2010.12.19 MM第331号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 

                                

春埜山 (はるのさん 883m) 静岡県周智郡森町 静岡の百山 

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この山の私の印象等は・・・                                 

「 急な思いつきの山歩きは、ハプニングだらけだった 春埜山 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                 
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【歩いた日】     2010年11月23日(火)

【天候】        晴れ

【コース及び時間】

平松峠12:05発−12:18林道−(行き止まり・ヤブ漕ぎ)−12:56工事中の林道−13:06舗装道路分岐−13:16春埜山大光寺

〈883m〉13:39−舗装道路分岐−14:03[931mピーク]14:08−14:30林道14:33−14:45平松峠




     【  登り 1時間11分  下り 58分   合計 2時間9分  】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。
 また、温泉等の料金もよく変わりますので、あくまでもその時の料金です。


  
平松峠から東海自然歩道を行く(写真1) 紅葉の中、遭難のためヘリコプターが(写真2)
林道は行き止まり、工事現場に出る(写真3) 春埜山・大光寺の展望台から(写真4)
大光寺の山門と紅葉と春埜杉(写真5) 奥の院でカモシカに会う(写真6)

 【感想 等】

 島田に行く用事があった。
じゃあ、近くにある『静岡の百山』に行こう、と前日決めた。
ガイドブックには載っていないので地形図で調べ、南からの点線の直登コースで行くことに決めた。
春野町の林道から東進で行けばほとんど歩かなくても行くことは出来る。
が、それでは山歩きではなくなってしまう。

 島田で用事を済ませ、国道473号線を大井川沿いに北上し、家山から県道63号線に入る。
細い道を進んでいくと、川根町家山の集落にパトカー5台、消防車5台が止まっている。
そして上空には取材のヘリコプターが轟音をたてて飛んでいる。

何だろう、と近所の人に聞いてみると、詳しいことはわからないが、近くで遭難があったという。
前回の蕎麦粒山(メルマガNo.327)に続いてまたも遭難とぴったり合ってしまった。
 しかも、遭難場所は前回とそれほど距離の離れていない所である。

(帰宅後、ニュースでわかったのは、老人4人組が紅葉見物の帰りに、車で道に迷った後、タイヤが泥にはまり助けを呼ぼうとして民家を探す途中で1人が滑落死、1人が骨折した。4人とも携帯電話もなく、連絡が途絶え遭難騒ぎになる。この日捜査で4人が見つかる。4人は一番若い人で78歳で運転の男性は86歳。)

 遭難現場近くの老夫婦に春埜山に登る直登コースについて聞いたが、分からないと言う。道はなくなっているかも、とも言う。
私が3件目の遭難者になりたくはない。
また、歩き始めもお昼と遅いし、地図だけがたよりのヤブ漕ぎはしたくないので、コースを変更して東側にある自然歩道を通るコースで春埜山に向かうことにした。【ハプニング1】
県道63号線沿いの平松峠からその自然歩道を歩くことができる。

 12時近く、平松峠に着いた(写真1)。
そして昼食を取ろうとして忘れ物に気づいた。【ハプニング2】
山の食料の残りのラーメンを持ってきたのだが、コッフェルの持参を忘れ、ラーメンを温めることができない。
近くにはコンビニどころか、民家もない。
お菓子の「ベビーラーメン」を思い出し、そのラーメンをそのままかじることにした。
缶詰を食べながら薄味の付いたラーメンをかじって腹を満たし12時5分に出発した。
まだ、紅葉の木々の上をヘリが飛び回っている(写真2)。

 山道は、さすが東海自然歩道だ。立派な標識がありわかりやすい。
杉林の中のほぼ平坦な道を10分余り進んでいくと林道に出た。杉の木を切りショベルカーで道を造成している感じである。
そこから数分行くと古い林道に出て、そこには東海自然歩道の標識もあった。
道を間違えていないか、少し心配だったので安心した。

 林道沿いに途中2カ所の標識を見つけ、紅葉を見ながら安心して歩いていくと林道は行き止まりであった。
その手前には山歩きに来たであろう老夫婦が弁当を広げていた。なぜこんな所に彼らがいるのかも不思議であった。

 林道隅には標識も出ていたし、どこで東海自然歩道からはずれ、行き止まりに着いたのかわからなかった。
戻ることも考えたが、方向としては間違っていないので進んでいくことにした。

 土砂の山を越え踏み跡をたどって進んでいくと、完全に道はなくなってしまった。【ハプニング3】
そのまま進んでいくと、300mほど先に工事のおじさん達が見えた(写真3)。
急斜面の伐採跡をバランスを取りながらおじさん達の所まで行き、春埜山の場所を聞くと「こんもりした茂ったところだ」という。
また、数百m先の林道に標識があるという。
ラッキー!!
方向もあっているし、山道にも出られそうである。

 工事現場から支尾根を上がる感じの踏み跡を登っていく。
しかし、またまた道がなくなる。【ハプニング4】

 仕方ないので、下に見えた工事現場の人達の車を止めてある造成中の林道に向かい、樹林帯の中を枝をかき分けて下りる。
そこから10分くらい歩くと、「←大日山金剛院4.9km 春埜山大光寺1.1km→」という標識があり、舗装道路に出た。
よかった、これで一安心である。

 標識に従い周りの山々の展望を楽しみながら舗装道路を10分ほど歩くと春埜山大光寺はあった。
大きな鳥居をくぐり、進んでいくとモミジやドウダンツツジの真っ赤な紅葉が迎えてくれた。
その上には木製の大きな展望台があったので登ってみた。
周辺の山々が見渡すことができた(写真4)。

 境内を進んでいくと静岡県の天然記念物に指定されている「春埜杉」がそびえていた。
他の木があり全体を見渡せないのが残念であった。
手前の山門にはすでに散ったモミジがいっぱいであった(写真5)。
モミジの落ち葉は特に風情があって好きだ。

 それから辺りを散策した。
というのは、大ざっぱな地形図のコピーしか持ってこなかったので「春埜山」の本当の山頂の位置がわからなかった。【ハプニング5】
「春埜山」へのピークへの標識はどこにもない。
電波中継塔まで行ったが道らしい道は見つからなかった。
(そのすぐ奥にピークがあったことを帰宅後知った。また、自分の持ってきた地図でもよく見れば見つけることができたが、大光寺に到着できたことで満足してしまったのが見つけられなかった原因かもしれない)

 道から少し外れたところにあった石仏も見て、帰路につく。
舗装道路を戻り、先ほどの「←大日山金剛院4.9km」という標識に沿って山道を登って行く。
少し行くと「春埜山奥之院」という石柱と共に小さな建物があった。
鍵を掛けられた中に何があるのかはわからなかった。

 物音はしなかったが、その近くから何かの気配を感じた。
見るとニホンカモシカがこちらを見ていた(写真6)。
もっといい写真を撮ろうと思い近づいたら、逃げていってしまった。
まさか、こんなところでニホンカモシカに遇うとは思わなかった。【ハプニング6】

 なかなかの登りである。
14時過ぎ、ピークに着いた。
山の名前や標識・三角点などはなかったが、地図上の[931m地点]である。
春埜山より50m高い、今回のコースでの最高点である。

 そこで少し休んでから下る。
尾根の左側(東側)は雑木で、右側(西側)は杉林だった。

 もしかしたら道に迷いながらも歩いた春埜山への平坦な林道とその予定地の方が、この東海自然歩道より簡単だったのかもしれない、と思った。
紫色のリンドウの花や紅葉を見ながらそんなことを考えた。

 14時半近く、尾根道を下り林道に出た。
行きにどうして東海自然歩道ではなく、林道を通ってしまったかやっとわかった。
それは東海自然歩道と林道が並行してあり、私が見た標識が自然歩道にあったものだった。
なぜそれがわからなかったのか、全く不思議である。
1,2年後には平松峠近くから春埜山大光寺までの林道が完成するだろう。

 そこから10分余りで平松峠であった。
峠にはもう1台車が止まっていた。
そこに林道終点で昼食を取っていた老夫婦が大日山金剛院から帰ってきた。
彼らはさきの林道途中まで車で行き少し歩き昼食を取り、平松峠に車を置き金剛院まで歩いたのである。
足が丈夫でない彼らなりの紅葉や山の楽しみ方に感心した。

いろいろハプニングはあったが、まあまあ楽しめた2時間であった。
彼らとしばらく話した後、私も大日山金剛院に向かった。
(次号に続く)

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