2013.05.20 MM 第437号
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2013年3月24日(日) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 ショップ前に8時集合=8時半乗船=9時過ぎホエールウオッチング=9:28小型船で南島上陸−9:41丘の上9:52 −10:01扇池前10:19−10:25船に戻る=ホエールウオッチング、ハートロック&ジョニービーチ見る、 シュノーケリング=12時過ぎ港に戻る 【 南島滞在時間 57分 】 *コースタイムは道迷いや写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。 温泉等の料金もよく変わりますので、あくまでもその時の料金です。 |
小舟に乗り換え南島上陸(写真1) | 丘の上から扇池を望む(写真2) |
丘の上から陰陽池方向を(写真3) | 扇池から丘の上を見る(写真4) |
「扇池」には泳ぐかカヌーで来たかった(写真5) | ヒロベソカタマイマイの半化石がいっぱいだ(写真6) |
船上からハートロックを望む(写真7) | 3頭のクジラが何回もブリーチングを(写真8) |
港での、多くの島民や宿泊者の見送り(写真9) | おがさわら丸を追いかけ見送ってくれる(写真10) |
【感想 等】 父島の最終日は「ホエールウォッチング&南島上陸ツアー」である。 私の今回の旅行は父島への滞在がまる3日である。 船が揺れて気持ち悪くなるのはわかっているので、いくら南島がすばらしい所でも、 3日の内のまるまる1日を使いたいとは思わなかった。 で、この南島の半日ツアーがあるのは1日目か最終日の4日目である。 私はこの半日ツアーに、最終日に参加したくて父島への船と宿の予約と共に日本で申し込んであった。 この南島は「小笠原の中でも特に美しい自然景勝を残している」とガイドブックに書かれていたからである。 しかも、1日に100人まで、公認ガイドの同行でしか上陸できない、というのである。 これは予約していかなければ、行くことができないかもしれない、と思ったのである。 (天候が悪ければ、当然、上陸できないし、もしかすると船も出ないかもしればいが・・・) 朝起きると、快晴である。 朝食を済ませ、集合時刻の8時少し前にショップの前に出かけた。 もうほとんどの人が集まっているようで、ウエットスーツやシュノーケリング3点セットを借りていた。 私は近視なので自分のシュノーケリング3点セットを持ってきていた。 ウエットスーツは前日同様、なしで海に入るつもりで来ていた。 往復の船は風が冷たいので、山用の保温性のあるTシャツを着てきた。 ワゴン車2台で港に行き、海水の入ったパレットで靴底を洗った。 ハートロック(メルマガNo.432)や高山(メルマガNo.435)での足ふきマットと同様に、南島に外来種の種を持ち込まないためである。 乗船するとすぐにクジラや南島等についてのレクチャーが始まった。 寝坊して遅れていた女性を待ち、すぐに出発した。 船上から枕状溶岩を見て、クジラを探しながら走る。 出港して30分、もうクジラを見つけることができた。 やや遠い所ではあるがクジラがブロー(噴気孔から出す噴気)をしているのがはっきり確認できた。 何ヶ所かで行っているのが見える。 ショップの人がどの方向に見えるか教えてくれるのでみんなでそちらを見る。 もっとすごいところを見たくなる。 半日と限られているので先に南島に行ってからクジラを探すことになった。 南島上陸地点の鮫池近くまで行ってから半分の客が小舟に乗り換えた。 大きな船では岩に着けることができないという。 南島は港もないとは驚きである。 波のタイミングを見て舳先を船がはまる岩に近づけた。 そしてスタッフが1人岩に乗り移り、船を押さえ客が順に上陸する(写真1)。 高さはわずか数メートルであるが、岩を登っていくので初めての人には大変である。 私の前を登っていた60代後半のおばさんがバランスを崩し落ちそうになった。 私は手でおしりを支え、やっとの事でそれを止めることができた。 ここは厳しい規制のかかった自然保護区である。 なるべく石の上を歩くとか踏み跡から外れないようにする。 落ちている物でも持ち帰らない・・・ 踏み跡の両側には枯れかけた草の中に20cmくらいの穴がたくさんあいている。 ちょうど上空を飛んでいたカツオドリの巣だろうか。 いや、オナガミズナギドリの巣だという。 小舟で上陸した14人がガイドと共にまとまって行動する。 シュノーケリング中心に考えていた人はウエットスーツを着てマリンシューズやサンダルである。 暑くてウエットを半分脱ぎ、上半身水着になっている女性もある。 10分余で丘の上に着いた。 わずか30mほどの高さであるが、遮る物がないので360度の展望である。 眼下には白砂の砂浜と扇池が見える(写真2)。 ガイドブックにも使われる絶景である。 それと全く同じ風景が目の前にある。 私は写真愛好家なのでよくわかるが、ガイドブックの写真はその場所に何回も通い写りの良い写真を使っている。 だから、その場所に行ってもそれは滅多に見られない風景である。 しかし、ここにあるのはまさにガイドブックのあのきれいな海と奇岩の風景である。 この扇池だけではない。 その右手に広がっている砂浜と陰陽池もいい(写真3)。 ハートロックやジニービーチも見える。 いくら見ても飽きない景色だ。 案内してくれたガイドが写真を撮ってくれるという。 いつもは記念写真は撮らないのだが、あまりにも美しい所なので撮っていただく。 今回はわずか4時間のツアーである。 もう下りないと時間がないという。 下に降りて扇池に行く。 今降りてきた丘の上には同じ船で来た残りの人達がいるのが見える(写真4)。 ここの岩は隆起サンゴ礁で、それが雨などで浸食された後で海に沈んだ「沈水カルスト地形」だという。 岩肌を見るとそれがわかる。 目の前にはあの「扇池」が広がっている(写真5)。 シュノーケリングやシーカヤックで来たいものである。 何ガニだろうか。 10cmくらいの赤茶けたカニが波打ち際に2匹いた。 そのあと白砂の所へ行った。 ここには有名なヒロベソカマイマイの半化石がある(写真6)。 見渡す限りころがっている。 なんとこれは1000年前以上に絶滅したものだという。 しかも海の貝ではなく、カタツムリだという。 一見、ちょっと前に海から上がってきたばかりに見えるが、・・・。 草1本、石ころ1つ持ち出さないというこの島だからこそ、ガイドブックに出ている物と同じすばらしい風景が広がっている。 ころがっている貝殻が減らないのであるから・・・。 ずっといたいところであるが、4時間ぎっしりのツアーである。 来た道を戻る。 行くときは気づかなかった「オオハマボッス」の白い花が咲いていた。 肉厚の葉の小笠原固有種である。 約1時間の滞在であった。 この南島は1日100人限定で、しかも2時間までしか滞在できない。 (こんなに素敵な所なら1日ツアーにして、2時間いたい所である) 船に戻ると、またホエールウォッチングの続きである。 今度はペックスラップ(胸ビレで水面を叩く)をしているクジラを見つけた。 クジラはそれを何回も何回も繰り返す。 撮影のチャンスが何回もありうれしい。 船は南島の東に来ているのだろう。 北の方角にハートロック(千尋岩)が見える(写真7)。 有名な岩なのでガイドブックでは見ていたが、茶色のハートがくっきり見えてなかなかいい。 それから白砂のジニービーチを船から見た。 今は歩いて行くことはできず、船で上陸するしかない海岸である。 近くでクジラがテールスラップ(尾ビレで水面を叩く)をした。 その向こうでは親子3頭のクジラが順にブリーチング(大きなジャンプ)をしている。 クジラは深く潜っていって海面でジャンプをする。 どこでジャンプするかはわからないのでなかなかアップで撮るのは難しい。 ただ、何回もやってくれるのでシャッターチャンスは何回もあって助かる。 やっと絵になる1枚が撮れた(写真8)。 もう11時半である。 しかし、まだシュノーケリングはしていない。 やらないのかと思ったら、ちゃんとやるんですね。それが主目的の人もいる。 キャベツビーチで泳ぐ。 たくさんんの魚たちとサンゴ礁。 悪くはなかったが、沖縄先島などを潜っているのであまり感動はなかった。 さあ、そろそろ港に戻る時間だ。 シャワーで海水を洗い落とし出発の用意ができた所で、イルカ3頭が船のそばに遊びに来た。 ある女性が「イルカと遊びた〜い!」と言ったら、時間がないので5分だけだよ。 ということでOKが出た。 私はシュノーケリング3点セットを付け1番に飛び込んだ。 ガイドが渦を描きながら潜っていくと同じようにイルカが動く(その時のショップのブログ、写真あり)。 その内にイルカ達は海面と水平に泳ぎ始めた。 私はイルカと競争して全力で泳いだ。 何とか20mほど一緒に泳ぐことができた。 ほんとにラッキーであった。 船は12時過ぎに港に戻った。 ショップまで車で送って頂き、宿に行き着替えて出航の準備。 山用のザックにシュノーケリング3点セットを詰めてきたので、全部入れ直し。 急いで土産物屋とスーパーマーケットへ行き、おみやげを買い、昼食を買う。 そして、宿の人達と歩いて港へ行く。 大きな荷物は車で運んでくれる。 船は定刻に出航した。 港は見送りの人でいっぱいである(写真9)。 いつまでも手を振ってくれる。 ほんとに充実した3日間であった。 時間があればあと1週間いたい。 スキューバーもやりたかったし、母島にも行きたかった。 でも、宿でのもてなしもそうであるし、ハートロックツアーも 今日のホエールウォッチング&南島上陸ツアーもほんとに心温まる対応であった。 私は、手を振りながら思わず「ありがとう!」と言っていた。 久しぶりの心からのもてなしに感激した。 しかし、それだけではなかった。 10隻ほどの見送り船が手を振りながらどこまでもおがさわら丸を追いかけてくる(写真10)。 船からはジャンプをして水面でも手を振っている。 なんと30分以上ついてくる船もあった。 この温かさが小笠原ファンを作り、多くのリピーターがいるのだ。 私は目の前に広がる海を見ながら楽しかった3日間を思い出していた。 |