2015.10.04 MM 第538号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 

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富士山[9月](ふじさん 3776m) 静岡・山梨県 日本百名山山

この山の私の印象等は・・・                                     

「 9月下旬のシルバーウィークでも弾丸登山がいっぱいだった 富士山 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2015年9月20日(日)


【天候】        晴れ


【コース及び時間】

富士宮口P5:37出発-6:28新七合目6:33-7:05元祖七合目7:10-7:38八合目7:42-8:11九合目8:17-

8:38九合五勺8:43-9:10浅間大社奥宮(富士宮口山頂)9:20-9:33剣ヶ峰〈3776m〉9:41-(お鉢巡り)-

10:10須走口・吉田口山頂[久須志神社]10:20-10:38御殿場口-11:13小屋跡11:20-11:29赤岩八合館-

11:38分岐-富士宮ルート八合目小屋付近-(ブル道)-12:10七合目12:18-12:43六合五勺12:48-

12:54富士宮口P


     【 登り(富士宮ルート) 3時間20分  お鉢巡り 47分  下り 1時間56分     合計 6時間3分  】



*コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。
 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。



  
六合目からは通行禁止だ(写真1) 眼下に愛鷹山塊が見えてくる(写真2)
宝永火口周辺が見える(写真3) 八合目の賑わい(写真4)
浅間大社奥宮(富士宮口山頂)(写真5) 剣ヶ峰はもうすぐだ(写真6)
旧富士山測候所(写真7)  火口の向こうに剣ヶ峰が見える(写真8)
   
御殿場口山頂にも通行止めの表示が(写真9)  紅葉を楽しみながら下山(写真10) 

 【感想 等】

今年の夏は天候が不安定であった。
家から1時間半の位置ある富士宮口から登ること決めていたがなかなか私の行くことのできる日と天候が合わなかった。

それで9月下旬のシルバーウィークになってしまった。
今年のシルバーウィークは5日間と長く、しかも天候に恵まれた。

私は2日目の9月20日に登った。
その前日、天気を確認してインターネットで登山届けを静岡県に提出した。
「登山計画書」電子申告サービスは登る山域を3つから選ぶ方式であった。


昨年のシルバーウィーク、槍ヶ岳に登るのに肩から3時間かかった、という話を聞いていた。
(後でわかったことであるが、全国の有名な山や山小屋で最高の混み具合だったようである)

私は地元静岡に住んでいて、これまで紹介してきたように5月から11月に富士山に登っている。
日本一高い富士山は、例年9月には雪が降り、8月でも夜は平地の冬と同じくらい寒い日もある。


それらのことを知ってか知らないか知らないが、富士宮口の駐車場はほぼ満車であった。
ちょうど空いた登山口近くに車を止めることができたのはラッキーであった。
夜登山口に着いてから朝出発するために仮眠を取ったのであるが、
夜から早朝まで絶えず山頂へ向けて出発する人が絶えなかった。

この時期、トイレも閉鎖されているし、山小屋もやっていない。
私は快適の登るために、滅多に夜間は歩かない。
明るくなって、トイレを済ませてから登る。


今回も5時半過ぎ、歩き始める。
五合目の登山口周辺も紅葉が始まっていた。

少し上がったところにある公衆トイレは開いていた。
山頂へのコースが閉鎖されると閉まっていることが多かったが、開いているならこちらを使えば良かった。
(私はレストハウスの2つしかないトイレをお借りした)

溶岩が固まったゴツゴツした道を登っていく。
愛鷹山塊の上の空に淡いオレンジ色の線ができている。

今の時期、日の出はちょうど5時半過ぎである。
この時間に登り始める人も多い。

それらの人を追い抜いて登って行く。
決して無理をしているわけではない。
自分のペースを守って登って行く。
と言っても、雲海荘までは宝永山までのルートと同じであり、山腹を巻くように少しだけ高度を上げる。

10分余で六合目雲海荘に着いた。
6人ほど休んでいたが、そのまま登って行く。
宝永山との分岐に「通行禁止」の頑丈なゲートがあった(写真1)。
世界遺産になってからか、今まで見た中では一番頑丈そうなゲートである。

そこには登山禁止について日本語だけでなく、英語、ハングル、韓国語などで書いてある。
これから先に行く人は柵を越えて登るのかなと思ったら、トイレの右に細い通路がありそこから上の山道に繋がっていた。

いよいよ本格的な登りである。
小屋から10分ほど登ると、右手に宝永山が少しずつ見えてくる。
火山灰の荒れた山肌にわずかにある草が黄色く色づいている。

新七合目が近づくと愛鷹山塊が大きく見えてきた(写真2)。
少し左側を見ると箱根の山から噴煙が上がっているのが見える。

大きなごろ石の中を登っていく。

6時半前、新七合目に着いた。
10人ほどが休んでいた。
まだ2800m以下であるが、もう「頭痛がする」という声が聞こえてきた。
それではとても山頂に到達することはできない。

今日は晴れてはいるが、比較的雲が多く、暑さがなくていい。
数分休んで、出発した。

子どもを連れた家族もいる。
弱い子どもはもう大変そうである。

7時過ぎ、元祖七合目に着いた。
調子は上々である。
歩いている感じは昨年と変わらない。
私は毎年富士山に登り、体力の確認をしている。

溶岩が固まった跡を登って行く。
火山性の砂礫の中に生える草が山吹色に色づいている。

ブル道の向こうに宝永山が顔を出した。
やがて火口周辺も見えてきた(写真3)。

八合目小屋はもうすぐである。
シーズンオフは多くの小屋が看板共々冬に備えかたづけてしまい、何合目であるとか小屋の名前が分からない。
この八合目はテラスの下に鉄板で頑丈に作られ書かれているのでわかりやすい。

7時半過ぎ、八合目に着いた。
多くの登山者が休んでいる(写真4)。
歩きながら上部を見てきたが、こんなに登山者がいたとは思わなかった。

小屋から少し上がったところに白い小さな地蔵が安置されているのに気づいた。
誰が置いたのか、前にはなかったものである。

眼下に雲が湧いてきている。

8時過ぎ、九合目萬年雪山荘に着いた。
ここには4人しか休んでいなかった。
八合目から登ってきている人も数人である。

8時半過ぎ、九合五勺に着いた。
1人がベンチで寝て休んでいる。

山頂のバイオトイレや頂上富士館が見えてきた。
そして空にも秋の鱗雲が出てきた。

九合五勺胸突山荘から15分ほど登ると、岩につららが付いているのが見える。
標高は3600mくらいだろう。

9時過ぎ、浅間大社奥宮(富士宮口山頂)に着いた。
駐車場の車の数や八合目の賑わいが嘘のように静かである(写真5)。

ちょうど、奥宮から荷物を出し閉めるところであった。
展望を楽しみ、少し休んだら剣ヶ峰に向かおう。

何回も見ている剣ヶ峰(写真6)。
年々割れ目が大きくなっているように思うがどうだろうか。

富士山でもっとも大変な最後の登り、とても急坂であるが今回は歩きやすく感じた。
この「馬の背」は標高差80mある。
滑ることが多いが、今回はあまり滑らなかった。

9時半過ぎ、剣ヶ峰(標高3776m)に着いた。
山頂には10名ほどがいた。
この人数だと「日本最高峰富士山剣ヶ峰」の標柱に列はできていない。
私もその前で写真を撮っていただく。

天気は快晴になっている。
測候所跡の建物も澄んだ空の下、ロケットの残骸のように佇んでいる(写真7)。

目をその下に移すと、入口の近くに5cmほど水がたまり氷が張っている。
はやり夜には零下になるのだ。
例年、この頃に初冠雪もある。


富士山火口の周りを一周しよう。
少し戻ってから一周のコースに入る。
前より道が良くなり歩きやすくなった感じがする。

この火口を一周することを「お鉢巡り」というのであるが、お鉢の縁を回る感じなのでそう言うと思っていたが
富士八峰、この富士山頂には8つの峰がありそれらに神仏を祭りそれを参拝して回ったからと言う話も聞いたことがある。

なだらかな「安西の河原」を歩いて行く。
火口側には柵が設けられ「危険立入禁止」の看板が付けられている。
英語、中国語、韓国語でも書かれている。

本栖湖だろうか、湖が見えてきた。
富士山からの展望も富士山に登る楽しさの1つである。

やがて第2火口(小内院)が見えてきた。
中心の火口(大内院)に比べたら小さな火口である。

剣ヶ峰の下の方に雪渓がまだ残っているのが見えてきた。
もうすぐ雪が来るからこの雪は万年雪になるのだろう。

久須志神社の下の岩にはたくさんのつららが見える。
隙間から水分が少しずつ流れ出てそれが凍っているのだろう。

剣ヶ峰の反対側に来た(写真8)。

10時過ぎ、久須志岳(薬師岳、3720m)に着いた。
ここには立体的な方位盤が設置されている。

10時10分、須走口・吉田口山頂[久須志神社]まで来た。
この時間、吉田口から登ってくる人は結構多い。
ここには閉まった3つの小屋があるが、その前で休憩している人もいる。


雲が湧いてきている。
その雲を見ているのも楽しい。

今回は御殿場口から下り、宝永山を経由して富士宮口に戻るという計画を立てた。
ただ、地図や時計を置いてきてしまった。
時刻はスマホを見て歩いているが、地図は記憶が頼りである。

成就岳の横を通り、歩いて行く。
この富士山お鉢の西側はいつも風が強い。
体が飛ばされそうになることもあるが、今日はそこまでの強さはない。

しかし、薄い長袖では寒くなったのでフリースを出して着る。
伊豆ヶ岳を過ぎ、朝日岳の左を通り抜ける。

10時半過ぎ、御殿場口に着く(写真9)。
ここには「銀明水」という御霊水があるが今は飲むことができないのが残念である。

お鉢を一周してきたのであるが、十分な説明板がないのが残念である。
ここ山頂には「山頂の信仰遺跡群」という富士山世界遺産があるが、知らない人にはそれらが全く分からない。
(帰宅後、担当部署にその旨を伝えた)


ここからすぐに下山を開始した。
少し下った所の溶岩が流れた跡が好きである。
その色が変わった地層を見ることができる。

30分余下ると、小屋跡がある。
世界遺産になったことであるし、他の小屋とは違った現代的な小屋を作ってもらいたいものである。
(ハードルは高いとは思うが・・・)

11時半、赤岩八号館に着いた。
少し下ると富士宮ルートに向かい道があった。

(これが宝永山に行く道かなぁ)と進んで行く。
3分ほど進むと富士宮八合目小屋が見えてきた。

あ~違った。
もう1つ下だった。

かつて歩いたことを思い出した。
七合目と六合目の2ヶ所に道があった。
毎年登っているのである。
次回来た時にそこを通ればいい。

すぐにブル道に出たので草モミジを見ながらそこを下ることにした。
今までとは少し変わった景色を見るのも楽しい。
一面黄色く色づいているところもあった(写真10)。

12時過ぎ、七合目小屋に着いた。
ペットボトルのゴミが3つ落ちている。
残念なことである。

ガスが下からここまで上がってきた。

ここから下はまだ青く紅葉していない草もある。

六合目小屋まで来るとさすが人が多い。
宝永山へ向かう人達があるからである。

この小屋まで来て帰る人もいる。
13時少し前、登山口に着いた。

駐車できない車が駐車場前をゆっくり走っている。
私は急いで着替えそこを後にした。

秋空の元、ほとんど汗もかかず気持ちよく歩けた富士山であった。


今回、何よりびっくりしたのはこの時期でもお昼頃に山頂に向かう人がいることである。
登り始めるのは夜中だけではないのだ。
今の時間に登れば下に降りるのは日没後である。


心配になり何人かに声を掛けてみた。

「山頂に行きます」と言った60代の単独行の人。

「行ける所まで行って降りる」と言う人もあった。

空身で登ってきた腰の曲がった70代のおじいさんは「七合目小屋まで行って下る」と言う。
行くことができるのか心配であった。

60代の女性が「眠い、眠い」とつぶやきながら降りていた。
「どうしたんですか」と声を掛けると、0時から登り始めたのでとっても眠い、と言うことであった。
降りたら少し眠るといいですね、と言って抜かしていった。


今年のSWは全国で天候に恵まれ、大きな遭難や事故がなくて良かった。
軽い気持ちではなく、非常時に対応できるように準備して登りたいものである。

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