2014.07.14 MM 第483号
富士山[7月]〈須走口から〉1 静岡・山梨県
日本百名山 世界文化遺産
山梨百名山 静岡の百山
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2014年7月6日(日) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 富士山須走口5:07発−5:54森林限界付近6:02−6:35瀬戸館[本六合目]6:40−7:20大陽館[七合目]7:25− 7:57見晴館[本七合目]8:02−8:37江戸屋[本八合目]8:42−9:13九合目9:18−9:39須走口山頂[久須志神社] 〈3720m〉 【 登り 3時間59分 】 *コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。 |
須走口の登山口(写真1) | タカネバラがちょうど開花(写真2) |
樹林帯を歩いて行く(写真3) | 眼下に山中湖などが見えてくる(写真4) |
雪が現れるが登山道にはあまりない(写真5) | 雪をどのようにして溶かしたのだろうか(写真6) |
八合目の鳥居はもうすぐだ(写真7) | 須走口山頂に着く(写真8) |
【感想 等】 私は毎年1度、富士山に登っている。 今年はまだ登ったことがなかった須走口から登ることにした。 静岡に住んでいるので、富士宮口なら家から1時間で着くが、須走口は2時間かかる。 また富士宮口は登山口の標高が高く最短時間で登ることができる。 それで多くは富士宮口から登っている。 7月6日(日曜日)は天気予報通りの良い天気だった。 5時過ぎ、出発した。 天気が良くても非常用に、雨具、着替え、ポケッタブルダウンジャケット、軽アイゼン、ヘッドランプ等をザックに詰めて。 水分はスポーツ飲料500mlを3本持つ。 今日は天気が良く、山頂まではっきり見える。 登山口にある山荘「菊屋」はもう開いている(写真1)。 その山荘から少し行った所にはタカネバラが咲いていた(写真2)。 山荘の方が3日前に咲き始めたと行っていたが、前日の雨に当たりしおれかけている。 石畳の上を進んで行くと古御岳神社がある。 小さなおもちゃのような感じの外見である。 鍵がかかっているので中は見えないが・・・。 樹林の中を進んで行く(写真3)。 4つある登山コースの中で、この須走コースの良い所は樹林帯の中を歩けることである。 直射日光が当たらないので暑くない。 また、自然の植生などを観察することができる。 20分ほど歩くと、下山ルート分岐に着いた。 まだ傾斜の緩やかで全く疲れていないのでそのまま進む。 樹林から少し抜け出し覗くと山頂方向が見える。 眼下には山中湖が見える(写真4)。 湖面から蒸発したのか、その上には湖の形に雲が出ている。 まだダケカンバなどの背の低い樹林は続く。 日が当たる草むらには白いかわいい花のシロバナノヘビイチゴが咲いている。 6時近くなり、かなり森林限界に近づいてきた。 そして山道の所々には固まった雪が少し残っている。 6時過ぎ、新六合目「長田山荘」(標高2450m)に着いた。 ここまで来ると結構雪がある。 上の方まで雪は続いている(写真5)。 ようやく森林限界を完全に超えた。 木々に遮られない山を歩くのは気持ちがいい。 南アルプスなどの尾根歩きもそうであるが・・・。 山頂方向や眼下・周りの山々を眺めながら歩く。 目の前に鈴がたくさん奉納してある小さな鳥居と石碑が見えてきた。 石碑は割れてはいるがよく見ると「二十六夜」と読める。 あの山梨百名山の「二十六夜山(メルマガNo.422)」と同じく、 二十六夜月待ちの信仰で、旧正月と7月二十六夜の夜半、月を待って拝むと幸運を得ると言われたことにちなむものだろう。 これは富士山の他の登山コースでは見かけたことがない。 かつてはたくさんの仏教などの宗教的な遺物が点在したであろうが、今はほとんどない。 本六合目の瀬戸館を過ぎ、7時半前に七合目大陽館(標高3090m)に着く。 この「大陽」は太いではなく大きい方の大だ。 真ん中の点が消えたのだろうか、それとも中国語なのだろうか。 日本語ではあまり見かけない表現である。 大きな太陽が見えるという造語なのだろうか・・・。 ここからはかなりの雪がある。 しかし登山道付近の雪は取られていて歩くのには困らない(写真6)。 深さは1.2mくらいはある。 念のため軽アイゼンを持ってきたが全く必要がない。 高山植物も生えてはいるが、雪が解けたばかりなのだろう。 枯れた茎の根元から新芽が伸び始めているところである。 8時少し前、本七合目、見晴館(標高3200m)に着いた。 ここまで来るともう、日本一高い場所である。 歩くペースが極端に落ちてくる人もいる。 そんな中、トレランの軽装で駆け上がる人もいる。 滅多に追い抜かれることはないが、40代の女性にも抜かれた。 8時半過ぎ、本八合目、江戸屋(標高3400m)に着いた。 高山病なのだろうか、ぐったりして登山道脇に寝ている人が目に付く。 ここからは富士吉田からのコースと合流し、登山客が一気に増える。 登りの人だけでなく、前日の土曜日に登り下山する人達とも大勢すれ違う。 そして、4〜5人に1人はフラフラしたり青白い顔をしている。 高山病にかかった人達である。 山小屋の前でぐったりしている外国人も多い。 少し休んだら出発だ。 九合目迎久須志神社まで30分だった。 山頂はもうすぐだ。 リズムカルに一歩一歩確実に歩いて行く。 迎久須志神社から20分、須走口・吉田口の山頂である久須志神社に着いた(写真6)。 「冨士山頂上浅間大社奥宮」の石碑がある。 これは富士宮口の山頂にも同じものがある。 山頂の位置をわかりにくくしているように思うがどうだろうか・・・。 須走口から実質4時間、休憩を入れて4時間半で登ることができた。 天気にも恵まれ、楽しく登ることができよかった。 (次号、お鉢巡りに続く) |
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