2015.05.11 MM 第520号
高草山 [石脇コース・坂本BAコース] (たかくさやま 501m)
静岡県焼津市・藤枝市 静岡の百山
この山の私の印象等は・・・
「 お茶の若葉を楽しんだ 焼津アルプス主峰[高草山] 」
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2015年4月26日(日) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 13:33石脇観光トイレ-13:38風口坂-13:41石脇登山口-(石脇コース)-14:06展望所ベンチ-14:20坂本A 分岐-14:25坂本B分岐-14:31高草山〈501m〉14:41-14:48坂本B分岐-(坂本Bコース)-15:05笛吹段公園 -(坂本Aコース)-15:29林叟院駐車場 【 登り 58分 下り 48分 合計 1時間46分 】 *コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。 |
かつてはここをみんな通った「風口坂」(写真1) | シャガが満開である(写真2) |
焼津アルプス東尾根が見えてくる(写真3) | お茶摘みが始まった(写真4) |
高草権現に塩と米が供えてある(写真5) | 3本が枯れてきている(写真6) |
手作りの標識が坂本Bコース(写真7) | 高草山で一番お茶畑があるところかも(写真8) |
【感想 等】 4月下旬に、焼津アルプス主峰、高草山に登った。 5月2日が八十八夜である。 茶摘み歌の「♪ 夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る・・・」の八十八夜が近づいていた。 山がお茶の若葉の緑色に染まってきた。 私はそんな新緑の山の中を歩くのが大好きである。 これはお茶所の里山だけに許された贅沢であると思っている。 お茶農家も高齢化し、年々放置された茶畑が増えてきている。 そんな中でまだある程度耕作されているところが高草山の中腹、笛吹段公園周辺である。 それで、市内や駿河湾を見ながら登る「石脇コース」から登り、「坂本Bコース」を下り笛吹段公園の横を通り「坂本Aコース」を下りることにした。 13時半過ぎ、石脇観光トイレ前を出発した。 いつもは観光トイレを左に見ながら農道を上がっていくが、今回は観光トイレを右手に見ながら集落の中の道を登っていく。 農道ができる前はここが唯一の石脇コースの道であった。 また、花沢に通ずる中腹の道であった。 民家を過ぎるとミカン畑になっている。 4月下旬の今頃、収穫している人達がいた。 見た感じは甘夏であるが、甘夏は普通3月に収穫する。 尋ねると「スルガエレガント」だという。 ブンタンと甘夏を交配してできた静岡特産の柑橘類であるが、今はいろいろな雑柑ができ見かけることが少なくなっていた。 さすがプロ農家の柑橘類である。 家のものよりサイズの揃っていて生き生きしている。 出発から5分で風口坂である(写真1)。 小学生の頃よく通ったが、花沢に行く時、高草山の登る時、夏場は涼しい風が通り抜ける気持ちがよい場所であった。 今は上を農道が通り、周りをコンクリートで固められ昔の感じはあまり残っていない。 写真でも少しわかるように春先の花、シャガが澄まし顔で咲いている。 カトレアに似た素敵な花なので庭隅に植えたいと母に話したところ、大変強い花ですごく増えるからやめるように言われたことを思い出す(写真2)。 トンネルを越え登って行くと正面に焼津アルプス東尾根が見える。 かんぽの宿から花沢山に続く尾根である。 道に目をやると、江戸時代の石造りの道標がある。 その上には野生だろうか、フジに花が咲いている。 その先に高草山石脇登山口がある。 少し登るともっと焼津アルプス東尾根がはっきり見えてくる(写真3)。 今立っている高草山と東尾根の間を4本の主要幹線が走っている。 東側(海側)からJR東海道本線、JR東海道新幹線、国道150号線、東名高速道路。 これらはすべて焼津アルプスを貫き、静岡市に抜けている。 やがて焼津市街や焼津港が見えてくる。 春霞でやや霞んでいるのが残念である。 登山口から10分ほど登ると農道に出た。 そこではおばあさんが手動のはさみでお茶を刈っていた(写真4)。 聞くと、明日からは家族みんなで機械で刈るが、今日は自分1人ではさみで刈るという。 隣の茶畑は枝が伸び放題に放置してある。 いつまでも元気でお茶作りをしていただきたいものである。 14時過ぎ、いつも休憩する展望所ベンチに着いた。 今日は疲れていないのでそのまま登ることにした。 伸び放題の茶畑の中の道を登っていく。 市街がより見えてきた。 サッポロビール静岡工場もよく見える。 サッポロビール静岡工場ができたばかりの頃には、「市民感謝デー」と称し、 安価で出来たての生ビールが飲める日があったのは 今日のような新緑の5月の日曜日であった。 その後は敷地内のレストランも閉鎖されてしまった。 残念なことである。 登って行くと花沢山が大きく見えてくる。 そして坂本コースA、坂本コースBと合流する。 ここまで来れば、高草山山頂のTV塔が見えてくる。 急な階段「心臓破りの坂」を登れば山頂である。 14時半、高草山の山頂に着いた。 今日は山頂にある高草権現に塩と米がお供えしてある(写真5)。 何か特別な日なのだろうか、それともお祭りごとがあったのか・・・。 北東方向に目をやる。 やはり、今日は富士山は見えない。 しかし、その下にある杉の木3本が枯れている(写真6)。 2月28日に登り、その時「ゆくゆくは木が大きくなり富士山が隠れてしまう」と書いたが不思議なことに枯れている(メルマガNo.515)。 虫にやられたのか、だれかが枯らしたのか・・・。 他の木達が元気に青々しているのにこの3本だけ異様である。 里山である焼津アルプスはほとんどの土地に所有者がいる。 その所有者か許可を取った人が枯らすための方法を取ったのならいいが、 写真を撮ったり景色を見るために登る愛好家がしたのであれば良くないことである。 山梨県の多くの山は山頂付近など富士山が見えるように木を伐採してある。 展望優先の考えもあるが、手続きを踏む必要がある。 そんなことを考えてしまった。 午後の2時半ともなると人の声が聞こえない。 この山頂では、1人だけ離れたところにあるベンチに座って休んでいる人がいる。 東側の手すり下にはツツジが満開になり濃いピンクや薄桃色に咲いている。 目を少し上に上げ、霞んだ焼津港を眺めながら休む。 少し霞んだ港町の展望もいいもんだ。 私は深田久也の名言を少し変えさせていただき、「一つの頂きに百の喜びあり」と言ってきているが 一つの山にはいくつもの楽しみや喜びがある。 今回の主な楽しみはお茶の新緑である。 そしてリフレッシュと体力維持。 午後少し時間ができたのでやってきた。 さあ、下りるとしよう。 下りは笛吹段公園付近の茶畑を見るため、「坂本Bコース」で下り、公園上から公園横を経由して「坂本Aコース」に出る。 そして林叟院に下る。 山頂から2分ほど行ったところのモミジの木は元気か見て見よう。 元は大きめのクマササが茂っていた。 そのクマササを切りモミジの苗木を植えてある。 まだ背丈は50cmくらいで、小さいので支柱をしてあるが、幼木は雑草に埋まりそうである。 キスミレもそうであるが、下草を刈って初めてかわいい花々が咲く。 これもどなたかが世話をしてくれていて、ありがたいことである。 10年後には紅葉がきれいな場所になるだろう。 山頂から数分で坂本Bの分岐である。 手作りの焦げ茶色のペンキを塗った板に「坂本へ」と書かれた標識がある。 少し消えかけているので書き直すとよいと思うが、勝手に私がして良いものか・・。 正面に焼津市街を見ながら下る。 遠くが霞んでいるので、東名高速道路が天に向かって伸びている感じだ。 ホトトギスやその他の鳥の鳴き声が聞こえる。 春爛漫といった感じである。 少し下ると、農道を横切ったところに「坂本」を書かれた手作りの標識がある(写真7)。 前からそこにあるが、細い木の棒で固定されていて、よく壊れないものだと感心する。 若草色の茶畑を見ながら下る。 いつも新茶が出て少し安くなるとすぐ買って新茶を味わうが、今年はいつ飲めるのだろうかなどと考える。 (5月8日、注文しておいた新茶が入荷したと連絡があり、すぐもらいに行き昨日味わった。この緑臭さが好きである) 山頂から約30分で笛吹段公園であった。 公園には4台の車が止まっていて、リコーダーを吹いたりだべったりして楽しんでいる。 私は公園周辺の新芽の茶畑を何回も何回も場所を替え方角を替え眺めた(写真8)。 この新茶の緑を目に焼き付けるように・・・。 そして公園横を通り、「坂本Aコース」に向かった。 標識通り左の茶畑の中を歩いて行くと「沢コース」である。 まっすぐ行って尾根を進むと「尾根コース」である(ここには標識はないので注意)。 私はもう少し展望を楽しみたくて「尾根コース」を通る。 ここでもいろいろな角度の新茶の緑を楽しむ。 竹林の中にシャガが咲いている。 数分で沢コースと合流する。 そして合流から5分で林叟院である。 少し下れば林叟院駐車場だ。 天候にも恵まれ、お茶の緑を楽しんだ2時間であった。 |