2009.06.01 MM第264号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus
       
                         

京丸山(1469m) 静岡県水窪町   静岡の百山

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この山の私の印象等は・・・                                 

「 標示がないのを知りながら 地図を確かめないので2度も道を間違えた 京丸山 」

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【歩いた日】     2009年5月4(月)

【天候】        晴れ時々曇り

【コース及び時間】

石切林道ゲートP7:45発−8:55林道終点−(戻る)−9:05三叉路(ロス25分)−9:10藤原家9:15−10:00尾根

−10:15林道造成終点−(戻る)−10:24尾根−10:29山道入口10:34−10:55コブ11:04−11:20京丸山

〈1469m〉11:41−12:08林道−12:50藤原家12:55−13:55石切林道ゲートP

       【 登り 3時間16分(内ロス45分)  下り  1時間9分  合計 4時間25分  】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。


  
石切林道のゲートから歩き始める(写真1) 45分ほど行った林道より(写真2)
ミツバツツジは満開だった(写真3) 分岐から5分ほど登ると藤原宅はあった(写真4)
またまた道は2つに分かれているが・・・(写真5) 三等三角点の近くに古い木の「京丸山」の標識(写真6)

 【感想 等】

 3年前のGW、アカヤシオの岩岳山・入手山(NO.138)を歩いた。この京丸山は、その近くにありながら行く機会を失っていた。
1つには、家から遠いと言うこと、もう1つは標識が不十分であった、と言うことから躊躇していた。NO.138にも書いたが、私が岩岳山を歩いた直後、この山域で遭難騒ぎもあった。標識が不十分であるからだ。

 標識と言えば、時々私も取り上げているが、誰が付けるのか、登山者が付けてかまわないのか、といった問題もある。
詳しくは、後で書くが、京丸山は入手山以上に標識がない山であった。

 登山口まで行っても、登れないということもあるので、営林署に電話して確かめた。
大丈夫であることが確かめられたが、言われたことは「国有林なので営林署に入山申請をしてほしい」とのことであった。
申請する時間もなかったので、申し訳ないがパスさせていただいた(ごめんなさい)。
(申請には1週間から10日はかかる。)
ネットで調べると、世界遺産の白神山地でも登山のための入山は「既存の歩道」については申請の手続きは不要、と出ている(白神山地世界遺産地域連絡会議)。
京丸山に登るのに何%の人が営林署に入山申請をしているのだろうか。少々疑問に思った。私も電話をしなければ、申請が必要であることがわからなかった。
また、登山口には、その標示も入山ポストもなかった。


 GWまっただ中、静岡方面から国道362号を進み、春野町杉から登山口のある石切に向かった。
高速道路はETC搭載車1000円のおかげか、i一般道はどこも大変すいていた。
この道で合っているのか、と不安になる林道を走って林道ゲートに着いた。
車はすでに3台止まっていた。

 かなりの山の中で、よくこんなところまで林道を造った、と感心するくらい山に囲まれたところである。
ここから林道は2つに分かれ、両方にゲートがある(写真1)。
しかし、そこには「京丸山登山口」とも林道のどちらを通れば京丸山に着けるのかも書かれていない。
ガイドブックのコピーを改めて見て、右の林道であることがわかった。

 本日のコースの2/3は林道歩きである。スタートから間違えたのでは山頂には着けない。
舗装はされていないが、起伏の少ない歩きやすい林道をどんどん進んでいく。
林道は奥へ奥へ延びている。その林道には0.5km毎に標示があり歩いた実感をもたらしてくれる。
岩岳山や竜馬ヶ岳だろうか、新緑の山々が見える(写真2)。

 藤色の桐の花やテンナンショウなどが咲いていて目を楽しませてくれる(写真3)。
そんな時、林道の右側に放置された青色のトラックがあった。
ドアの塗装の上から石でUターンの矢印と共に京丸山と、書かれていた。
変な落書きをする人もいるな、と思いつつ先に進んだ。
その10mほど先には、コンクリートの細い道が左上に続いていた。
そこには鎖が付けられていて「私有地につき立入禁止」と書かれていた。

 時間は40分ほどしか経っていない。
京丸山への分岐はまだ先だ。
コースタイムで1時間半と、ガイドブックには書いてある。

 1時間が経ち、もうそろそろ京丸山への林道分岐があってもいいな、と思いながら10分ほど歩くと、林道は終わっていた。
ひなたぼっこをしていた2匹のタヌキがあわてて逃げていった。
その先の道を探したが、見つけることができなかった。

 のんびりしたもので、その時になって初めて道を間違えたことがわかった。
ガイドブックを見ると、藤原家への行く地図上の分岐先に「橋がある」と書かれている。
その橋は、かなり前に1つあっただけである。
また、本文中には「藤原宅に入る標識がある」とも書かれているが、なかった。

 時間は十分あるし、分岐まで林道を引き返す。
下りなので帰りは早い。
5分ほど戻ると、30分くらい前に追い抜いた中年2人組が歩いてきていた。
彼らに間違えていることを教えてあげ、一緒に戻った。
彼らは2人とも、地図さえ持っていなかった。

 さらに5分歩くと、橋に着いた。
橋の近くには赤いテープがあった。沢沿いに登って行くかつてのルートかもしれない。
コンクリートの道には鎖が張られ、「私有地につき立入禁止」と書かれているが、ここしか登る道はないので歩かせていただくと、5分で藤原宅に着いた(写真4)。
今は人がいないのか、ひっそりとしていた。
トラックに書かれていた落書きは、道を間違えた人からの登山者へのメッセージであった。

 少し休んでから、林道歩きを再開した。
ミツバチの箱や小さなわさび田も少しあり、生活の跡もある。
30分近く歩くと、「姫婆羅のみち」とかかれた立派な木の標識があった。
何かはよくわからないが、今回の初めての標識である。

しばらく行くと展望が広がり、山頂方向が見えてくる。
芽生えたばかりの新緑に包まれきれいだ。

 10時、尾根に出た。展望も最高で、ベンチがあり休むには最適な場所である。
特に東側の展望がひらけていて、竜馬ヶ岳、岩岳山、入手山などが見える。
尾根を少し行くと、造成中の道は2つに分かれていた(写真5)。

 ショベルカーがあり造成中らしい上の道はやめ、下っていった。
ガイドブックのルート図が尾根から少し左に迂回していたのと、ショベルカーが道を塞いでいたからである。

 しかし、造成中の道は予想を超えてかなり下っていく。
あと3分歩いて、これ以上下るようだったら戻って尾根を歩こう、と決めるとその道は終点であった。
歩いた形跡は少しはあるが、浮き石も多く、山頂へのルートではないと思っていたが・・・。

 戻ること9分、尾根に出た。
たいしたロスにはならなかったが、2回目の道間違いである。
よく見ると、ここで間違える人が他にもいるようで、地面に矢印が書かれていた(写真5)。
またまた、せっかくの標示を見落としていたことがわかった。

 ショベルカーのアームの下を通り、ミツバツツジや終わりかけた山桜を見ながら尾根を進む。
5分ほどで林道は終わり、山道の入口に着いた。
さすがここには赤いテープが付いている。
(駐車場から山道まで全く標識がなかったことになる。今までこんな山は知らない。)

 登山道はクマササがあるが、刈られていて歩きやすいかった。
20分ほどで1305mのコブに着いた。

 しばらく行き、男女2人組を追い越し、京丸山の山頂に着いた。
男性の方が何回かこの山に来たことがあり、迷わず歩いてきたようだ。

 山頂は灌木に覆われているが、木々は葉を付けていないので曇っていたが明るかった。
三等三角点の近くには古い木製の「京丸山」というプレートが着いていた(写真6)。

 立派なプレートの山が増えているが、この山らしいプレートだと、思わずほほえんでしまった。
座って昼食を取っていると、先ほど追い抜いた2人組が登ってきた。
GWまっただ中であるが、静かである。

 2組にしか会わない。
展望もないので、昼食を取ると下山を開始した。
写真を撮りながらでも、30分もかからずに林道まで下ってしまった。

 林道も下りは楽ちんで、すいすい下っていった。
藤原宅近くで、まだ残っていたツバキの花の写真を撮っていると、動物の足音が聞こえた。
見ると5mほどさきの崖の上にカモシカがいて、私に気づきあわてて駆け上がるところであった。
私がツバキの写真を撮らなければ、じっとこちらを見下ろしていたのかもしれない。

 帰りも藤原宅近くで休憩し、林道を戻った。
京丸川や木々の芽吹きを見ながら歩いた。

 2回も道を間違えてしまったが、新緑を楽しめた山歩きであった。

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