2009.05.18 MM第262号
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【歩いた日】 2009年4月18(土) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 〈その1(No.261に記載)〉 藤川バス停(国道362号線沿い)9:20発−9:47林道大札線−(歩)−10:47山道−10:52林道藤川線分岐(登山口)− 11:16反射板−11:54尾呂久保分岐12:00−12:17大札山〈1374m〉 [ その2の 山犬段方向に続く ] 【 登り 2時間51分 】 〈その2〉 大札山〈1374m〉12:30−(北尾根)−13:05林道−13:51山犬段〈1404m〉−14:20八丁段〈1562m〉−14:59板取山 〈1513m〉15:05−15:25天水〈1512m〉15:30−16:16横沢の頭−16:33沢口山〈1425m〉16:40−17:00富士見平 −(猿並コース)−18:02寸又峡 【 登り(大札山〜山犬段) 1時間21分 縦走(山犬段〜沢口山) 2時間31分 下り(沢口山〜寸又峡) 1時間22分 合計 5時間14分 】 【 その1とその2 1日の合計時間 8時間05分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 【温泉】 寸又峡温泉「ホテル アルプス」 (入浴 500円) |
シカだろうか皮を剥いだ跡が多数ある(写真1) 「ホーキ薙」ではガスがかかってきた(写真2) 板取山からは南アルプスが見える(写真3) 100m先に熊が出たが、熊は逃げて行った(写真4) 「天水」標高1521mからの展望(写真5) 「鹿のヌタ場」には水を濁した跡があった(写真6)
【感想 等】 NO.261から続く。 朝、南アルプスの南部(大井川の上流)の寸又峡から国道362号線を自転車で22km走り、藤川まで来た。 そこから大札山に登った。ここまで、「その1」に書いた。 この先の山犬段から寸又峡までの縦走が9時間(川根本町パンフレット)かかるということなので、時間を短縮する方法を考えた。(大札山からだと合計11時間40分になってしまう) 当初の計画では尾根伝いに蕎麦粒山を経由して山犬段に行く予定だったが、北尾根を下り林道を山犬段に向かう。蕎麦粒山に行かなければ、1時間ほどの短縮になる。(蕎麦粒山は、何回か行ったことがあり、このメルマガで2回紹介したことがあるNo.121、No.217)。 あとは、少し休憩時間を減らし、そのまま寸又峡に向かうことにする。暗くなれば、ヘッドライトを付けて歩く。せっかくの機会なので、寸又峡まで歩く決心をした。 かつて、正月の鳳凰山(No.79)でヘッドライトの電池が切れ大変な目にあったので電池のスペアーをチェックした。 これなら暗くなっても大丈夫だ。 前号で紹介したが、大札山は何回も登っているが、川根本町が勧めるだけあって良い山だ(これまでNo.134、No.218でも、紹介している)。 昼食を取って、12時半に山頂を出発した。 山頂付近にもアカヤシオはいつものように咲いていた(北尾根分岐下はまだ1分咲き程度であった)。 また、北尾根もアカヤシオがきれいに咲きそろっていて、何回もシャッターを押した。 13時5分、林道に出た。 さあ、林道歩きの始まりだ(大札山までも道を間違え、1時間も林道を歩いてしまったが、またまた林道歩きだ)。 22kmのサイクリングによる太ももの張りを回復させながら歩きたいとも思った。 いつものアカヤシオの時期より早いためか、ハイカーはあまりいなかった。車もあまり通らないので埃まみれにならなくて済むのがありがたかった。 今日は気温も高く、しかもサイクリングと3時間近い登りでたくさんの汗をかいたので1L持ってきたスポーツドリンクもかなり減っていた。 進行方向に蕎麦粒山や高塚山が見える。 13時半過ぎ、林道にある水場に着いた。冷たくておいしい。 ここで、十分水を飲み、水筒にも詰めた(もし午後9時まで歩くとすれば、水が底をつくおそれがあるからだ)。 13時51分、やっと山犬段に着いた。 車は2台ほど止まっていたが、人はいなかった。 少し休憩舎を覗いただけで、先を急いだ。 静岡大学演習林宿舎へはコンクリートの新しい道ができていた。 かつて歩いたことのある良く整備されたなだらかな山道を歩いていくと、懐かしい木があった。 霧雨の中を歩いていて、熊がかじったのかもしれないと、恐くなって引き返した木が、あの時のままの状態であった。 素人の私にはわからないが、晴れた日の昼間見るとシカの食害のようにも見える(写真1)。 そこからすぐに八丁段(標高1562m)に着いた。 ここがこのコースで一番高いところである。 パンフレットのコースタイム30分に対し、29分で歩いてきた。 少し霞もかかってきているので「展望地」へ行くのはやめてそのまま先を急いだ。 数分で「ホーキ薙」と表示のあるガレ場に着いた。ガスが出てきた(写真2)。 下がどのようにガレているのか、よく見えなかった。 ガスの中を寸又峡まで歩いていくのは嫌だなあ、と思っていたがすぐに切れた。 そして、すぐに「広河原峠(標高1387m)」に着いた。 そこからはゆるやかな登りで15時少し前、板取山に着いた(写真3)。 川根本町が整備に力を入れてくれているので、途中の案内表示がしっかりしていて、山頂から見える山の名前もわかるのがうれしい。 ここ板取山からはやや霞んでいるものの、前法師岳、聖岳、茶臼山、上河内岳、大根山、大無間山が見えている。 板取山から2分ほど歩いたときだった。 ガサッ、ガサッ、と100mほど先で鹿より大きな物音がした。 見ると、熊だ。 どうしよう、と思ったときには熊の方があわてて逃げていってくれた(写真4)。 あわてて持っていたカメラに熊を収めたが距離があったのではっきりは写らなかった。 助かった。その20分後、近くでもう一匹の熊の足音を聞いた。 その後からは、黒っぽい塊を見ると熊に見えて仕方がなかった。 ほとんどが切り株ではあるが・・・。 私がこれらの山でテント泊ができないのは熊が恐いからである。 槍ヶ岳(No.54)でも槍沢で恐い目に遭いかけた。 板取山から少し下って登ると、標高1521mの天水に着いた。 なだらかな尾根歩きなので、全く疲れない。 時刻は15時25分。コースタイムの半分しかかかっていない。 熊出没によってスピードが上がったわけではない。 サイクリングで疲れていた太ももが少し回復してきたのだろう。 ここ天水からも南アルプスから続く山々の展望がすばらしい(写真5)。 少し下ると「うつなし峠」だ。 周辺にはコバイケソウの群落があった。 枯れ葉の中に生える生き生きとした緑のコバイケソウの葉は気持ちがいい。 コバイケソウは、この時期、いろいろな山で見ることができる。 昨年歩いた高塚山(No.217)、バラ谷山(No.216)周辺でも見た。 16時半過ぎ、沢口山(1425m)に着いた。思ったより早く着き、うれしい。 展望できる山々の案内板があるが、木々が大きくなり見ることができないのが残念である。 山頂北側には電波中継版があり、北側は開けていて、朝日岳を手前にし北部の山々が樹木の先に見える。 そこから10分ほど行くと、「鹿のヌタ場」と書かれた看板があった。 窪地に水が溜まり、鹿などの動物の大切な水場になっているのだろう。 大型動物が水を濁した跡があった(写真6)。 その付近の枯葉がカサカサ音がするので見ると、ニホンヒキガエルがいた。 あたりを見ると数匹いて、交尾中のものもいた。 今が時期なのだろう。昨年も高塚山(No.217)で卵と共にニホンヒキガエルを見ている。 またここには、目通り6.5mという「大ミズナラ」の木がある。 それは堂々とした木で、鹿のヌタ場の目印のようでもある。 17時ちょうど、富士見平に着いた。 このペースならヘッドライトを付けなくても下山できるかもしれない、という安堵の気持ちも湧いてきた。 寸又峡温泉に下りる道が2つに分かれていた。 左が「日向山コース」、右が「猿並コース」と表示されていた。 地形図にも、私の持っているガイドブックにも下山コースは1つしか出ていなかった。 地図に出ていない「猿並コース」の方が早そうな気がしたので、右のコースを選ぶ。 1分ほど行くと、「展望所」の表示があり、樹林の中に前面が開けていたが、ガスが出てきて何も見えなかった。 植林された木と自然の灌木の間の境界が山道になっている。 そこをすいすい下っていく。 18時2分、寸又峡の駐車場に着くことができた。 22kmのサイクリングをしたり、熊にあったりで、とても長く感じる1日であった。 無事、日没前までに下ることができた喜びに浸っていると、時間が経つのは早い。 寸又峡温泉の町営露天風呂「美女づくりの湯」に入るのも、今回の楽しみの1つである。 急いで行くと、管理人が更衣室に鍵をかけているところであった。 18時半までだと言う。車の所でのんびりしていなければ・・・・。 もちろん、ホテルや旅館にも同じ温泉が引かれている。 その管理人からお勧めの温泉宿を紹介して頂いた。 駐車場近くの「ホテル アルプス」だという。 名前もいいが、内湯、露天風呂とも気に入った。 時間は十分あるので、ゆっくり1日を振り返りながら貸し切り状態で入浴した。 (宿泊客はちょうど、夕食の時間であった)。 帰宅後、昨年のメモ帳を調べたら、コースタイムの時間の合計が間違っていた。 川根本町のパンフレットでは山犬段から寸又峡まで合計すると9時間になっているが、私の調べたものの合計は藤川から寸又峡までで9時間になった。そのコースを私は8時間5分で歩いた。 |