2011.12.25 MM第373号
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2011年12月4日(月) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 10:00石脇観光トイレ−Bポイント10:33/38−10:55高草山〈501m〉11:06−11:33鞍掛峠11:38−12:00満観峰 〈470m〉12:22−12:59日本坂峠13:04−13:21法華寺13:25−13:37花沢の里入口−13:50高崎成沢の不動さん− 13:58石脇観光トイレ 【 登り(高草山まで) 50分 高草山〜満観峰 49分 満観峰〜石脇 1時間27分 合計 3時間6分 】 *コースタイムは道迷いや写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。 温泉等の料金もよく変わりますので、あくまでもその時の料金です。 |
ウルシだろうか、紅葉していた(写真1) | ススキの向こうに焼津平野が広がる(写真2) |
高草山の山頂から静岡市方面を(写真3) | 鞍掛峠近くから満観峰を(写真4) |
満観峰山頂の新しい説明板(写真5) | やはり日本坂峠は「進入禁止」(写真6) |
2ヶ所目の倒木帯は通過が大変だった(写真7) | 日本坂峠もこんな有様だ(写真8) |
【感想 等】 12月初め、焼津アルプスの現状を見たくて歩いてきた。 9月21日に台風15号が浜松に上陸し、県内の多くの場所で被害を受けた。 県内の山々もかつてないほどの被害で今も進入禁止の箇所が多い。 このことについては、かつてメルマガNo.369のmasarusのコーナーで書いた。 10時、石脇観光トイレに着き、観光地図を見るが通行止めの表示はない。 もっとも、ここから登る高草山(標高501m)は通行止めにするほどの被害はなかった。 自転車が3台、車が2台止まっていた。 昨日の大雨もやみ、快晴、空気が澄んで絶好の登山日和である。 山頂のTV塔近くをトンビが飛んでいる。 名前を知らない木が黄葉している。 静岡の海岸近くである、この辺の木々の紅葉は12月上旬である。 舗装された林道を上がり、数分で「石脇登山口」に着いた。 焦げ茶色のコンクリートで作った丸太風の横木を並べた階段を上っていく。 サッポロビール静岡工場や焼津港が見えてくる。 登るにつれ、焼津市内がはっきり見えてくる。 久しぶりのくっきりした展望である。 少し登ると、放置された茶畑も前回来たときより増えている。 ウルシだろうか、赤茶色に紅葉した木もある(写真1)。 高度を上げるにつれ、展望が刻々と変わるのが楽しい。 山の上にあるかんぽの宿が見え、駿河湾も広がってきた。 3の字状に伸びた東名高速道路、直線に伸びた東海道新幹線も見えてきた。 これらの焼津平野は標高3m〜5mほどしかないところが多い。 ふと、津波が押し寄せるイメージも湧いたりする。 恐ろしいことである。 対岸の伊豆半島が見えてきた。 天城山脈も手に取るようにわかる。 少し登ると「天気が良ければ富士山見える→」という張り紙が木に付いていた。 見ると、7合目から上に新雪をまとった富士山が見える。 これで、満観峰分岐近く、高草権現横と3つのビューポイントができたことになる。 見える場所が多くなりうれしくもあり、展望をよくするために木を切らなくてはならないので淋しくもあり、ちょっと複雑な気持ちである。 すぐに心臓破りの急登になる。 距離は短いので私は気にならない。 今までと同じ歩調で登っていく。 登り切ればますます焼津平野の展望は開けてくる(写真2)。 ススキも眼下を眺めているようであった。 満観峰分岐手前にはかつてはクマササが広がっていたが、今回見ると両側ともモミジの若木をたくさん植えてあった。 10年くらいすれば紅葉を楽しむ憩いの場になるかもしれない。 11時前、高草山山頂(標高501m)に着いた。 山頂では2人が休んでいた。登る途中には数人に出会った。 私も少し休んだり富士山や伊豆半島、駿河湾などの眺めを楽しんだ。 今日は静岡市がいつも以上にはっきり見える(写真3)。 安倍川河口の風力発電のプロペラ、大浜海岸、久能海岸、その向こうの沼津市、箱根の山々・・・。 海の色もきれいだ。 鞍掛峠に向かう。 高草山の登りでは倒木はほとんどなかったが、ここには大きな木が1本倒れて処理してあった。 登山者には何組か会う。 鞍掛峠近くまで来ると満観峰の山頂が見えてきた(写真4)。 山頂付近は放置された茶畑が目立つようになった。 鞍掛峠には11時半過ぎに着いたが、そこには10人ほどが休んでいた。 そこで5分ほど休んでから満観峰に向かう。 歩き慣れた緩やかな登りを行くと、山頂から下ってくる何組もの人達に会う。 焼津側から通れるルートはここ以外にはないからだろう。 満観峰山頂(標高470m)にはちょうど正午に着いた。 見渡してびっくりした。 150人ほどが弁当を広げていた。 東屋の方に歩いて行くと、新しい看板ができていた(写真5)。 写真のように展望できる山々の名前をカラー写真と共に示した手作りのものである。 きっと、満観峰愛好家によるものであろう。 3枚の写真をつなげた力作である。 私はまず、少し下がったところにある南アルプスビューポイントからの雪を頂いた南アルプスの山々を見てから 昼食の場所を探した。 どうせなら大好きな富士山を見ながらにしようと、座るところを探すと丸太が1人分空いていた。 そこに座って食べていると、隣の人達が大きな団体であることがわかった。 話してみると、彼らは三重県から大型バス2台で来た年配者達である。 丸子から登り、日本坂峠に下り、花沢山(標高449m)をピストンして花沢の里に下る計画だという。 日本坂峠への道には「進入禁止」の立て看板がある(写真6)。 「日本坂峠へは進入禁止ですよ。知っていますか?」と、訪ねると慌ててリーダーに確かめに行った。 「何とか通れるということだそうです」とのこと。 どこからの情報かは知らないが、このリーダーは約100人を連れて焼津市で「進入禁止」という看板を立ててある所を通行するというのである。 少し驚いた。 私も「大きな木が50本も倒れているけど何とか通ることができる」という情報は持っていた。 この満観峰の山頂で、行くか否かを決めようと思って出かけてきた。 この団体の話を聞いて、私も行ってみることにした。 12時20分過ぎ、まだ多くの人達が休んでいる中を1人、日本坂峠に向かった。 数分下るともう倒木はあったが、通れないほどではなかった。 チェーンソーで倒木を切り、通行できるようにしてある。 台風15号襲来から2ヶ月半にやってくれたのだ。ありがたいことである。 これなら通行止めにするほどではないな。 と思っていると、もっとすごい倒木帯が現れた(写真7)。 この山道は毎年歩いているが、これほど多くの木が倒れているのを見たことはない。 踏み跡をたどり、何とか通ることができた。 その先には、また「通行禁止」表示があった。 分岐を右に下りれば、鞍掛峠にも通じている廻り沢林道に行くことができる。 三重の団体が行くというのだから私も行ってみることにした。 「通行禁止」から数分で、さっき以上の倒木帯があった。 右に回り込む踏み跡を行ったが、通過するのがかなり大変であった。 まっすぐ下る踏み跡を使えば良かったかな、と少し後悔する。 そこを通過して着いたところには、傾いた標識があった(写真8)。 よく見ると「日本坂峠」と書かれている。 全く風景が変わっていて、初めはここがどこなのかわからなかった。 峠の近くにあるお地蔵さんの上にも倒木がのしかかっていた。 花沢山方面にも花沢の里方面にも倒木がたくさんころがっていた。 全くひどい光景である。 三重の団体はここを通過できるだろうか? 少し休んでから、花沢の里方向に向かった。 学生時代、南アルプス大縦走のトレーニングで1人重たい荷物を背負い、この下からヤブ漕ぎをし日本坂峠に登ったこともあった。 あの時は夏だったので、棘のある灌木に悩まされた。 そんなことを思い出しながら倒れた杉の木の上を越えていった。 「庚申塔」の石碑まで来ればあとは大したことはない。 10分余で林道に出ると、地図も付いた「進入禁止」の看板があり、四重にトラロープが張られていた。 現状はやはり少し大変であり、登山はやめた方がいいだろう。 私はいつもと全く違う焼津アルプスを体験できスリルを楽しめたが、人には勧められない。 13時20分過ぎ、法華寺に着いた。 イチョウが黄葉真っ盛りであった。 山門の所にあるモミジも紅葉していてきれいであった。 観光客やアマチュアカメラマンが来ていた。 私も少し写真を撮ってから下っていった。 何カ所かに、温州みかん、山芋などの無人販売があり、買っている人もいる。 「花沢の里」入口には、常設の駐車場以外に臨時観光駐車場もできていて、今が花沢の里のピークであることを教えてくれる。 そのまま、高草山山腹をトラバースする林道を石脇に向かう。 初めての人にはわかりにくいので2年前に自作標識を付けた(メルマガNo.294)。 その内の1つが、落ちていたのか、わかりにくいので見えるところに移動したのか、道路脇のコンクリート蓋の上に置かれていた。 みかんがたわわに実った木々や「高崎成沢の滝不動さん」を見て、14時に石脇観光トイレに戻った。 実質3時間、休憩を入れて4時間の山歩きであった。 早く「通行禁止」が取り外され、誰もが楽しめるコースに戻ることを願っている。 |