2009.10.19 MM第281号
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【歩いた日】 2009年9月20日(日) 【天候】 快晴 【コース及び時間】 てしゃまんくの里P6:08発−6:17諏訪神社下−6:54雷段7:00−8:24[P4]小無間小屋8:32−8:51[P3]−9:09 [P2]9:15−9:25[P1]−10:12小無間山〈2150m〉10:18−10:29唐松谷の頭−10:47中無間山10:57− 11:35荒川三山展望地−11:50大無間山〈2329m〉12:06−12:45中無間山12:50−13:19小無間山13:24− 13:55[P1]14:00−14:04[P2]−14:24[P3]14:29−14:44[P4]−15:37雷段15:42−16:05諏訪神社下 −16:08てしゃまんくの里P 【 登り 5時間6分 下り 3時間37分 合計 8時間43分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 【温泉】 南アルプス赤石温泉「白樺荘」 (500円) 静岡県静岡市 |
諏訪神社手前から本格的な山道に(写真1) [P4]には三角点と小無間小屋がある(写真2) 小無間山の山頂は樹林の中だ(写真3) 荒川三山展望所から荒川三山を(写真4) 一等三角点のある大無間山の山頂(写真5) ガレ場からは富士山が見える(写真6)
【感想 等】 9月の5連休シルバーウィークはETC利用はやめ、静岡市奥の南アルプス南部に行くことにした。 最近は、ETC1000円を利用して静岡にも多くの車がやってくる。関東だけでなく近畿・中国地方からの車も見かけるようになった。 私は渋滞が好きではないので、長距離移動はついおっくうになってしまう。 この大無間山は家から近くにある日本二百名山なので、早く登りたいと常々思っていた。 しかし、山が深いし、登山口の井川までも近くはない。そして、コースタイム13時間というロングコースなので躊躇していた。 山の中でのんびりできるテント泊も嫌いではないが、クマに遭遇するのが嫌で山中のテント泊は最近あまりしていない。 その大無間山がようやく、今回日帰りで実現した。 市内から約2時間で、登山口の近くの井川にある「てしゃまんくの里」駐車場に着く。 駐車場には2台車があったが、彼らが山に入っているのか、他の用なのかはわからなかった。 今回は翌日利用するために自転車を積んできていた。 それで、近距離であったが、6時過ぎに自転車で出発した。 快晴で山に行くにはぴったりの天気である。 県道を畑薙ダムの方に進んでいったが、すぐにトンネルに着いてしまった。 アルペンガイド『南アルプス』には、トンネルを越えるとは書いてなかったな、と思い地図を広げる。 地図を見ると、ほんとに駐車場の裏手に登山口の「諏訪神社」がある。 たくさん道があるわけではない。地域の神社だから県道から見えすぐわかると思い、出発したのだった。 ガイドブックにも、「登山道に続く道がわかりにくいときは、上流の民宿ふるさとをすぎて左の道に入ってもよい」と書かれている。 何度も通ったことのある道である。わかるだろうと、軽く考えていた。 そんなことで、かなり戻り、十分ほどロスをして、諏訪神社下に着いた。 登り口には水が湧き出ていて、おいしそうだ。 出発前に水分は充分取ってきたので下山後にいただくことにして出発する。 赤い彼岸花が咲く先に、鳥居があり、それをくぐりゆるやかに登って行く。 その先は植林による杉林で、数分登ると舗装された林道に出た。 そこの階段には金属の「←大無間・小無間」というプレートが付いていた。 出発直後に登り口がわからなかったということもあり、少し不安であったが、コースが間違えていないことがわかり安心した。 少し登ると左手に半畳ほどの登山届け用の小屋があった(写真1)。 小屋左の細い道が大無間に続く登山道である。 届け用の用紙もあり、それに記入して登り始める。 この道を曲がらずにそのまままっすぐに進んでいくと50mほどで諏訪神社に着く。 樹林帯をずんずん進む。30分余進むと標高1085mの雷段に着いた。 杉林の中の少し広い感じの所で、木の板に黒いマジックで「雷段」と書かれていたので初めてそこに着いたことがわかった。 そこで5分ほど休憩し、登って行く。 最初はゆるやかだが急になり、1時間半ほどでピーク4にある小無間小屋に着いた。 そこには1796mの三角点がある(写真2)。 三角点の周りは木はなくいくつかのテントが張れそうだが、水場はない。 樹木が切られているためだろうが、大無間方向の稜線が見える。 今回のコースはほとんどが樹林の中である。 数少ないガレ場や岩場から周りの山々が展望できる。 さあ、ここからは上のコースタイムにある通り、いくつかのピークを越えていく。 「鋸歯」とも呼ばれている岩に木が根を張っているピークを行くのである。 ピーク3までは20分、ピーク2までも約20分だった。 そしてピーク1までは10分で着いた。 ピーク1から小無間山までは、やや長く50分ほどかかる。 途中からは雪の全くない富士山が樹林から見え、ガレ場からは南アルプス前衛の山々が大きく見えた。 小無間山の山頂は、樹林に囲まれ全く展望はない(写真3)。 山深いこのコースを象徴しているような山頂である。 小無間山の標高は2150mである。 大無間山が2329mなので、標高差は180mである。 ここまで来れば、あとは気持ちの良い尾根歩きである。 自然林の中を快適に歩いていく。 時々、展望があり、幾重にも重なった山々が見える。 そこには全く人工物が見えない。 山深いところまで入ってきてしまったことをつくづく感じる。 足元にはイワカガミの光沢のある葉が多数見受けられる。 「唐松谷ノ頭」からは大無間山の大きな山塊が見える。 中無間山を過ぎ、シャクナゲの葉がたくさん目につく。 春に登れば、イワカガミやシャクナゲの花がきれいだろう。 11時半過ぎ、「荒川三山展望地」に着いた(写真4)。 樹林帯の中がほとんどで、展望がないコースである。 それで、わざわざこんな名前が付いているのだろう。 荒川三山とは日本百名山の荒川岳である。そこには3つのピーク、前岳(3068m)・中岳(3083m)・悪沢岳(東岳3141m)がある。 その南西には赤石岳(日本百名山)があり、どちらも2回登ったことがある。 南アルプスの山々が展望できるすばらしい場所である。 あと1カ所、うまく展望できる場所があった。 そこから15分で、一等三角点のある大無間山山頂に着いた(写真5)。 この山頂も、この山深い山らしく、全く展望がない。 時刻はちょうど12時前。昼食だ。 展望もないので、早々帰路に着く。 来たばかりというのに、同じコースを戻るのは、誰しもあまり好きではないかもしれない。 しかし、行きと帰りではかなり風景がちがうものである。 行きにも所々でうしろを振り返って風景を見てはいるが、十分ではない。 行きも樹林の間から、富士山は見えていたが、帰りにははっきり見える場所を見つけた(写真6)。 ピーク1まで10分ほどの坂のガレ場である。 帰りはコースを知っている分、行きよりもっとスムースに歩けた。 テープがしっかり付いているので、迷うことはほとんどないが、1カ所崖の方に下りそうになった。 おかしいと思い、戻ったのだが、引き返すことの重要さを改めて感じた。 16時過ぎ、無事自転車を置いた諏訪神社下に到着した。 そこのわき水をおいしくいただいて車まで戻った。 休憩を入れて、ちょうどぴったり10時間かかったが、誰にも会わないたいへん静かな山歩きであった。 下山後は多くの場合、疲れを取り楽しかった山を振り返る温泉タイムである。 畑薙ダム手前に「赤石温泉白樺荘」が今春リニューアルオープンした。 かつて無料だった温泉が有料になったが、きれいで気持ちがよい。 温泉に浸かりながら今日1日が、充実した1日になったことを喜んだ。 |