2015.01.18 MM 第508号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 

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櫛形山[1月] (くしがたやま 2052m)
[山梨県南アルプス市] 山梨百名山

この山の私の印象等は・・・                                     

「 今年一番乗りで40cmの雪をラッセルして登った 櫛形山 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2015年01月02日(金)


【天候】        快晴


【コース及び時間】

南伊奈ヶ湖P9:14発−9:41[1100m point]9:46−10:29林道10:34−11:04[スパッツ付]11:15−11:45

[軽アイゼン付]11:55−12:03氷室神社分岐[避難小屋]−12:35アヤメ平分岐12:44−13:10櫛形山〈2052m〉

13:22−13:50氷室神社分岐13:55−14:54南伊奈ヶ湖P

      【  登り 3時間16分   下り 1時間27分     合計  4時間43分 】



*コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。
 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。


  
近くの「高下」でダイヤモンド富士を(写真1) 南伊奈ヶ湖の北側の登山口(写真2)
トレースはなく40cmのラッセルだ(写真3) 氷室神社分岐に着いた(写真4)
櫛形山(標高2052m)山頂(写真5) 山頂は富士山方向だけあいている(写真6)
帰りは簡単だ、自分のトレースをたどればいい(写真7) 甲府の街並みが見える(写真8)

 【感想 等】

元日の夜は毎年、南アルプス市の親戚の家にお世話になる。
近くにある富士川町には「高下」というダイヤモンド富士を見ることができるポイントがある。

今年もそこに出かけてダイヤモンド富士を堪能した(写真1)。

その高下の近くで簡単に登れる山を探して見つかったのが「櫛形山(標高2052m)」である。
南アルプス市街から西に20kmほどの所にある。

櫛形山はこれまで3回登っている。
その内2回をメルマガで発信してきた(メルマガNo.108メルマガNo.270)。
いずれも池の茶屋からで1時間もかからずに山頂に立つことができた。
(積雪がない時期は山頂近くまで車で行くことができるのである)


ダイヤモンド富士を見た後、登山口のある県民の森のある伊奈ヶ湖に向かった。
ここならスタッドレスタイヤでなくても行くことができるのではないかと思ったのである。

調子よく車で上がっていったが、最後の数百メートルのカーブに雪があった。
スリップすると困るので仕方なしにチェーンを付けた。

静岡の海岸部は雪が降らないのでこの車用のスタッドレスタイヤは持っていない。
前の車のスタッドレスタイヤは持っていたのでチェーンを付けるのは久しぶりである。

確実な方法で付けようと、ジャッキで車体を持ち上げるとカーブの坂だったのでジャッキが滑って外れてしまった。
そこで思いついたのが登山用のピッケルである。

ピッケルでアスファルトに付いていた固まった雪を取り除き何とかジャッキアップしてチェーンを付けることができた。
南伊奈ヶ湖の北側の登山口に衝いたのは9時過ぎであった。

夏には市民の憩いの場であり櫛形山の登山口として賑わっているが、今日は車もないし、全く人気がない。
県民の森として親しまれている場所なので立派な地図看板もあり、それでコースを確認してからすぐに準備をし出発した。

登山口の標識には櫛形山頂230分と出ていた(写真1)。
建物の間を通り、うっすら雪が積もっている樹林の中の山道を登っていく。

数分歩くと北方向から登ってくる道と合流する。

出発から約30分で標高1100mのポイントに着いた。
「1100m」とプラスティックの板が取り付けられているので、標高がわかりやすくていい。
ペットボトルのスポーツドリンクを飲もうとしたら半分くらいがシャーベットになっていた。
静岡では考えられないが、雪の中では水が凍ってしまうのは当たり前だったことを思い出した。

標高1100mまで来ると樹林の中といえ土が見えないくらい雪が積もっている。
そんな雪にシカの足跡が多数付いている。

その内に1200mのプレートが見えた。
標高100mを10分で歩いて来たことがわかった。

カラマツは葉を落とし快晴の青空がよく見える。
葉がないからであろう、雪は少しずつ深くなってきている。

雪の深さは10cmくらいになったが、歩いた形跡がない。
正月には物好きが登り山頂までのトレースがあると思っていたが、どうやら期待できない可能性が出てきた。

10時半、林道に出た。
物好きの車が通った跡が1台分あった。

林道を横切って登っていく。
10時51分、巨摩高校自然科学部が付けた1600mのプレートに着いた。

雪はハイカットの登山靴と同じくらいの深さの15cmくらいになった。
以前のトレースは残っているので何とか雪が入らなかったが、また山頂まで400m登らなくてはならない。
スパッツを着けることにした。
アイゼンは必要ない。

スパッツを着けて正解だった。
10分も歩かない内にトレースが消え、30cmほど足が潜るようになった。
そこには1700mのプレートがあった(写真3)。

さあ、ここからはルートを探しながら行かなくてはならない。
きっと夏道ははっきりしているのだろう。
道を印す赤いテープはほとんどない。

1700mのプレートから約20分で樹林越の富士山が見えてきた。
今までほとんど展望がなかったのでうれしい。
富士山の後には雲が広がっている。
富士山の手前には富士川と富士川町が見える。

傾斜がやや急になったので軽アイゼンを付ける。
無くても歩けないほどではなかったが、付けなければ帰りには滑って転ぶだろうしアイゼンがあった方が歩きやすいと思った。

それからやや傾斜が緩くなったと思ったら氷室神社分岐に着いた。
ここには避難小屋(ほこら小屋)が立っている(写真4)。

そこには氷室神社からのトレースがあった。
ラッキー、ここからはルート探しは必要ないかも、と思い休まず進む。

葉を落とした木に寄生したサルオガセが垂れ下がっている。

「←池の茶屋登山口90分」の標識まで来ると、トレースは消えていた。
引き返したのだろう。

この辺には樹形が変形した大きな木がある。
それを見るのも楽しい。

12時半過ぎ、アヤメ平分岐に着いた。
標識が雪で半分ほど潜っている。
道は間違っていないようだ。

山頂のようななだらかな場所に出た。
ここが「バラボタン平」だろう。
深さ40cmのラッセルである。

毎年1回は雪に接しようと思っているが、新年から新雪に接することができるとは思っていなかった。
しかもルートを探しながらラッセルしようとは全く想定外であった。

そこから約20分、ようやく櫛形山(標高2052m)の山頂に着いた(写真5)。
無事着くことができ、ほっとした。

いくら3回来たことがあっても、無雪期に山頂付近の池の茶屋からである。

山梨百名山の多くがそうであるように、この櫛形山も富士山方向の木々が切られ富士山がよく見える(写真6)。
額縁に入れた素敵な富士山である。
うれしいような少し複雑な気持ちではある。

時刻は13時を回った。
家族を乗せて家に帰る時刻が近づいてきた。
急いで下山しないとならない。

下りは自分のトレースがあるので道を探す必要もないし、ラッセルもいらない。
木に寄生したサルオガセが垂れ下がっているのを写真に収めた(写真7)。

氷室神社分岐まで30分もかからなかった。
トレースの付いた雪道はすいすい歩くことができ気持ちがいい。

右手には甲府市やその向こうに連なる奥秩父や奥多摩などの山々が見渡せる(写真8)。

14時半前、林道を横切った。
南伊奈ヶ湖まではあと少しである。

15時少し前に駐車場に着いた。
登りは3時間以上かかったが、下りは1時間半もかからないで下りることができた。

正月から雪に親しむことができ、ラッセルまでできて良い山歩きができた。

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ご活用ください。

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