2009.01.03 MM第244号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus

       
                         

三尾 [神護寺 他] (さんび [しんごじ ほか] 200m)〜清滝

京都市高雄町 [東海自然歩道]

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この山の私の印象等は・・・                              

「 紅葉終盤の高雄を楽しく歩けた 三尾[神護寺 他]から清滝 」

 *下に感想等の文があります。                                                


【歩いた日】     2008年11月29日(土)


【天候】        晴れ


【コース及び時間】

高雄町栂尾バス停8:32発−8:35高山寺(石水院)9:05−9:13西明寺9:28−9:43神護寺

10:20−(東海自然歩道)−11:18清滝バス停



       【 歩行時間合計(参拝&休憩を含む) 2時間46分  】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。


  
高山寺「石水院」は真っ赤なカエデが彩りを添えていて美しい(写真1) 西明寺はこぢんまりとした寺である(写真2)
神護寺参道の両側には子供が描いた灯籠が置かれている(写真3) 神護寺も紅葉が真っ盛りであった(写真4)
よく手入れされた杉林の中の道もあった(写真5) 渓流沿い歩きは気持ちがいい(写真6)

 【感想 等】

 11月末に京都に行く機会があった。
それならちょうど紅葉していてまだ歩いてないところを歩きたいと京都のガイドブックなどを少し調べた。
それで見つかったのが「三尾」。

 「三尾」ってどこ?
私も初め知らなかった。
三尾とは京都から丹波に抜ける周山街道沿いにある高雄、槙尾、栂尾地域のことである。
紅葉の名所としていろいろな本に出ていた。
しかし紅葉のお寺回りだけではつまらない。歩かないと。近くでよいコースはないか・・・。

 元々、人間が造った人工的な自然より、大自然が好きな私である。
だから、誘われては行くが自分からはフラワーパークや○○庭園等には行かない。
写真展でも人工的に造った美しい花もよく見かけるが私の趣味ではない。

 しかし、京都の庭園には一目置いている。
1000年以上の歴史があったり自然を上手に取り入れた借景があるからだ。

 三尾からは、かつて登った「愛宕山(日本二百名山)」の登山口の清滝まで歩くか、東側の竜安寺・金閣寺方面に下りようか、などと考えた。
結局、東海自然歩道になっている清滝川沿いに歩いて清滝に行くことにした。


 前夜、清水寺のライトアップを見に行った。
ちょうど、紅葉のピークでライトに照らされたすばらしい紅葉を見ることができた。
一条のレーザービームも花を添えていた。

 最初に行く、世界遺産に登録されている高山寺のオープン時刻は8時半。紅葉をじっくり楽しむには開門時刻など人が少ない時間がいい。
開門と同時に入るには京都駅発7時40分のバスに乗ればいいことを調べてあった。
そのバスに乗り8時32分に栂尾バス停に着いた。

 バス停近くにある裏参道を登って行くと、もう出てくる人もいる。
聞くと、紅葉シーズンは団体客も多く早めに開門するとの事であった。
もう1本早く来れば良かったかな、と少し後悔する。

 山は少しガスがかかっていたが、紅葉ピークを少し過ぎたばかりの感じだ。
昨夜の清水寺がピークだったので、標高の高いここ三尾はもう紅葉が終わってしまっているかと心配だった。

 バス停から3分ほどで高山寺の入口に着いた。
この高山寺はなんと奈良時代に建てられたという。
774年、光仁天皇の勅願で創建されたというからすごい。

 入ってすぐの所にある国宝「石水院」に寄る。
庭園を座って眺める。
真っ赤なカエデが彩りを添えていて美しい(写真1)。ポスターなどで見かける風景が目の前に広がっている。
静かな部屋に座って、このような紅葉を見ることができるのは大変すばらしい。
いつまでもここにいたいという思いであるが、まだ今日は始まったばかりである。
この美しさを心と写真に焼き付け庭園をあとにし、寺の境内に出た。
(国宝の「鳥獣戯画」の絵はレプリカがガラスケースに入れられてあった。ここで本物を見たいところだ。)

 出てすぐの所に「日本最古の茶園」という石碑があった。
お茶の歴史はあまり知らないが、静岡は全国一のお茶所。僧栄西がお茶を全国に広めたと聞いたことがある。「最古」というのは現存する最古の茶園なのだろう。ここから宇治茶が広まっていったのだろうか。
 お茶畑の周りはもみじの紅葉が盛りで、この石碑の前で写真を撮っている年輩の女性も多かった。

 苔の上に落ちている黄色や赤のもみじが大変きれいで、その写真を撮っているアマチュアカメラマンも数名いた。
開山堂、金堂と歩き、石段を下って高山寺をあとにした。


 高山寺表参道から白雲橋を渡り清滝川沿いに紅葉を見ながら数分歩くと、西明寺だった。
途中、「高雄名物 もみじの天ぷら」の看板や山芋、銀杏、柚を売っている農家の方もいて、今が行楽シーズンであることを実感する。人出はこれからである。

 西明寺はこぢんまりとした寺である(写真2)。
正面のやや満開を過ぎたもみじを見て横の門へ行ったらそこはもう神護寺へ通じる出口であった。
引き返してお寺の中に上がらせていただく。

 苔の生えた庭園を眺めたり、間近に重要文化財の千手観音立像等を見ることができるのがありがたい。
隣の建物で接待があり、お茶を飲みながら休憩も考えたが、またの機会にした。


 神護寺までは結構遠い。
山歩きになれている私が言うのはおかしいかもしれないが、甘く考えるとへとへとになる。
西明寺裏参道から清滝沿いに下ってくると神護寺への石段がある。
それを登って行くのだ。標高差100mくらいだろうか。

 紅葉を見ながら急な石段を登って行く。
参道の両側には子供が描いた灯籠が置かれている。
石段がきれてなだらかになるとほっとする。
この灯籠は、夜間には幻想的な景色を演出しているのだろう(写真3)。

 西明寺から15分、ようやく神護寺へ着く。
さすがに紅葉の名所である。紅葉もすばらしいが人が多い。
紅葉をねらうカメラマンも多い。
人が入らないように紅葉の写真を撮るのが大変なくらいである(写真4)。

 石段の上の仁王門も迫力があった。金堂横のもみじは陽に照らされて一番赤かった。
愛宕山(日本二百名山)大山(日本二百名山)と同様に「かわらけ投げ」がある。
昔から信仰の対象だった山には残っているのだろうか。
多くの観光客が厄除けや願いを込めて、紅葉した谷に向かって素焼きのお皿を投げていた。

 この神護寺の上には、高雄の地名になっている「高雄山(標高342m)」があるが、すぐ上にはもっと高い山がたくさんあるので登るのを辞めた。

 3つの寺によって拝観料は計1900円。
それを高いと見るか否かはその人に依って意見が分かれるであろう。
お寺を維持するには大変な費用がかかりそれを参拝者で負担するのは当然である。
また、参拝しそれだけの価値があった、とも言える。
私としてはやや高いかな、といった感じである。

 元来た道を戻り、清滝川に出た。
ここを川に沿って下っていけば愛宕山への登山口である清滝である。
時刻は午前10時20分。コースタイムは約1時間である。

 川沿いより高いところにあるお寺の木々が紅葉終盤であったが、川沿いは落葉している木々がほとんどであった。
しかも、たいしたアップダウンもないからスムースに歩ける。

 東海自然歩道の一部であるので、標識もしっかりしていて歩きやすい。
木には「メイテツ ハイキング」の三角形のビニールも付いていた。
きっと、本日、バスハイキングがあるんだろう。

 よく手入れされた杉林の中の道もあった(写真5)。
前を年輩の夫婦が歩いていた。
ここも北山杉に入るのかは私には分からない。
思ったより人に会わない自然歩道歩きであった。

 夏ならもっと気持ちよく歩けるだろうが、渓流沿い歩きは楽しい(写真6)。
川沿いに下っていくので余計に歩みが速くなってしまう。
途中、休憩も入れて約1時間で清滝バス停に着いた。
3つの寺がよかったためか、淡々と歩いて終わってしまった。

 時間もあるので愛宕山にまた登ることも考えたがやめた。

 愛宕山登山道の看板近くの石段では団体が弁当を食べていた。
運良くバスは出発するところであった。
バスは紅葉ピークの嵐山の渡月橋近くを通る。ハイシーズンであるので一方通行等の対策はとっているのだが、やはり渋滞で歩くより遅い速さの場所もあった。

 人間が手を加えたが長い年月をかけ自然と調和したすばらしい紅葉を楽しんだ京都の半日だった。

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