2009.07.06 MM第268号
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【歩いた日】 2009年5月6(水) 【天候】 雨 【コース及び時間】 戸中ゲート6:00発−7:10黒法師岳登山口7:15−9:11主尾根9:13−9:37黒法師岳〈2067m〉9:51−10:10 主尾根(丸盆岳分岐)−11:32黒法師岳登山口−12:31戸中ゲート 【 登り 3時間30分 下り 2時間40分 合計 6時間10分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 |
戸中ゲート、ここから登山はスタートだ(写真1) 雨で色が鮮やかな新緑や滝を見ながら林道を歩く(写真2) 麻布山への最後の急登だ。ここからは展望がよい(写真3) 分岐から5分ほど歩くと、黒法師岳の山頂が見えてきた(写真4) 9時半過ぎに黒法師岳山頂に着いた(写真5) 写した画像が肉眼よりかなりガスっている(写真6)
【感想 等】 最初に断っておきたい。現在、戸中ゲートから黒法師岳・丸盆岳へは通行不可能(2009.5.7〜2009.10.20まで)である。 それは、治山工事のためである。私が登ったのは通行不能の前日、5月6日である。 今年のGWは、静岡県西部の山を巡った。 1日目は標識が少ない京丸山(NO.264)を歩いた。 2日目はまず、同じく水窪町にある常光寺山(NO.265)を歩き、門桁山(NO.266)に登り、麻布山・前黒法師山(NO.267)に登った。 3日目は本命、一等三角点のある黒法師岳である。 残念ながら、今年のGWは後半、天候が良くない。天気予報通りである。(GW前半に山に行けたら・・・と、少し後悔もした。) しかし、この機会に行かなければ、行くことが出来ない。健康管理のためにも、1月に1度、山歩きを続けている。 この黒法師岳は静岡の人にとって大変人気のある山である。 私は黒法師を、今まであまり気にかけていなかったが、少し山歩きをするだけの人でも「今度、黒法師岳に登りたいと思っている」なんて、よく聞く。私から話題を出さなくても、町で偶然出会った知人2人からこの言葉を、ここ1カ月の間に聞いた。 静岡市内からも黒法師岳の特徴的なとんがり帽子が見えるからだろう。 しかし、昨年のGWの黒法師岳敗退(NO.214〜216)でも書いたように、遠いし深い山だ。 簡単ではないからよけいに憧れるのかもしれない。 体力のある今なら、山犬段から尾根伝いに黒法師岳の日帰りをする自信はある。 だが、それはほとんど昨年歩いたコースである。 今回は山の西側の戸中川方向からアプローチすることにした。 登山口までは静岡からは遠い。150kmほどある。 国道152号線から入ったところに「ロックフィル式(石と土で作られている)」の水窪ダムがある。 コンクリートのダムばかりを見ているので、なかなかいい。 その水窪ダムから川沿いの未舗装の林道を10kmほど進むと戸中ゲートがあった(写真1)。 ゲートには明日の5月7日から10月20日までは治山工事のため登り口まで行くことが出来ないと書かれた看板があった。 すれすれセーフで良かった。調べておかないと、登山口に着いたはいいが「登れない」ということも大いに考えられる。 ゲートには「登山届け」のポストがあった。 その中にはノートが置かれていて、入山者の記録が出ていた。 見ると、このGWに入山したのは単独行ばかりわずか3人であった。 天気の良かった前半にもこんなに少ないとはびっくりした。 私もそこに名前を書いた。 天気が悪いので、ゲートにある車は私の1台だけである。本日も私だけだろう。 6時ちょうど、自転車を車から降ろし戸中山林道を走り始めた。 コースタイム1時間45分という林道歩きを短縮できればいいな、と思った。 しかし、900mほど走ったあたりで、やや勾配がきつくなった。 4月中旬の寸又峡で自転車で頑張りすぎ、あとの山歩きで苦労した思い(NO.261)が脳裏をよぎり自転車をそこに置いた。 (コースタイム9時間20分なので、遅くても16時には戻ることができる。そんなに無理をすることはない。) 雨で色が鮮やかな新緑や滝を見ながら林道を歩く(写真2)。 奈良代山などの周りの山も見える。 出発から50分くらいで、作業小屋があった。 そこから5分くらい行った所にも小さい小屋があった。 やがて、工事中の場所に着いた(休工中)。 ここが明日から半年間の通行止めになるところだろう。 そこから10分余行ったところに、「黒法師岳丸盆岳登山口」があった。 丸太でできた大きな標識がありわかりやすかった。ゲートから6.0kmの所である。 ここから「等高尾根」と呼ばれるコースに入る。 ジグザグに登って行き、5分ほどで支尾根に出た。15分で尾根のような所に出た。 うっすらガスがかかっていて、定かではない。 なかなかの急な登りであるが上がったり下がったりしない素直な登りで、どんどん高度を稼いでいく。 登山口から1時間ほどでその急登が終わった。周りの山があまり高く感じなくなった。 登山道は踏み跡がしっかりしていて、赤いテープや102、103とか書いた標識が付いている。 なんの標識なのかは私にはわからない。 足元にクマササが出てくれば、稜線は近い。昨年、バラ谷山までは来ているのでわかる。 9時11分、林道の登山口から2時間で主尾根、丸盆岳分岐に着いた(写真3)。 昨年の反省を生かし、念のために軽アイゼンを持ってきたが、全く雪はない。 年によってこうも違うか、いつも思う。 昨年のこの時期(NO.215)はかなりの雪であった。 また、南アルプス北岳への大樺沢の雪渓(HP下)も年によってかなり違っていた。 かなり風雨が強く、うっすらガスもかかってる。 標識が倒れかけているが、倒木にも白ペンキで「黒法師岳 丸盆岳」と書かれている。 合羽の中では汗も出ているので休んでいては体が冷えてくる。 すぐに黒法師岳めざし出発した。 クマササのなだらかな登りを登って行く。 分岐から5分ほど歩くと、ガスの中に山頂が見えてきた(写真4)。 最後にガレ場を登り、9時半過ぎに黒法師岳山頂(標高2067m)に着いた(写真5)。 休憩を入れて3時間半。 全く疲れはない。昨年とは大違いである。 雨の中に、一等三角点と山頂の標識が静かにたたずんでいた。 雨は降っているので、写真は素早く取らないとならない。 登頂の証拠写真も腕を伸ばして手持ちでさっと写した。 ここは一等三角点があるが、樹木が生い茂り全く展望がない。 かつては大切であった三角点も、今は人工衛星等を使うので近くの山から見て測量するということがないのだろう。 深い樹木の中にあるということは、かなりの間樹木が切られていないということである。 しばらく休んでから、10時前には下山を開始した。 同じ道を帰るのでゆとりがある。13時には下山できるだろう。 すぐに丸盆岳への分岐に着いた。 天気が良ければ、展望の良いそちらにも足を伸ばしたいところであるが・・・。 分岐から20分、デジタル1眼レフで写した画像が肉眼よりかなりガスっている(写真6)。 カメラは雨に濡れないように合羽の内側に首からぶら下げていた。 その後、そのぼやけ状態はどんどんひどくなり11時過ぎ、シャッターが下りなくなった。 私にとって、デジタル1眼レフの故障は初めてである。 3月の吹雪の蝶ヶ岳でも雪でボディーが真っ白にはなったが故障しなかった。 水には弱いということである。 湿度100%の合羽の内側にあるカメラの中が露結したのだろう。 修理に出すしかない、とカメラをリュックの中に片づけた。 11時半過ぎ、登山口の林道に下りた。 あとは林道を戻るだけである。 この数時間の間に、雨で所々に新しい落石があり、気を付けながら歩いた。 12時半、戸中ゲートに戻った。 誰にも会わないばかりか、動物にも会わない1日だった。 無事登頂できたうれしさで一杯であった。 帰路、車のエアコンをつけて走ったところ、カメラが作動するようになった。 雨も上がり、これまたラッキーである。 水窪の集落では川の両岸間をたくさんのこいのぼりが泳いでいた。 それを、カメラに収め、静岡に戻った。 |