2012.02.06 MM第379号
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2012年1月29日(日) 【天候】 快晴 【コース及び時間】 西気賀稲荷神社10:00発−10:32引佐峠分岐10:37−10:57尉ヶ峰〈433m〉11:07−11:53夕陽台12:04−12:28 細江公園−12:50気賀駅−13:22西気賀−13:32稲荷神社P 【 登り(稲荷神社から) 52分 下り(気賀駅まで) 1時間31分 気賀駅から稲荷神社 42分 合計 3時間5分 】 *コースタイムは道迷いや写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。 温泉等の料金もよく変わりますので、あくまでもその時の料金です。 |
今回、初めて立派な標識に会う[引佐峠分岐](写真1) | 奥浜名湖スカイラインを横切る(写真2) |
「獅子落し」はロープ付き上り(写真3) | 尉ヶ峰(標高433m)から浜名湖や遠州灘を(写真4) |
山頂には獅子落しにちなみ、イノシシの親子像が(写真5) | 二三月峠展望台は大変眺めがいい(写真6) |
「おもかる大師」から下るとすぐに国民宿舎だ(写真7) | 西気賀で「天竜浜名湖線」の電車に会う(写真8) |
【感想 等】 寒い日が続いている。 雪のない寒くないところを歩き、露天風呂に入って海か湖を眺めながらのんびりしたい、という気持ちが湧いてきた。 1月下旬に、日曜日と代休の月曜日との2日でどこに行こうか、と考えた。 で、思いついたのが浜名湖の温泉付きホテル。 初めにホテルを予約し、近くの低山を探し、その山を歩くことにした。 ロードマップを見ると三ヶ日IC近くに「尉ヶ峰」という山を見つけた。 インターネットで調べると、天竜浜名湖線の西気賀駅から登った記録があった。しかも姫街道もあり標識がしっかりしている、とあった。 家を出て三ヶ日ICまで高速で1時間余で行くことができるのはうれしい。 西気賀には9時過ぎに着いたが駐車場を見つけられず、車で少し山の方へ上がっていった。 「奥浜名オレンジロード」と名付けられた舗装された林道に出た。 少し行くと、稲荷神社があった。 ありがたいことに、そのそばに、手作りのやや立派な「→尉ヶ峰」という標識があった。 稲荷神社近くでハッサクの木の手入れをしている農家の人に聞くと、車を畑の近くに置いてもいいという。 10時、支度をして出発した。 緩やかに登っていく。 よく歩かれたしっかりとした山道でホッとする(この道は地形図にも点線で出ている)。 送電線の下を通り登っていくと、浜名湖が見えてくる。 東名高速の浜名湖橋も見える。 少し行くと、浜松駅前のアクトタワーも見えてくる。 地形図に出ていない所もはっきりとした道があり、標識がある。 30分ほど歩くと引佐峠への分岐に出た(写真1)。 新しい公の標識に初めて出合う。 私が歩いてきた道も青色で表示されている(もっとも、青がどんな意味かは分からないが・・・)。 引佐峠、尉ヶ峰が同じ焦げ茶色なので正規のルートらしいということは想像できた。 そこからは整備された山道になった。 数分で「奥浜名湖スカイライン」という林道に出た(写真2)。 東屋があり、駐車場や水洗の立派な便所が整備されている。 (山頂を踏みたいだけならここから登れば10数分で着くだろう) ここには『奥浜名自然歩道』のカラー案内板があり、やっと全体の様子がわかった。 ここ尉ヶ峰は静岡県が富幕山(メルマガNo.342)と共に4つのコースを整備し、『奥浜名自然歩道』としているのだ。 引佐峠からの道がそのうちの1つ「引佐米コース」で、引佐米駅から尉ヶ峰までである。 私が歩いてきたのはサブコースといったところの位置づけなのだろう。 数分登ると山道は2つに分かれてる。 「獅子落し」と呼ばれる岩場の急登と迂回路である。 もちろん、獅子落しを選ぶ。 急なところにはロープも付けられている(写真3)。 この「獅子落し」は江戸時代、気賀の藩主が猟をしていた時、驚いたイノシシが転がり落ちたという言い伝えが残っていてそう呼ばれているという。 イノシシは猪突猛進で、勢いがつきやすくよく転がり落ちるのではないかと思う。 というのは焼津アルプス北部の杉林の中で、私もイノシシが驚いて落ちていくのを見たことがある。 急登ではあるがすぐにこの「獅子落し」は終わり、尉ヶ峰山頂に着いた。 標高433mの山頂からは、浜名湖や遠州灘が見える(写真4)。 時々浜名湖を見ながら1時間、尉ヶ峰に着いた。 予想以上に順調に歩けた。 今まで知らなかった「奥浜名自然歩道」の体験をすることができた。 山頂には東屋と共にイノシシの親子の像があった(写真5)。 これは、「獅子落し」にちなみ作られたのだろうか・・・。 そう言えば、この先にある、前述の富幕山にも展望台の所にイノシシの像があった。 山頂は北風が通り寒い。 東屋の影で、耳当てを付けて休む。 その内に1人登ってきた。 今回初めて会う登山者である。 日曜日であり、この辺では整備された山だから登山者に会ってもおかしくないとは思っていた。 ここ尉ヶ峰から車まで戻れば40分くらいだろう。 同じコースを戻るのもいいが、もう少し歩きたい。 ホテルのチェックインは15時だ。 時刻はまだ11時だ。 引佐峠に下り、奥浜名オレンジロードを歩き車に戻ることも考えた。 それもつまらないので、奥浜名自然歩道の「細江コース」を下り、気賀駅から西気賀に戻るコースに決めた。 西気賀からは車で登った分だけ歩かなくてはならないが・・・。 細江コースの気賀までは、西気賀からの2倍くらいの距離がある。 歩くことに決めたら出発だ。 11時過ぎに出発した。 数分で、樹林の中にある424.3mの三角点だ。 杉林の中をゆるやかに下っていく。 台風15号で倒れたと思われる杉がたくさんある。 山道のコース取りが良く、焼津アルプスのようにコースを完全に塞いでいる倒木もなく、良い。 このコースは奥浜名湖スカイラインと並ぶように作られている。 やがて山の上の私有地(家があり彫刻をたくさん置いてある)を通過し、12時少し前に「夕陽台」に着く。 この間、20人くらいの年輩の女性達のグループなど30人ほどに会う。 ここ夕陽台にはカラーの案内板、吸い殻入れ、ベンチがある。 これら「奥浜名自然歩道」の整備は2年前のようだ。 お金をかけ良く整備されている。 下っていくとまた舗装された林道に出た。 奥浜名湖スカイラインに、合流したのだ。 そこには「奥浜名自然休養林」という大きな木の看板があった。 また山道に入りすぐに二三月峠展望台に着いた。 立派な櫓が作られていてそこからはこのコース最高の眺めだ。 都田川の向こうにアクトタワーが見える(写真6)。 もちろん、浜名湖や対岸、遠州灘も見える。 左には三岳山(メルマガNo.343)も見える。 そこから10分で「おもかる大師」だ。 この石の言い伝えもなかなかおもしろい。 いまでも花をあげたり千羽鶴を手向けたり、信仰されていることがすごいことである。 下っていくとすぐに「国民宿舎奥浜名湖」に着いた(写真7)。 新しそうな建物で泊まりたくなったが、もう宿は決まっている、残念。 国民宿舎の前を通り過ぎ、細江公園に入ると展望台がある。 ここも眺めが大変いい。 気賀駅、北区役場、その向こうに都田川、アクトシティー等々。 ここで会った老人からダイダラボッチの話を聞いた。 「ダイダラボッチが富士山を一夜で作ったとき、大量の土をせっせと運んだ。その時、ついよろけて手を着いて浜名湖ができたと。」 あ〜あ、浜名湖は手の形に似ている。この話は聞いたことがある、と思った。 ダイダラボッチの話は、全国の多くの地域に伝わる民話である。 これまでのメルマガでも、静岡市の「だいらぼう(メルマガNo.186)」や「讃岐富士[飯野山](メルマガNo.210)」でも紹介した。 老人にお礼を言い、遊歩道を下る。 細江神社を過ぎ、南下すると天竜浜名湖線気賀駅に着いた。 12時50分である。 上りの掛川行きは12時59分発、9分待ちですぐ来るが、西気賀に向かう下り新所原行きは13時18分発。 約30分待ちである。 西気賀までは1区間で約2.5kmである。 歩いても30分くらいである。 電車で帰ろうか迷ったが、歩くことにした。 「気賀関所」があった。 「箱根関所」と「新居関所」は知っていたが、ここにもあったのだ。 説明によると姫街道の要衛地のために作られ、この3つを「東海道の3関所」と言われ、明治2年まで続いたという。 歩いてよかった、1つ勉強になった。 地図を見て線路と平行に走る農道を歩く。 歩いてわかったのは平地で遮るものがなく、遠州の空っ風をまともに受ける。 寒いし、頬や耳が痛い。 途中で上着を着て歩き続ける。 西気賀に着くと、ちょうど電車が通る(写真8)。 競争したわけではないが、同時着とは・・・。 そこから10分で、稲荷神社に着いた。 奥浜名オレンジロードから県道308号、310号と浜名湖を見ながら走る。 ホテルまで30分で着いてしまい、チェックインの時間までロビーでくつろいだ。 その後、温泉には入り露天風呂から浜名湖をのんびり眺めながら疲れを取った。 |