2009.03.09 MM第253号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus
       
                         

氷ノ山 (ひょうのせん 1510m) 兵庫県・鳥取県

[ 日本二百名山 ]

TOPに戻る

この山の私の印象等は・・・                              

「 鳥取県側から兵庫県側に縦走した 氷ノ山 」

 *下に私の感想等の文があります。また、メールアドレスを登録していただきますとこの文章が「無料メールマガジン」で毎週あなたに届きます。                                          


【歩いた日】     2008年8月24(日)


【天候】        小雨後晴れ


【コース及び時間】

ふれあいの里8:55−9:03仙谷コース登山口−9:53くさり場−9:57赤壁岩10:02−10:24仙谷分岐10:30−

10:45氷ノ山〈1510m〉11:07−11:19仙谷分岐11:21−11:44氷ノ山越(避難小屋内で昼食)12:02−12:32

地蔵堂−12:50布滝分岐−12:55福定親水公園登山口−13:16福定バス停



       【  登り(仙谷コース) 1時間39分  下り(福定親水公園へ) 1時間49分   合計 3時間49分   】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。


【温泉】  奥香の湯 兵庫県朝来市和田山町  600円


  
湿ったスキー場を登って行く(写真1) ブナの木が美しい(写真2)
山頂か、ガスの中にようやく見えてきた(写真3) 氷ノ山の山頂に立つ避難小屋(写真4)
ガスはなかなか切れない、まあガスの中もいい(写真5) 偶然寄ることができた「奥香の湯」(写真6)

 【感想 等】

 昨夏の四国・中国地方二百名山の旅、第6弾最後は「氷ノ山」である。

 氷ノ山は鳥取県と兵庫県の境にある。
手元にある「決定版 日本二百名山登山ガイド〈下〉(山と渓谷社)」「中国の山(ヤマケイアルペンガイド)」共に鳥取県側のへれあいの里や仙谷コースからである。しかも、全く兵庫県からのアプローチについては触れていない。不思議でならない。

 地図を見ると、鳥取から因美線で行き、郡家で若桜鉄道に乗り換え終点の若桜で下車する。そこからクローバーバスに乗って終点の「ふれあいの里 氷太くん」で下りれば登山口である。
 そこからの周遊コースもあり、十分楽しむことができる。

 しかし、下山後、静岡に戻ることを考えると兵庫県側に下りた方が早い。氷太くんから鳥取に戻るにも時間がかかるし、鳥取からも静岡には遠い。
 それで、インターネットで情報を探すと「氷ノ山・鉢伏山 登山」という兵庫県側の山の情報があった。そこには「氷ノ山/後山/那岐山国定公園 但馬山岳県立公園」とある。そして、ここにも兵庫県側の情報だけで、鳥取県側のルート等は全く書かれていない。
金剛山(NO.247)でも書いたように行政区毎の縦割りで作り、全く協力するという意識はない。個人のHPやパンフレットなら仕方ないが公のものであれば、利用者のことを考え主な下山路やコースタイム等は書かなければならないと考えている。

 というわけで、氷ノ山越から兵庫県側の福定親水公園への下山路とそこからの交通機関があることを見つけた。
大変うれしい発見であった。地元の人にとっては、多くの人が知っている情報でも遠くからの訪問者にはわからない。

 それで、私は地元の焼津アルプスにいろいろな時期にいろいろなコースから登り紹介している。JRの駅でいうと焼津、用宗、安倍川から歩いて登ることができるのである。バスを使えば、もっといろいろな所からのアプローチがある。3つの市にまたがっているので、是非協力して整備や情報公開をしていただきたいと思っている。

 前夜、鳥取は雨だった。
駅前に造ってあった「砂の城」はかなり崩れていた。鳥取砂丘で「砂の彫刻の世界選手権」が開かれるPRのようであった。
若桜駅始発のクローバーバスは8時半である。それに間に合うように7時31分発の電車に乗った。沿線上に高校があるようで部活に行く高校生で混んでいた。
電車は山間地を走り7時23分、若桜駅に着いた。そこからのクローバーバスの乗客は私1人だった。運転手といろいろ話しながら終点のふれあいの里に向かった。少し走ると80歳くらいの腰の曲がった老婆が農作業の格好で乗ってきた。彼女はバスで畑に向かうのだという。
1日数便のバスを上手く使っていると、感心した。かなりの傾斜のある山道なので年を取ってから歩くのは大変である。乗せてきてくれる家族がいればよいのだが、いなければ畑地を放棄するしかない。

 そんなことを考えたり、若桜のことを話していると、あっという間に終点だった。「わかさ氷ノ山 自然ふれあいの里」はなかなか立派な建物と駐車場があった。
地図をもう一度見てみると、私の登りたいコースは「氷ノ山スキー場前」で下車するとよかったことがわかった。前述のガイドブックは車対象の周遊コースである。

 バス停1つ分、下り「仙谷コース登山口」に着いた。そこには鳥取県の設置した案内図があった。氷ノ山(1510m)は中国地方第2の高い山である、と書いてあった。日本百名山の大山(NO.92)についでの高さである。
標識に従いスキー場を横切るように登って行く(写真1)。
下草は湿っているが、ゴアテックスの靴は水気をはじいてくれる。

 3分ほど登ると「仙谷コース」の樹林帯に入る。
10分ほど歩くと、太いブナの木があった(写真2)。
「氷ノ山にはブナの自然林があります」という看板もあった。
ブナは美しい木の1つであり、私も大好きである。
白神山地(白神岳NO133)天城山(NO73)などのブナを紹介してきた。

 登り始めて50分、鎖場に着いた。
たいした鎖ではないが、沢は滝になり山道は急坂になっている。
少し行くと「赤岩壁」があり、その近くも滝のように沢が流れていた。

 それを越えるとなだらかになる。尾根は近い。
ガスが出てきた。
足元を見るとムラサキシキブが咲いていた。
白に薄紫の斑点がある花で、わが家の庭にも咲いている花である。

 10時半少し前、「仙谷分岐」に着いた。標高が1380mと出ていた。
あいにくの悪天候で、朝から誰にも会ってない。
ここまま会わないのかも、と思いながら氷ノ山山頂に向かって少しいくと、ガスの中に山頂付近が見えてきた(写真3)。

 ガスの中ではあるが、尾根歩きは楽しい。
クマザザの繁る中を進んでいく。
そのうちにうっすらと山頂避難小屋が見えてきた。
三角形のとんがり屋根がはっきり見えてきた(写真4)。

 10時45分、氷ノ山山頂に着いた。
湿ったガスの中であったので小屋の中に入って休ませてもらった。
少し休んでいると30人くらいの団体が入ってきた。
賑やかで私の居場所もなくなったので出発するする事にした。

 10分余で「仙谷分岐」に戻り、「氷ノ山越」に向かう。
あいかわらずガスの中の尾根歩きだ。
うっすら見える木々もなかなか良いものだ(写真5)。
20分余で氷ノ山越に着いた。そこにも避難小屋がある。
山頂のものより小さいがやはり三角屋根の小屋である。
このように30分足らずの所に2つも避難小屋がある山を知らない。
氷ノ山の山々がみんなに親しまれているからであろう。

 小屋の中には多くの登山者が休んでいた。
空いたスペースも少しあり賑やかではなかったので入れてもらった。
山頂避難小屋で少し食べて中断した昼食を取ることにした。
1つの団体ではなくいくつかの小さな団体や個人の方がいて楽しく話ができた。

 ここ「氷ノ山越」は十字路になっていてそのまま尾根を赤倉山・鉢伏山に向かう道、西方向の「高原の宿氷太くん」に下る道、そして東方向の福定親水公園に下る道に分かれている。
 西方向は朝私が乗って来たバスの終点に下りる道である。東方向の福定が私が行きたい兵庫県側である。

 12時過ぎ、下山を開始した。
湿ったガスも少し晴れてきたのでうれしかった。
それほど急でない下りを30分行くと、地蔵堂に着いた。
小さなトタンの小屋の中に地蔵が安置されていた。
さらに20分弱で布滝分岐に着いた。

 そして小さな滝や水道のたくさん付いたキャンプ場の炊事場であろうか、そんな所を通り親水公園に着いた。
公園の広場ではボーイスカウトが何やら活動をしていた。

 親水公園からは舗装道路を福定バス停に向かう。
山に囲まれた田園風景を20分ほど見ながら下り、13時過ぎにバス停に着いた。

 バスは本数は少ないが、ちょうど25分待ちで来る時刻だった。
ほんとにラッキーとバスを待ったが、予定時刻を5分過ぎても来なかった。
山間部ではそんなことは時々あることである。

 と、ちょうどその時、登山者のワンボックスカーが下りてきた。
私のいるバス停で止まってくれ、「駅まで乗せてくれる」という。
お言葉に甘え、乗せてもらった。

 神戸方面に帰ると言うことで、途中の急行が止まるJR和田山駅まで乗せてもらった。
そのまま帰ろうかとも思ったが、駅にいた人に聞くと10分くらい歩いたところに温泉があるという。
それなら行ってみようと、入ったのが「奥香の湯」である。
散髪ルームやマッサージ、宴会場、岩盤浴等が付いた近代的な温泉であった。
私が気に入ったのは三方からの気泡と超音波のシェイプアップ風呂、、スーパージェットバス、中国からの漢方薬を使っている漢薬蒸院、1人用の壺の中の湯に入る壺湯である。今まで味わえない湯に入れて良かった。

 四国中国地方の6つの日本二百名山の旅も楽しく終了することができた。
 

 私の出合った百名山HPトップ   発行済みMM 「日本百名山」TOPに戻る   masarusにMail

inserted by FC2 system