2009.05.11 MM第261号
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【歩いた日】 2009年4月18(土) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 藤川バス停(国道362号線沿い)9:20発−9:47林道大札線−(歩)−10:47山道−10:52林道藤川線分岐(登山口)− 11:16反射板−11:54尾呂久保分岐12:00−12:17大札山 [ その2の 山犬段方向に続く ] 【 登り 2時間51分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 |
「松崎大曲り」には「沢口山」、「朝日岳」が示されていた(写真1) 藤川から10分で、腐りかけた「大札山」登山口があった(写真2) 林道藤川線分岐の「大札山」登山口(写真3) 今年も大好きなアカヤシオに会えた(写真4) ようやく大札山に着くが、寸又峡まで歩けるか(写真5) 大札山山頂からの展望(写真6)
【感想 等】 メルマガNO.258号で書いたが、春を探しに南アルプス南部にある寸又峡周辺に出かけた。 寸又峡は、国道1号線バイパスを島田から大井川沿いに約60kmほどさかのぼったところにある。 30代の時は毎年、新緑や紅葉の写真を撮りに行ったものだ。 寸又峡は何回も来たことがある所なので、地形図もろくに見なかった。 いつも車で来るので、地形や傾斜等はあまり考えたことがなかった。 しかし、今回自転車で走ることを意識しながら、寸又峡に向かった。そしたら、藤川からは山を2つ越えることがわかった。 しかも、道のりは22kmもあった。 8時前、寸又峡の駐車場に車を置き、タウンサイクルで22kmの道のりを藤川まで戻る。 接阻峡に通じる県道388号までは細い道の登りであることはわかっていたが、かなりの登りであった。 30分で「松崎大曲り」に着いた。 そこにはこれから向かう「沢口山」、かつて登ったことのある「朝日岳」の位置が矢印で示されていた(写真1)。 そこから見る沢口山はまだ早春と言った感じであった。 そこからも結構大変な登りで、太ももがぱんぱんに張ってきた。 大井川の水はきれなコバルト色で木々の新緑に映えていた。 9時に千頭に着くとちょうど、千頭駅のSLが煙を吐いていた。 そこからもう一がんばりでやっと藤川に着いた。 山道を22km、1時間23分という、久しぶりの長いアップダウンを走ったサイクリングであった。 私は、この藤川−大札山−山犬段−沢口山−寸又峡を2年考えた。 かつて、小雨の中を山犬段から途中の八丁段まで歩いたが、熊の爪跡のようなものが木に付いているのを見て引き返したことがある。 また、川根本町が募集する「大札山−山犬段−沢口山−寸又峡」の案内を見たこともある。 このコースを寸又峡まで歩いてみたい、とずっと思っていた。 それにはツアーに参加するか、タクシーで山犬段まで行くかの方法しかないと思っていたが、山犬段までバス停から歩いて行くことができることがわかり計画した。 藤川まではもちろんバスを使うこともできるが、私は自転車を使う方法を選んだ。 しかし、車で寸又峡に着くまでにかなりの距離があったので、自転車で走りながらいろいろ考えた。 この22kmの道路を歩いても5時間はかかる(速さを時速4kmとして)。 昨年の私のメモ帳にあったこのコース7時間は本当だろうか。 藤川から大札山−山犬段−沢口山−寸又峡と7時間で歩けるだろうか? 歩けなかったらどうしようか・・・。 そんな心配を胸に、9時半近くに藤川のバス停を出発した(自転車は休みの郵便局に置かせていただいた)。 登り口にはちゃんと、「大札山」の標識があった。今回は忘れずに地形図を用意してあるが、必要ないかもしれない。 「川根茶の里」の茶畑や民家を見ながら歩いていくと、木が腐れかけた「大札山」の標識がある山道への入口に着いた(写真2)。 9時半ちょうどであった。 大水が出てからあまり歩かれていないらしく、少し荒れていたが、歩くことはできる。 そこを登って行くと、シカの食害から守るためか、まわりに緑の網のフェンスをしてある杉の幼木の所を通過し、林道(大札線)に出た。 記憶している登山地図と同じだ、と安心しすたこら林道を歩きすぎ10分ほど経ってから、山道に入ることを思い出した。 遭難の多くが、道迷いである。その原因は、「思い込み」と「見落とし」、「地形図を読めないor読まない」である。 早速、林道に出た安心感から、山道に入る場所を見落としてしまった。 わずか10分なので、戻れないこともなかったが、林道を歩いていくこともできる事はわかっていた。 887mピーク近くの「鷹打場分岐」を通らないで、少し遠回りになるが林道を歩くことにした。 眼下の大井川沿線やミツバツツジを見ながら、ひたすら歩くことちょうど1時間、山道に着いた。 そこから5分で、林道藤川線との分岐に着いた。 分岐には大札山登山口がある(写真3)。 ここまで車で来ることも可能である。 林道より山道は楽しい。 木々はかなり芽吹いている。 満開のアカヤシオに出合えた昨年(大札山2,No.218)より10日近く早いが、期待が持てそうである。 今は車で大札山下まで行くことができるので、山道の手入れは十分とは言えないが、プラスチックの板で作った階段等時間や費用がかかっていることがわかる。 11時過ぎ、電波反射板に着いた。大札山まで、コースタイムで後1時間くらいである。 私のメモにあるように、7時間で寸又峡に行くにはあと5時間しかない。 日没までに着くことができるか、不安がよぎってきた。 まずは、大札山まで歩いてから、どうするかを考えることにする。 休まず歩くと、約40分で「モミの木平」への分岐(尾呂久保分岐)に着いた。 ここは、大札山1(No.134)で紹介したコースである。 杉林の中の分岐から尾根道に出ると、自然に生えた木々も現れる。 そんな中にアカヤシオの木も混じっている。 場所によってはまだ2分咲きのようなものもあるが、満開近いものもある(写真4)。 地球温暖化の影響なのか、例年以上の暖かさのせいで開花が早まっていた。 アカヤシオはミツバツツジと並んで私の好きな花である。 至る所に咲いているのに見とれ、これから寸又峡まで歩かなくてはならないことを忘れるくらいであった。 12時17分、大札山山頂に着いた(写真5)。 途中では年輩女性3人組に会っただけであるが、山頂には10人ほどが休んでいた。 私の昼食を取りながら展望を楽しみ、休憩した。 富士山がぼんやり見え、南アルプス南部の山々が真っ白く見えた(写真6)。 ここから見えるのは聖岳、上河内岳だ。 両側の高い山は前黒法師岳(左)と大無間山(右)だ。 どちらもまだ登っていない。 私の「近々に登りたい山のリスト」に入っているが、いつになるか・・・。 それから、昼食を取りながらこれからのコースタイムを改めて確認した。 川根本町作成のイラスト入りパンフレットで見ると、ここ大札山から寸又峡まで合計でなんと9時間になった。 初心者の歩く時間で記入してあるだろうが、9時間かかったら寸又峡に着くのは夜の9時である。 ここから引き返すか、久しぶりにライトを付けて歩くか・・・。 途中でやめようと思っても下りるコースはない。 (次号に続く) |