2013.04.07 MM 第431号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 


躑躅山(つつじやま 302m)・千尋山[ハートロック](ちひろやま 約250m)

 その1  小笠原諸島 父島 [世界遺産]

メルマガ250号達成記念!CD−ROM(残りわずか!)      TOPに戻る     

この山の私の印象等は・・・                                     

「 さすが世界自然自然遺産、厳格に守られ標識もなかった 躑躅山・千尋山 (1) 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2013年3月22日(金)

【天候】        晴れ

【コース及び時間】

巽登山口8:40出発−10:50躑躅山(朝立岩)−[次号に続く]


         【 登り(巽登山口〜躑躅山[朝立岩]) 2時間10分 】


*コースタイムは道迷いや写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。
 温泉等の料金もよく変わりますので、あくまでもその時の料金です。


  
登山口で靴底や服に付いた種や生き物を取る(写真1) ノネコ捕りの罠(写真2)
衝立山方向を望む(写真3) 亜熱帯の木々の中を歩く(写真4)
「中海岸」が下に見える(写真5) 住居の跡が石垣だけ残っている(写真6)
 
躑躅山の朝立岩に着く(写真7)  運良く、ブニンツツジが咲き始めていた(写真8)

 【感想 等】

インフォーメーションセンターまで出向き聞くと、「躑躅山・千尋山(ハートロック」に行くツアーが父島滞在中に1つだけあるという。
ただ、▲印が付いているのであなたが参加できるか否かは問い合わせてくださいとのことであった。


電話すると、OKだという。
ハートロックは人気の場所でたくさんのツアーが出ているが、躑躅山はガイドブックにもインフォーメーションセンターに置いてあるパンフレットにも出ていない。

ダメ元で尋ねたが、5人の団体に加わる形で行くことができるということでほんとにラッキーであった。

夜、同じ宿のフランス人のパスカルに話したら自分も行きたいという。
それで申し込んであげた。
ツアーガイドは英語ができないと言うが、私が片言で内容を伝えればいい。


翌日8時、時間通りにワゴン車が迎えに来た。

車内には5人が乗っていて、パスカルが増えたので1台には乗れず2台で行くことになった。
5人の団体はアルペンツアーで募集した人達であった。あとは単独が3人(私にパスカル、あと女性が増えていた)、ガイドが1人の総勢9人である。

途中、弁当とペットボトルのお茶を積み巽登山口に着いたのは8時半過ぎであった。
2台の車は観光会社が下山口に回してくれる。
登り口と下山口が違うありがたいツアーである。


弁当、お茶、尻引きマットを配布し、足のストレッチを少ししたら出発である。
駐車場から20mくらい行ったところに登山口があり「種子除去装置」が設置されていた。
そこで、靴底や服に付いた種子等を取ってから入山する(写真1)。

説明看板の上には塩化ビニルの管が設置されていて、目的地の管に決められた石を入れる。
1日1回担当者が石の数をかぞえに来るのだそうだ。
それによって1日の入山者を把握することができる。
原始的なおもしろい方法である。

入って行くとすぐに「ノネコ捕り」が設置されていた(写真2)。
野生化した猫、ノネコが天然記念物の絶滅危惧種「アカガシラカラスバト」を食べてしまわないようにと考えられているのである。
(その後もこの仕掛けを3つほどを見た。)

この鳥は小笠原の固有種で100羽ほどしか確認されていないそうである。
だから、トキの次に絶滅危惧種である、とお聞きした。

さすが、世界自然遺産である。
ガイドが付かなければ入山できないし、外来種等の種の持ち込みをなくし、野鳥たちを保護する努力をしている。

ガイドを先頭に説明を聞きながら歩いて行く。
ガイドは少し前まで板前をやっていたという若い「心さん」ではあるが、
小笠原の自然や歴史のことをよく知っている。

20分ほどで辺りが開け「衝立山」が前方に見えてきた(写真3)。
海も見える。
この父島南部は島の中でも自然が残り保護されているところであるが、標高はそれほどないが山が深い。

この小笠原諸島の陸地は火山の噴火・隆起でできている。
だから足元は火山のごつごつした礫が固まったものである。

また樹林帯に入った。
亜熱帯特有の草木が生えている(写真4)。
台湾で「ビンロウ」と言っているビロウの仲間、小笠原ビロウがある。
台湾ではドライバーなどが幻覚作用のあるこの実を噛み赤いつばを道路に吐いていたことを思い出す。

○の中に逆さハの字が幹に見える「マルハチ」がある。
おもしろい樹もあったものだ。
しかも覚えやすいそのまんまの名前である。

タコの足のような「タコ足」、そのタコ足似たようなツル性の木「タコヅル」。
なかなか植物の名前を覚えられない私でも覚えた。

出発して1時間、近くに**海が見えてきた(写真5)。
団体の5人は熟年なのでややスローペースである。
それに加え、フランス人のパスカルが写真を撮っていて1人遅れ、少し歩いては彼が来るのを待つ、という感じで歩いて行く。
まあ、今日は1dayツアーなので急いではいない、時間はある。

その海が見える道の脇には松の木が生えている。
それも外来種だという。
もともと小笠原には松はなく、琉球松を持ち込んだそうだ。

10時、石垣の所に着いた(写真6)。
ここにはかつて何軒かの家があったという。
こんな山の中に・・・と驚く。

もちろん、防空壕(トーチカ)もあった。
前号の大神山(メルマガNO.430)で書いたように、太平洋戦争ではいつ来るかわからない米軍に島全体が備えていたのだ。
それらが塞がれたり埋められたりせず今も残っているのである。

やがて岩場の急な登りになり「朝立岩」の下に着いた(写真7)。
展望がなかなかいいところである。
衝立山、**海、歩いて来たコースなどが見える。
岩の名前は、すばり男性の朝をイメージしたものだそうだ。

今日はこの躑躅山−千尋山コースに入山しているのは2グループである。
いくつかの石が入山の筒に入っていたが、この朝立岩手前で追い抜いた。

彼らはワゴン車が置いてあったので同じコースを戻るのだ。

岩の下で休憩したが、心ガイドは小笠原のおみやげの「レモンゼリー」「塩飴」「ラム酒ゼリー」から好きなものを1つくれるという。
私は塩飴をもらい、おいしくいただいた。
その後も2回の休憩で他の味を食べることができた。

休憩中に聞くと、躑躅山の山頂に行くには別ルートを通る、という。
私は「躑躅山−千尋山トレッキング」ということで躑躅山の山頂に立てるものと信じ込んでいた。

ピークハントの山頂へ行くだけが登山ではない、と思いなおし小笠原の自然を楽しむことにした。

休んでから、岩場を登っていくと、なんと白色の「ムニンツツジ」が4つほど咲いていた(写真8)。
ここ朝立岩に1株だけ残っているという。
それを株分けし保護しているものが咲いているのだ。

ほんとにラッキーである。
この[躑躅山(つつじやま)」の名前もこのツツジから付いたものである。

〈次号へ続く〉
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