2011.07.04 MM第354号
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2011年5月3日(火) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 能郷谷ゲート8:33発−9:15登山口−9:49旧登山口−10:30[ポイント3]10:36−10:56前山分岐−11:57能郷白山 〈1617m〉12:18−13:01前山分岐13:07−13:15[ポイント3]−13:30[ポイント2]13:35−13:44旧登山口− 13:51[ポイント1]−14:04登山口14:10−(バイク)−14:27能郷谷ゲート 【 登り 3時間18分 下り 1時間52分 計 5時間10分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。 また、温泉等の料金もよく変わりますので、あくまでもその時の料金です。 |
迂回路を通るが最後で「通行不能」引き返す(写真1) | 至る所にイワウチワの可憐な花が(写真2) |
「白山」と名が付くだけあって山は真っ白だ(写真3) | 「能郷白山」山頂も雪に埋もれている(写真4) |
ここが昔の登山口だ(写真5) | かなり手前のゲートにやっと到着(写真6) |
【感想 等】 前日、瞬時を惜しんでこれからのコースを修正した。 というのは、このGW7日間で岐阜周辺の日本200名山を中心に歩く計画を立てたが、ぼーっとしていたのか雪のため通ることのできない道がいくつかあった。その1つが「白山スーパー林道」である。 今回の一番の楽しみである「笈ヶ岳」は白山スーパー林道の西側入口付近から登る。 飛騨周辺の山に登ってスーパー林道を通って行けばいい、なんて簡単に考えていた。 (実際には、白山スーパー林道の全線開通は記録をまとめている6月下旬の今、ようやく、である) 静岡から笈ヶ岳は遠い。というより、白山スーパー林道が通れない時期、両白山地を越えて西側に行くのは大変である。 役場にいろいろ連絡を取って、不通であった国道157号線の迂回路があり何とか温見峠を経て大野市に行くことができることがわかった。 温見峠からは能郷白山に登ることができる。で、前日は麓の能郷に泊まる。 6時15分、迂回路の折越峠や猫峠林道を通りようやく国道157号線に出、標高1000mの温見峠まであと少しだと思っていたら、通行不能の表示が出ている(写真1)。 わかりにくい道であったが、役場の迂回路案内板に沿って登ってきたのに、である。 私のように登ってくる車が何台もある。無駄足になる案内板を撤去するか、修正してほしいものである。 この不通によって国道157号線による両白山地越えは不可能になった。 それより、目前の山、能郷白山にはどこから登るかである。 もう1つの登山口「能郷谷」に行くしかない。 その能郷谷登山口というのは、宿泊した場所「能郷」から近い。 すなわち、また出発点に戻らなくてはならない。 ということで、能郷谷登山口ゲートに着いたのは8時半近くであった。 山道を約100km走り、ロスタイム2時間である。 人気がある山なのだろう。 ゲート前にはすでにたくさんの車が止まっていて、やっと隙間に車を入れることができた。 車は20台近くはある。 8時半過ぎ、ゲートを通り出発した。 登山ガイドではもっと林道を走り、「能郷白山登山道入口」まで車で入ることができるように書いてある。 ゲートができたのである。 能郷谷沿いの平坦な林道を歩いていく。 ロスタイムを少しでも縮めるようにややスピードを上げて・・・ 林道は車で十分走ることができる簡易舗装である。 ゲートには「私有地に付き通行禁止」とあったが、こんな林道が私有地なのだろうか・・・、と 車で入ることができれば、かなり楽ができるのに・・・と思いながら歩く。 途中3ヶ所ほど、林道を山からの水が流れていて飛び石で通過する。 今の時期は雪解け水が多いからであろうが、降雨時も同様になるのだろう。 9時15分、やっと「能郷白山登山道入口」に着いた。 まずは小川渡りである。 時々水をかぶる飛び石1.5mをジャンプするか水の中に入るか・・・ これなら跳べそうだと思い、ジャンプ。 水に濡れた石に少し滑りながらも何とか岸に着地。 バランスを崩しこける。 手を付き無傷。あと少しで一眼レフカメラを石にぶつけるところであった。 雪解け水でこんなに水量があるのか、いつもなのか・・・ こけるとかなり体力を消耗する・・・・ なだらかに登っていく。 両脇にはピンクのかわいいイワウチワが咲いている。 イワカガミを大きくしたようなこの花は、灌木の日溜まりでよく見かけた。 登山口から30分ほど歩くとガードレールが見え、荒れた林道に出た。 近くには「能郷白山登山口」という標柱があった(写真5、下山時に撮す)。 かつてはここまで車で来ることもできたのだろう。 この旧登山口からは急登が待っていた。 10分ほど上がると山道脇には思った以上に雪がある所もある。 近くには「2_標高1160m 山頂まで3605m」という看板が登山道脇に置いてあった。 やがて稜線に出た。 灌木は低く少なくなり、雪が多くなる。 さすが白山と名が付くだけあって真っ白である。 雪が消えて少し急な登りになったと思ったら「3_標高1330m 山頂まで2715m」とある。 最初の数字は3合目ということだろうか。 もっとも、○合目というのが、どのような基準で付けられているのか私にはわからないが。 久しぶりに多くの登山者にあった。 出発するときにあった車の方たちだ。 やっと追いついたといったところだろう。 ショウジョバカマが咲いている。 そして、山が深くなり、下の谷や周りの山々が見渡せる。 先ほどは全く雪がなかったが、わずか10分歩いただけで一面銀世界だ(写真3)。 映画のカットや場面が変わり、全く別の場所のようである。 看板は雪の下だろうか、見あたらないが、ここは「前山への分岐」だ。 写真でもわかるように、ここからは真っ白な中を進んでいく。 周りの山々もみんな真っ白だ。 雪の中のなだらかな登りは快適だ。 20分ほど登ると左手前方の山の上に社が見えてきた。 能郷白山の山頂にある「熊野白山権現」だ。 そこからは急な登りだ。 昼近くなり雪もゆるんで滑るので、アイゼンを付けるか否か、迷うところだ。 アイゼンを付けても溶けかけた雪が付きそれほど効果はないだろう。 私はアイゼンなしで慎重に登っていく。 最後は真っ白な雪の斜面を斜めに登り、広々とした山頂に着いた(写真4)。 わずか1600m余なのにGWも白銀の世界だ。 豪雪地帯と言われるのも納得できる。 山頂の木の標識は墨で書かれた字が消えかけている。 100mほど南南西にある熊野白山権現の社付近は雪がないのでそちらで休憩することにした。 社に行くと、そこには、すでに3人が休んでいた。 私も荷物を広げ、食事をした。 下りは危険個所は慎重に、それ以外は少し靴底で滑りながら大股で下りていく。 安心して下ることのできる雪の斜面は気持ちがいい。 周りの景色やブナの木、その根元の雪の溶け方などを見ながら下る。 13時半過ぎ、旧登山口に着く(写真5)。 車は通れないほど荒れているが、そこにも雪が残っている。 そして14時過ぎには登山口に着いた。 行きの時、小川渡りを飛び石伝いにジャンプしてこけたので、今度は靴のまま渡渉する。 渡り終わってから、靴を脱ぎ靴下を絞り乾かしながら休憩する。 登山口には1台90ccくらいのバイクが止めてあったが、それはほぼ一緒に下りてきた40代の人の物であった。 「ここまでバイクで来たんですね。いいですね。」と声を掛けると、よかったらうしろに乗っていきますか、と。 石だらけの道で小型バイクではやや危険なことの脳裏を横切ったが、 これからの笈ヶ岳登山口への長い移動距離に時間が必要だということに負け、お言葉に甘え乗せてもらうことにした。 途中、数回石ころが散乱した危険個所は歩いて通り抜け、14時半前にゲートに着くことが出来た(写真6)。 バイクの彼は地元に方で、よく登山口までバイクに乗って来るそうである。 お礼を言って、分かれた。 ゲートから登山口への途中で3台の車にあった。 山などの所有者と鍵の番号を知っている方である。 写真に写っている車の方が実家が能郷で静岡に住んでいる方だったので話が弾んだ。 かつてはゲートがなかったが、落石で車が傷ついたといった苦情が来たのでゲートを付けたという。 ガードレールがなかったので車が転落した責任をとれ、とか、案内表示が十分でなかったので道に迷ったどうしてくれる、などと言った苦情は本末転倒である。 自己責任で行動したいものである。 |