2009.02.08 MM第249号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus

       
                         

三瓶山 (さんべさん 1126m) 島根県大田市

[ 日本二百名山 ]

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この山の私の印象等は・・・                              

「 静かな中にすばらしいご来光に出合った 三瓶山 」

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【歩いた日】     2008年8月21日(木)〜22(金)


【天候】        晴れ


【コース及び時間】

  8月21日(木)

大田市定めノ松バス停17:00発−17:13赤雁山分岐−18:23室ノ内分岐−18:27男三瓶山〈1126m〉18:31−18:33

山頂避難小屋[泊]


  8月22日(金)

6:25小屋発−6:46兜山−6:57女三瓶山〈953m〉7:02−7:16太平山−7:40孫三瓶山〈900m〉7:47−8:12

子三瓶山〈961m〉8:17−8:30峠の分岐8:35−8:58休息小屋−9:08定めノ松バス停


       【 登り(定めノ松から) 1時間27分  下り(外輪山縦走を含む)  2時間23分   合計 3時間50分  】



*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。


  
三瓶山は静かにたたずんでいた[定めノ松から](写真1) 草原を歩いていくと気持ちの良い樹林帯に入る(写真2)
1時間ほど登ると眼下に池が見えてきた(写真3) ガスった草原が西日を浴び、金色に輝いて見える(写真4)
男三瓶山からの日の出(写真5) 小屋から少し歩くと宮ノ内池と孫三瓶山が見えてきた(写真6)

 【感想 等】

 昨夏、四国・中国地方の二百名山を歩いた。
四国の三嶺(NO.235)東赤石山(NO.236)笹ヶ峰(NO.237)はすでに紹介した。
その続きの中国地方を紹介する。

 中国地方には3つの二百名山がある。
どれからどのように回ろうか、かなり考えた。
特に四国の高松に近い、蒜山からにしようか、迷った。
高松からのマリンライナーの着く岡山から、蒜山に直通バスがあるからである。
しかし、蒜山から日帰りで帰ってくるバスがない。

 それは諦めて、一番遠くの島根県にある「三瓶山」から登ることにした。
島根県は、四国の高松からはかなり遠い。

大田市に着いたら駅前に泊まるか、三瓶山高原に泊まるかなどと考えながら登山地図を見ると、山頂に避難小屋があった。
今回はシュラフなど装備を持ってきているので、久しぶりに山頂に泊まることにした。

 島根県大田の駅前で食料を買い込み、三瓶山行きのバスに乗る。
乗客は高原に住むらしいおばさんと2人のみ。

 この三瓶山は、箱根や阿蘇山をぎゅっと縮めた感じで、カルデラの地形になっており、四方から登山路がある。
どこから登ってもいいが、バスは西ノ原の「定めノ松」を通り、三瓶温泉行きである。
時間も遅いので、バス路線から山頂への最短ルートである、「定めノ松」から登ることにした。

 定めノ松バス停には17時に着いた。
左手の草原の向こうに、三瓶山の山がでんと構えている(写真1)。
周辺には建物はほとんどない。あまり開発されていない自然いっぱいの高原という感じだ。
少し離れたところにある建物も今は利用されていない感じである。

 刈りそろえられた草原を利用して小学生が長距離走のトレーニングをしていた。
夏休みを利用しての合宿だろうか、近くの小学校の部活だろうか・・・。
私はその練習場を横切るように山をめざして、歩き出した。

 バス停から山に向かって歩いていくと、「熊に注意!」という立て札が立っていた。
熊のことまでは考えていなかった、と少し後悔したが今更どうしようもない。
よく熊除けの鈴を鳴らしながら歩いている人がいるが私は静寂の中を歩くのが好きだ。
だから、ラジオをかけながら歩くのもあまり好きではない。
一応、両方持ってはいるが今回は置いてきてしまった。

 数分歩くと、草が背丈ほどになり、ヤマユリも咲いていた。
15分で森林の中に入った。そこには案内図があった。
山を車道が囲み、四方から登山道が延びているのがわかる。

 また、そこは赤雁山に向かう分岐でもある。
小さな休憩小屋もある。
写真のような気持ちの良い自然林の中を進んでいく(写真2)。

 ピンク色のフウロウや薄い朱赤色のフシグロセンノウなどが咲いていた。
定めノ松から1時間ほど登ると眼下に池が見えてきた(写真3)。
位置からして浮布池だろう。
太陽が西に傾いてくる夕方登るのもなかなかいい。
森林限界を越え、草原に出た。
マツムシソウなどの花も咲いている。

 三瓶山の山々が見えてきた。
西日を浴びて静かに輪になっている感じである。
私はまっすぐ最高峰の男三瓶山をめざして歩いていく。
ここまで登れば、ほぼ平だ。

 やがてガスが出てきた。
18時23分、室ノ内分岐に着いた。
視界は100mほどはある。
標識には「男三瓶山5分」と書かれている。
視界もまああるし、あと少しである。

 灰色の火山灰の積もったものが固まった砂地を進んでいく。
ガスった草原が西日を浴び、金色に輝いて見える(写真4)。
朝夕でないと見ることができないすばらしい光景である。

 分岐から4分、18時27分、男三瓶山の山頂に着いた。
平らで広々としていて、標識がなければ通り過ぎてしまいそうな山頂だ。
視界5mくらいだったら山頂だと気づかなかったかもしれない。

 ガスで視界がきかないので、すぐに避難小屋に向かった。
女三瓶山方向に3分ほど行ったところに小屋はあった。

 こぢんまりしていて、きれいな小屋であった。
登山者に全く会わなかったし、小屋に泊まるのも私1人であった。
滅多に持ってこないビールを1人、おいしくいただいた。
今回は歩く時間が短かったのでビールを2本、駅前で買ってきていた。
夕ご飯を食べ、早めに寝た。

 翌日5時前、明るくなったので外に出てみた。
少し登ったところにある高台からは展望が開けていた。

 東の空が真っ赤に燃え、中国地方の山々は太陽に照らされるのを待っているようであった。
数キロ先の小さな山で1つだけ、待ちきれなくて日の出のように輝いている不思議な山があった。
電灯や車のライトであれほど明るくなるのだろうか、不思議な光景であった。

 やがて、山々がピンクに、空は真っ赤に、太陽の近くは金色に輝き出した(写真5)。
ご来光だ。
これまで、すばらしいご来光をたくさん見てきたが、それらに匹敵するものであった。
(その1つが赤石岳からのご来光である(NO.84)
向こうにぽこっと見える山は大山だろう。そこまで他に高い山がないとは思わなかった。
そんな風景も赤石岳からのご来光に少し似ている(赤石岳からは富士山がシルエットで見えた)。

 山頂付近は昨日とは打って変わって見通しの良い快晴だ。
広々とした山頂全体の様子がよくわかる。

 本日は、時間がある。
早く下ってもバスがない。三瓶温泉の日帰り入浴もやっていない。
カルデラの外輪山を一周してから下ることにする。

 6時半近く、まず女三瓶山に向かって出発した。
正面に無線中継塔のたくさん立った山頂が見える。
10分ほど歩くと、宮ノ内池と孫三瓶山が見えてきた(写真6)。
そして兜山を過ぎ、女三瓶山に着いた。
時刻はまだ7時だ。
手前の山道にはホトトギスも咲いていた。

 女三瓶山は一番東側にある。
だから眼下には、東側の風景が広がっている。
地平線近くには、雲が多く少し霞んではいるものの中国地方の低い山々が見渡せる。
振り返れば、今下ってきた男三瓶山が見え、目を左にずらせば孫三瓶山・子三瓶山が見える。

 ここ女三瓶山にはスキー場のリフトが来ている。だから休日には一番混む場所であろう。
そのリフト下り場を見て先に進んでいった。
女三瓶山から10分余で太平山に着いた。

 しばらく歩くと、足元にはクマササ、周りは灌木になった。
標高が850m以下になった。

 7時40分には「孫三瓶山(903m)」に着いた。
山頂の標識には907mと書かれているが、25000分1の地形図や日本二百名山の本では903mである。

 着くのが思ったより早すぎではあるが、急いでいるわけではない。
標高差もそれほどなく、快適に歩けているからだ。

 ここ孫三瓶山から見ると、窪んだ火口とその周りの外輪山がよりはっきりわかる。
その正面にあるのはたくさんの無線中継塔のある女三瓶山である。

 そこから30分弱で「子三瓶山(961m)」だった。
ここからも展望がよい。

 8時30分、「峠の分岐」に着いた。
四辻になっていて、宮ノ内池、男三瓶、西ノ原に行ける。
少し休んで、西ノ原に向かって進んでいった。

 30分ほど下ると、昨日見た休憩小屋に着いた。
これでぐるっと一周したことになる。
「定めノ松」バス停までは、そこから10分であった。

 誰にも会わずに、すばらしい山で楽しいひとときを過ごすことができたことに感謝した。

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