2008.10.05 MM第233号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus
       
                         

浜石岳(はまいしだけ 707m)[静岡百山]・

         さった峠(さったとうげ 90m) 静岡県
 

    
  この山の私の印象等は・・・                         

「 サウナ風呂状態の蒸し暑い中の浜石岳、最後に道を間違えたさった峠 」

 *下に感想等の文があります。                                         


【歩いた日】     2008年8月3日(日)


【天候】        曇り


【コース及び時間】

JR由比駅9:00発−9:55阿僧への分岐10:05−10:30三本松分岐10:35−11:01青少年野外活動センター11:14

−11:30さった峠分岐11:38−11:49浜石岳〈707m〉12:25−12:35さった峠分岐−12:56但沼分岐−13:21

西山寺分岐13:26−13:30立花分岐−14:05承天寺分岐−14:22興津分岐−(直進:山越え)−15:02農道15:15

−15:32さった峠15:39−16:21JR由比駅


       【 歩き1(JR由比〜浜石岳) 2時間13分 、 歩き2(浜石岳〜さった峠) 2時間56分

             歩き3(さった峠〜JR由比) 42分     合計 5時間51分 】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。

  
昔ながらの家の横を通り登っていく。 三本松分岐からは杉林の中の山道だ
青少年野外センターのアスレチック 浜石岳山頂はやはりガスの中であった
山が崩れていたがロープがあり初心者でも下ることができた さった峠からの日本の大動脈・東名高速、国1、JR東海道本線
浜石岳からの富士山(2001.12.02) さった峠からの富士山(2001.12.02)

 【感想 等】

 「富士山に連れてって!」という職場の人達の要望に応えるトレーニングの第2弾である。

 第1弾は6月28日、梅雨の合間に出かけた焼津アルプス「花沢山」である。
第1弾では「山に慣れる」ということで、なるべく近くの3時間くらいの山ということで花沢山を選んだ。

 第2弾は「連続して歩いて、少し体力を付ける」ということで、晴れていれば富士山が見える「浜石岳・さった峠」を選んだ。
前にも書いたが、初心者を連れて富士山に楽しく登るには最低2回はトレーニングが必要だと考えている。今まで八合目、九合目で多くのリタイヤの人達を見てきたからである。

 このコースは約6時間。海岸近くにあるJR由比駅から標高707m浜石岳への標高差約700mを登り、アップダウンのある尾根歩きしさった峠に寄り、またJR由比駅に戻るというコースである。

 第1弾は6月22日に予定し、雨が降り合羽がないというので延期し、2回目で実施した。
今回も7月6日に予定していたが、都合が悪くなったというメールが入り、またまた延期。

 自分だけなら天候等を見てさっと、出発するのだが、人と行く場合はなかなか難しい。
初心者で「行きたい!!」という気持ちが私ほど強くないのかもしれないが・・・。

 仕方がないので、私の都合がよい日を5日ほど上げ、「トレーニング1日」と「富士山登山日」を行きたい3人で相談してもらった。
そうしたらこの8月3日がトレーニング、8月30日が富士山という結果になった。私としては天候の安定した8月3日に富士山に連れて行ってあげたいと考えていたが、3人の日程を合わせるのは楽ではなかった。

 
 と言うわけで、私たち4人は8月3日JR東海道線で由比駅に向かった。
由比駅までの車内では富士山の資料8ページ分、浜石岳・さった峠2ページ分を配って簡単に説明した。
かつてNO213の、山歩きのレベルで書いたように一緒に行く場合も受け身の山歩きでなく歩いているコースや位置などを考えながら歩いてほしいと思うからである。

 JR由比駅に降り立ち、駅前広場にある観光案内地図を見る。
浜石岳の位置関係やこれから歩く大ざっぱなコースを確かめ、9時ちょうどに出発した。

 私にとって浜石岳は3回目である。20代の時、この由比駅から歩いたこともあるが、車道歩きが長いし家から車で来てもすぐ近くなので2回目は山頂近くまで車で行き展望を楽しんだ。
 山頂近くに「青少年野外センター」があり、そこまで車で入ることもできる(その上までも車で行けてしまうが・・・)。また、富士山のビューポイントとしても人気がありアマチュアカメラマンが集まる山でもある。
 そして、そこから富士山ビューポイントとしてはもっと有名な『さった(漢字で「さった」は薩に土へんに垂であるが漢字コードにない)峠』へと歩く。

 まず、JR沿い、海岸沿い東に旧東海道(県道396号線)を歩く。「浜石岳」の標識もあるのでありがたい。
10分ほど歩くと左に曲がる標識が出てくる。車道を少し登っていくと東海道新幹線のガードを出たところに「浜石岳ハイキングコース案内板」がある。

 薄曇りで、かんかん照りではないが湿度が高い。
昔ながらの民家の横のアスファルトの道を登っていく。
正面に浜石岳の山塊が見えてきたが、山頂付近はどんよりしていてガスがかかっている(写真)。
駅から30分ほど歩き、来た方向を振り返ると、駿河湾が見えてくる。
連れてきた3人の内2人が遅れ始める。
私は「自分の速さで歩いて。離れたら途中で待っているから。」と言ってある。無理をするとあとでばてる。

 沿道には5cmほどにふくらんだ実を付けたみかんの畑が続いている。今頃(10月)には黄色く色づき始めているだろう。

 歩き始めてから1時間、「阿僧」への分岐(標識あり)に着いた。
途中でもちょくちょく休んだが、少し長めの10分の休憩を取った。

 車道歩きは疲れる。
それに、湿度の多い登りで汗が噴き出してきて、半袖シャツがびしょ濡れである。服を絞ればぽたぽた水が垂れるであろう。
子供会らしい団体が多くの子どもと世話人で下ってきた。青少年野外センターに泊まり宿泊訓練をしたのだろう。

 10時半、三本松分岐に着いた。そこから山道に入った(車道を通ることもできる)。
少し急でも、やはり山道がいい。凹凸があり変化がある。
ガスがかかった杉林の中を登っていく。初心者にとってはあまり経験したことのない風景だろう(写真)。
杉林の中に入って少しは気温が下がったが湿度は変わらない。いやガスがあるので今まで以上の湿気だろう。
汗で綿の服が体にくっついて気持ち悪い。今流行りのスポーツシャツならそんなことはないだろうが・・・。

 11時、三本松から30分で青少年野外センターに着いた。アスレチックの近くにはギボウシやヤマユリが咲いていた。
アスレチックではボーイスカウトのバンダナを首に巻いた子ども達が遊んでいた。

 ここからはさった峠へ向かう山道の方を回り込んで山頂に向かう。
標識に沿って南西方向に巻き、15分ほどでさった峠分岐に出た。
そこでは見たくないものを見てしまった。それは、「この先崩落のためさった峠方面通行止!」という看板である。

 山頂へ向かいながら、どうしようか考えた。「元来た道を下りようか、行くだけ行ってだめならエスケープルートを使おうか・・・」
12時少し前「浜石岳」に着いた。視界は50mほどだ。富士山どころか、近くの物以外全く見えない(写真)。
(みなさんには以前写した写真をお見せする。HPの下の方にさった峠と共にある)
ちょうど昼時、ベンチに座り昼食にした。30分余しゃべりながら食べた。
これからのことについても話した。

 私たちはさった峠に向かってみることにした。里山であるのでエスケープルートはたくさんある。下山したところから、バスやタクシーを拾うことができるからである。

 10分ほど戻ったところにある分岐からさった峠への道を進む。
「通行止」の看板があるので当然通る人は少ない。
山道には蜘蛛の巣がいっぱいかかっていて木の棒で払っても蜘蛛の巣が頭や顔に付いてくる。
東海自然歩道のバイパスになっているので標識は立派な物が整備されている。

 13時少し前、但沼への分岐に着いた。
山道は比較的歩きやすい。
多くはガスのかかる杉林の中の道である。
その後も「西山寺分岐」「立花分岐」「承天寺分岐」と順調に歩いた。

 崩落箇所はどこだろうか、もうそろそろあってもいいのに・・・と思っていると「興津分岐」を過ぎたところにあった。
急斜面に生えている杉の木ごと土砂が流されている。
初心者が下るには大変かな、と思っていると崩れ落ちていない左斜面にトラロープが付けられ降りることが出来るようになっていた。
それほど苦労なく全員が下れた。

 それからしばらく行ったところで道は2つに分かれていた。標識はどちらを指すのか曖昧だった。
いつもならもっと慎重なのだが、地図も見ずに足跡が少ないまっすぐ山に登っていくコースを取った。
矢印がそのように見えたことと、これがさった山244mか、などと思いながら・・。

 しかしそれが間違いだった。
5分も歩くと違っているのはわかった。
「まあ、歩いた跡はあるし、みかん畑の跡もある。越えればさった峠だ、もし違っても山の反対側には農道が通っている」
強行してみた。

 放置されたみかん畑は草が生い茂り、後続を待っていると消毒用にある貯水タンクに蚊が湧くのか蚊の大群が襲ってくる。
何カ所か蚊に刺され、右手首上をススキで切った。急な下りで湿った木に抱きついたので水色の汗で濡れた半袖シャツは真っ黒だった。

 時間にすればわずか20分だが、悪戦苦闘だった。初心者を変な場所に連れて行ってしまい後悔した。
無事農道に出ることができた。
「ここはどこかなぁ、由比パーキングエリアが見えるからさった峠はもっと南か」と言っていると、
参加者の1人が携帯を出してGPSで調べだした。
それは大ざっぱではあったが、位置が確認できた。
便利な世の中になったものだ。

 25000分の1の地図で見ると、私たちは崩落箇所過ぎから右に曲がるのを直進し尾根を越えてしまった。
本来なら右に曲がり尾根の谷間を南南西に進みさった山の山腹左を通りさった峠に出る・・・。

 しばらく休んでからさった峠に向かった。
少し歩くと浜石岳へのコースと合流した。道は思ったよりわずかな違いであった。
そこにはやはり、「この先崩落のため通行止!」とあった。

 すぐに見慣れた「さった峠駐車場」が海を背景に見えてきた。
車が1台止まっている。
15時半過ぎ、さった峠に着いた(写真)。
「富士の眺めは東海道一の名勝」ということでカメラマンがよく訪れる富士山ビューポイント、
少しは明るくなってきたが、この日はやはり富士山は見えなかった。

 ここからの眺めは、日本の文明社会を代表する風景の1つである。
また、安藤広重の「由比 さつた嶺」でも有名な風景であり、江戸時代から歴史を感じるところでもある。
台風が来るとこの海岸線の東名高速道路は波しぶきがかかり強風が吹くので通行止めになることもある。

 ここからの眺めは、私の好きな風景の1つだ。

 参加者の3人は久しぶりの山歩きでかなり疲れが出てきたようだ。
下りが多いがあとJR由比駅まで3.5km歩かなくてはならない。

 夏みかんがまだ実っていたりハマユウの花が咲いているのを見ながらのんびり下った。
そして、坂を下りてからは昔の宿場町の家並みや一里塚を見ながら駅へと向かった。
16時半近くJR由比に着いた。


 この日は、15時から近所の実年会のバーベQであった。
汗と木に抱きついて汚れた半袖を着替え直接バーベQの会場に向かった。
17時半、そのバーベQに合流することができた。生ビールはなくなり、みんなはすっかりできあがっていたが残り物はたくさんあった。
大量の汗をかいた後のビールはおいしい。
山の計画が先にあったので、間に合えば参加しようと思っていたが参加でき充実した1日だった。  

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