かんぽの宿焼津」がある。以前、ここの日帰り入浴も紹介したことがある。

 坂を下まで下り、JR東海道本線沿いに花沢の里駐車場に戻る。
JR東海道本線の左側の道路は交通量が多いので右の道を通る。
鉄やプラスチックのリサイクル工場が目を引く。
今回登った花沢山が進行方向にでんと見える(写真)。

 東益津排水隧道を越え、線路下の歩道を通ってJR東海道本線、そして新幹線をくぐり駐車場に戻った。
実質3時間余の山歩き。
2人は週明けも足が痛がっていた。

 私は、リニューアルオープンしたサンライフ焼津「やいづ黒潮温泉」に浸かり汗を流してから帰宅した。
そのせいか、月に一回歩いているせいか、全く疲れは残らなかった。

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