2015.04.23 MM 第518号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 

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青根ガ峯(あおねがみね 858m) 奈良県吉野町 世界遺産 吉野山

この山の私の印象等は・・・                                     

「 念願の吉野ザクラを堪能した 青根ガ峯(吉野山) 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2015年4月10日(金)


【天候】        雨


【コース及び時間】

10:17西河バス停−10:32蜻蛉の滝−11:22/27−12:07白倉山分岐12:14−12:22青根ガ峯〈858m〉12:27

−12:40金峯神社12:50−13:16吉野分水神社13:21−13:23花矢倉展望台13:30−13:54蔵王堂14:20

−14:31ケーブルカー乗り場−14:45近鉄吉野駅


      【  登り 1時間53分  下り 1時間30分  合計 3時間23分 】



*コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。
 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。


  
西河バス停で下り交差点を左折(写真1) あきつの小野スポーツ公園から入る(写真2)
蜻蛉の滝の寄る(写真3) 青根ガ峯(標高858m)山頂(写真4)
金峯神社は三分咲き(写真5) 吉野分水神社は満開(写真6)
上千本(花矢倉)からの展望(写真7)  蔵王堂では法要が(写真8)

 【感想 等】

多くの日本人の心の花、桜。
その桜を神木として保護し寄進や献木が行われてきた吉野山一帯。
7世紀、役行者が大峰山で修行した時に金剛蔵王権現を桜の木に刻んだ事から始まるという。
行者達は師に習い、民衆を救う金剛蔵王権現を桜の木で彫刻し祭る習わしになり、桜の木がご神木になったという。

そんな吉野に桜の時期に行きたい、行きたいと思っていた。
桜の中心の時期は4月上旬から中旬まで。
楽しむには退職してから4月の平日に行くしかない、と思っていた。

そのチャンスがやっとやってきた。
ただ、大賑わいの中、観光客と一緒に桜を見るのはつまらない。

いくら吉野山歩きでも、観光客が歩く一般的なコースでは登山とはいえない。
それで、かつて歩いた「大峯奥駆道(メルマガNo.153)」を逆から歩き吉野のサクラを楽しみたいと考えた。
奥千本に入るには、西側の地蔵峠から入るか、東側の西河から入る。

ちょうど調べていたら近鉄大和上市から西河に行くバスがあることがわかった。
じゃあ、西河→青根ガ峯→奥千本→上千本→中千本→下千本→吉野駅、と歩こうと決めた。
標高によるサクラの咲き方の変化を楽しみたいと思った。

行く日を決め宿や乗り物を予約し、行く時が近づくとどうも天気が良くないのがわかってきた。
行く日を変更することもできた。
しかし、せっかく関西に行くのでと、友人と会う約束も入れていたので変更することを諦めた。


その日は、4月10日(金)。
吉野にある近鉄大和上市に着いたのは9時過ぎであった。
西河へのバスは1日4本である。

登山者で9時過ぎの電車で下りたのは私1人であった。
雨なので行く人がいないのだろう、と思っていたら次の電車で神戸の6人組が下り、ぎりぎりの電車で2人組が下りた。
バスの発車は9時54分である(これを逃すと次は13時25分である)。

駅前にはコンビニもなく、彼らと世間話をして過ごす。
バスは定刻に出発し、6人組は宮滝で下り、直接上千本に向かった。
私と2人組は10時15分、西河で下車した。

地図を見ると「五社トンネル」南から入って行く。
バスの中で雨合羽を着ていたのですぐに出発した。

バス路線の国道169号線を戻るように歩いて行くと横断歩道に「世界遺産 大峯奥駆道 蜻蛉の滝登山口」とある(写真1)。
左に曲がり入って行くと、「もくもく館」と「てくてく館」がある。
その先には駐車場とトイレがあるが、車は2台止まっているだけである。

右側にある公園の満開のソメイヨシノを見ながら舗装道を歩いて行く。

バス停から10分ほどで蜻蛉の滝入口の「あきつの小野公園」に着いた(写真2)。
ここのサクラも満開である。
特にしだれ桜がきれいであった。
こんな感じで吉野ザクラが咲いているのだろう、と期待一杯である。

そのまま林道を通れば早いがせっかくなので滝に寄ってから青根ガ峯に向かうことにする。
もしかすると、満開のサクラと蜻蛉の滝かもしれない、という期待を込めて・・・。

階段を上がっていくと「蜻蛉の滝」があった(写真3)。
水量も多く、きれいな滝である。
ただ、サクラや他の花は全くなかった。
夏なら清涼感一杯でもっと感激しただろう。

滝の上を通って林道に出る周遊路を通る。
小さな吊り橋を通り、杉林を通って10時50分、舗装された林道に出た。

しばらく歩くとピンクのミツバツツジが咲いている。
林道に出てから5分で林道は終わり、細い山道に入った。
右手に沢(音無川)を見ながらゆるやかに登って行く。

「マガリ谷口」を過ぎ、杉林の中を進んで行く。
蜻蛉の滝から約1時間、ようやく音無川と別れ山の斜面を登っていく。

12時過ぎ、白倉山分岐に着いた。
蜻蛉の滝から白倉山を経由してここに出る道もあったが、今回は音無川沿いの道を選んだ。

ここには林道が通っている。それを、横切って青根ガ峯に向かう。
標識に「青根ガ峯0.8m」の表示がある。

鉄の梯子を登り、数分で青根ガ峯(標高858m)であった(写真4)。
写真のように木々に囲まれ展望はない。

ここは大峯奥駆道である。
木の御札が松の木の根元に置かれている。
9年前の夏に歩いた時の記憶がよみがえってきた。
その時は1日目からハプニングに富んだ縦走であった。

少し休んですぐに吉野方向に向かう。
この周辺はサクラのサの字も見えない。
緑一色である。

ガスがで始めた道を金峯神社に向かって下っていく。
ここまで来る人はあまりなく、1人と出会っただけである。

西行庵への分岐にある東屋まで来ると多くの人がいた。
雨なので東屋で休んでいる。
私も休みたかったが一杯だったので諦め先に進むことにした。

この時期、西行庵まで行く人が多く一方通行になっている。
ここまで来てもサクラの花は見えない。
1ヶ月かけ山を登るサクラの花もここまでは来ていないようである。

12時40分、金峯神社に着いた(写真5)。
吉野山では初めてのサクラとのご対面である。
2分咲きくらいだ。

ここは奥千本。
しだれ桜が1本。
雨に打たれて咲き始めている。

説明に寄ると、「金峯」というのは大峯山にかけての総称だという。
また、金峯山は仏教の黄金浄土という観念から生まれたものだという。
ここから本格的な奥駆道に入っていくのである。

金峯神社に参拝し、上千本に向かって進む。
道の左側にある支尾根には木々を切り、桜の苗木が植えられている。
今もご神木の桜の苗を寄進し供養しているのである。

花も2分咲きであるがまだ若木であり、サクラの花で埋め尽くすようになるには10年以上かかるだろう。

13時過ぎ、高城山に寄ったがたいした展望は得られなかった。

その先には分水神社があった。
境内に1本だけ桜の木があり、花は少ないがほぼ満開であった(写真6)。
このしだれ桜は神社にマッチしていてなかなかいい。
しばらく眺めていた。

この辺まで来ると、かなり観光客が増えてくる。

外の鳥居の所にある桜も満開である。
満開はこの辺、上千本まで上がってきているということがわかる。

それから「花矢倉展望台」に寄る。
なかなか良い展望台で眼下にたくさんの満開になった桜が見える。
まさに一目千本である(写真7)。

時々ガスがかかり、余計に幻想的になる。

観光客が多いのにはびっくりである。
上下雨合羽に、防水加工の登山靴を履いていても少し湿ってきている。
雨笠だけで普通の格好で多くの観光客が歩いている。

十分楽しんだ後は、展望を楽しみながら吉野に下っていく。
多くの桜はシロヤマザクラだという。
それらは同じ色ではなくいろいろな色をしているところがすばらしい。

14時近く、金峯山寺蔵王堂に着いた。
この辺、中千本はもう満開を過ぎ葉桜になりつつある。
境内では雨に濡れながら法要だろうか、儀式を行っていた(写真8)。
弓矢を放ったりホラ貝を吹いたりなかなか見応えがあった。

14時半、ケーブルカー乗り場に着いた。
平日というのに中千本は人が一杯である。
団体客も多い。

私はケーブルカーに乗らず、桜や木々を見ながら下る。
観光客も1/3くらいの人は桜を見ながら舗装道路を下っている。

1週間早ければこの辺が満開だっただろう。
葉桜になりつつあるが、ピンク、黄緑、白などが混じり合った山の色はすばらしい。

14時45分、近鉄吉野駅に着いた。

平日の雨といえども、10日間くらいの桜のピーク時期。
観光客は多かったが、時々ガスがかかり幻想的な桜の山々も見ることができた吉野山であった。
また、咲き始めの奥千本、満開の上千本、満開を過ぎ葉が出始めた中千本、下千本と変化を楽しむことができた。

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