2008.09.28 MM第232号
*下に感想等の文があります。
【歩いた日】 2008年7月21日(月) 【天候】 快晴 【コース及び時間】 中房温泉有明荘5:02発−5:53急登終わり−7:20八合目−7:47有明山(北岳)〈2268m〉・中岳・南岳〈2248m〉8:25 −10:05三段ノ滝分岐−10:10三段ノ滝−10:18樽沢ノ滝−10:26有明荘P 【 登り 2時間45分 下り 2時間01分 合計 4時間46分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 【温泉】 中房温泉 「国民宿舎 有明荘」 (600円) 安曇野市 |
松林の中の急登には梯子もかけられていた(縦写真) 快晴の中、眼下に雲海も見えてくる シャクナゲの木が多く、花も咲いていた 燕岳の山々もよく見える(山頂付近の稜線から) 有明山の山頂(北岳) 帰りは少し遠回りをして2つの滝に寄る(写真は樽沢ノ滝)
【感想 等】 中ノ湯〜焼岳〜割谷山、西穂高岳、ジャンダルム、奥穂高岳、涸沢・徳本峠、霞沢岳と3泊4日で縦走した。梅雨時ではあったが、天候に恵まれ2日の予備日は使わなかった。しかも、第4日目に梅雨はあけた。せっかく来たのだからもっと楽しまなくっちゃ!というわけで、予備日初日は「餓鬼岳」に登った。そして残りの一日は信濃富士とも言われている「有明山」にした。 有明山は信濃富士と言われているくらいの山である。登山ルートはいくつかある。 前日登った餓鬼岳の南10kmほどの所にあるので続けて登れないかといろいろ考えたが、うまくいかなかった。 主な登山口は前日入った温泉の近く「馬羅尾沢登山口」、中房温泉入口近くの「黒川沢登山口」、そして今回選んだ「中房温泉登山口」だ。選んだ理由は最短距離であること、登山口に温泉があることであった。 国道147号線から冬期のゲートのある場所を越え、県道327号に入る。ここから中房温泉までの13kmは冬場は歩かなくてはならない。NO.101の燕岳で紹介したが、この13kmは遠い。久しぶりに車で走ったが、車でも遠く感じた。 3連休の最終日であったが、たくさんの車が止まっていた。駐車場の入口の脇にも止まっていたので満車で入り切れずそこまでも止めたということがわかる。燕岳はさすがに人気の山である(宿の人から、本日400人下山するという話も聞いた)。 前日は有明山でお祭りがあり地元の信者がたくさん登ったという話も聞いた。しかしここに来る一般の登山者の90%以上が有明山ではなく燕岳に向かうようである。 朝5時、国民宿舎「有明荘」の裏にある登山口から登り始めた。登山ポストがあったので登山届けを投函した。 前回書いたように下山したか否かをはっきりさせる方がよいというのが持論である。 そのためポストに鍵がかかっていなければ最近は自分の登山届けを持って帰るようにしている。 前日の餓鬼岳は2〜30枚くらい入っていた。私の物は一番上であった。私が登り始めた朝5時半以降入れた人がないのだろう。また、登山届けを誰が回収するのかはわからないが何日も回収していないのだろう(普通は警察に届け出るのだから地元警察が回収するのかな?)。 今回の有明山は下山口が違ったので回収はしなかった(上のコースの所にも書いたが三段ノ滝、樽沢ノ滝に下山。)。 背の高いクマササの中を登っていく。巾2mほどよく刈り込まれている。 15分歩くと「三段ノ滝」分岐に出た。有明荘で付けたのか立派な標識だ。標識から自分の歩いているこのコースが「有明山表参道」であることがわかった。 地形図である程度覚悟はしていたが、カラマツの樹林の中のびっくりするくらい急な登りだった。 写真のようにあまりにも急で梯子が付いているところもある。 いくら疲れていなくてもこんな急登では休まないと登れない。 30分近く登ると木々の隙間から燕岳の山並みが見えてきた。快晴の中にくっきり見える。昨日見えなかった分、余計にうれしい。 その後もトラロープの張った急登を進んでいく。湿った樹林の中にギンリョウソウが咲いていた。 6時少し前、急登は終わった。約1時間登ってきた。朝の暗い樹林の中であるが汗が噴き出していた。 中年の男性がほとんど空身で1人降りてきた。 こんな早く登頂してからの下山は考えられないなと思っていると、次回登山のために途中の岩まで行って降りてきたという。仲間と燕岳に登り下山後有明荘に宿泊したのだ。帰りのバス待ちの間に少し登って来るというのはなかなか出来ないことだ。 木々の中ではあるが少し明るくなり大きな木々の下にはシャクナゲがいっぱい茂っている。 しばらく行くとシャクナゲがクマササに替わった。中腹を右に回り込んでいく。 時々のぞく快晴の中の燕岳の山々が気分をよくしてくれる。 やがてもっとシャクナゲいっぱいになった。枝の先には白っぽい花も付けてものもある(写真)。 単独で登っていた高齢の女性に追いついた。彼女は4時20分に登り始めたという。朝早くから1人で登っている彼女は元気と勇気がある人だと思った。 稜線に近く尾根道のような感じである。右側が切れていて鎖が付いている。 しばらく行くと大きな岩があった。先ほど会った男性はここまで登ったのだろう。もう山頂はそれほど遠くない。 7時20分、八合目に着いた。 八合目と書かれた四角い石の標識に赤いビニルテープが付いている。 ここからは稜線だ。標高2200mくらいまで登ってきた。 北側の風景がひらけてきた。雲海が一面広がっている(写真)。 所々に花が咲くシャクナゲの中の稜線をゆるやかに登っていく。 展望も開け、燕の連山が快晴の中にはっきり見えてくる(写真)。 よく見ると燕山荘もはっきり見える。天気もよく、気持ちがいい。 八合目から約30分、真新しいステンレスでできた鳥居とトタンが錆びた祠がある有明山(2268m)の山頂に着いた(写真)。 祠の写真からもわかるように山頂では灌木が茂り燕側(西側)の展望は樹木の上だけだ。 東側は樹木がないので見晴らしがよく、一面雲海が広がっていた。 この有明山は南北に長く3つのピークがある。 今到着した最高峰の北岳、中岳、そして南岳(2248m)だ。 数分休んだ後、中岳方向に行った。 少し行くと上部10cmほどを赤く塗った三角点があった。 そしてもっと南に進むと2つの祠があった。 こちらの1つの方が立派で、また石をきれいに積み整地されたところもあったのでかつては大きな神社があったのかもしれない。 登る前、前日信者達が登ったと言うことを聞いていたが、祠には新しい注連縄が付けられていた。 全く雲のなかった燕の山々にも少し雲が出てきた。 展望を楽しんだり祠を見たりして山頂で40分ほど過ごし下山を開始した。 稜線をしばらく下っていると朝会った高齢の女性が登ってきた。 笑顔で自分のペースを崩さず登ってくるところに彼女の山歩き経験の多さを感じた。 八合目を過ぎ、どんどん下っていると中高年の男性が1人上がってきた。 2こと3こと話し、降りていく。 この日は、祝日にも関わらず3人と出会っただけであった。 10時過ぎ、三段ノ滝への分岐に着いた。せっかくなのでそちらに回ってみることにした。 標識に沿って少し上がったところに滝はあった。 木の葉が生い茂り十分に見えないのが残念であった。 元の道に戻り下っていくと道沿いに樽沢ノ滝があった(写真)。 滝は好きであるが、夏に見る滝は清涼感があってより好きである。 そのまま下ったらすぐに中房温泉郷駐車場に出た。 駐車場からこんなに近かったのかとびっくりした。 そこから有明荘までは数分であった。 5時間弱の燕の山々を展望する山歩き、しかも下山時刻はちょうど有明荘の温泉がオープンする10時半。 のんびり露天風呂に浸かりながら有明山だけでなく、充実した6日間の山歩きを振り返った。 昼過ぎ帰路についたが、明るい内に静岡の我が家に着くことができ翌日の仕事への影響もなくて良かった。 |