2015.11.20 MM 第543号
鶏冠山(とさかやま 2115m)・西沢渓谷 山梨県山梨市 山梨百名山
この山の私の印象等は・・・
「 山梨百名山で最難関だというだけあって十分楽しめた 鶏冠山+西沢渓谷 」
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2015年10月18日(日) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 西沢渓谷P6:29発-6:40観光トイレ6:46-7:00鶏冠山登山口-7:17/22-7:59/8:04-8:41/46-9:07第1岩峰- 9:31第3岩峰下9:40-(迂回路)-9:52合流-10:13鶏冠山ピーク10:22-10:35分岐-10:37鶏冠山第3岩峰 〈2115m標柱〉10:52-10:30/35-12:08/13-12:48出合12:53-13:02鶏冠山登山口-14:05西沢渓谷終点 「滝の上展望台」14:12-15:06観光トイレ15:11-15:24西沢渓谷P 【登り 3時間39分 下り(西沢渓谷経由) 4時間5分 合計 7時間44分】 *コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。 |
二俣吊橋から鶏冠山が見える(写真1) | 西沢渓谷の二俣吊橋を渡ったところに登山口(写真2) |
鶏冠谷出合で渡涉する(写真3) | 第1岩峰下からの展望(写真4) |
第2岩峰を行く登山者(写真5) | 最高点と思われる場所からの富士山(写真6) |
第3岩峰には標柱が立っている(写真7) | 逆光に光る紅葉を眺めながら歩く(写真8) |
「龍神の滝」もなかなかいい (写真9) | 「旧トロッコ道」を行く(写真10) |
【感想 等】 「鶏冠山」 山梨百名山で最も難関の山の1つである。 ヤマケイの『奥多摩・奥秩父』や『山梨県の山』にもこの山の紹介は出ていない。 山梨日日新聞社の『山梨百名山』にもサブタイトルに「渡涉、岩稜の連続するハイレベルのコース」とある。 本文にもかなり大変なことが書かれていてこれまで躊躇していた。 そのため、鶏冠山を最後に残してしまっていた。 ただ、これまで多くの人が登りかなりの踏み跡ができているとも思った。 西沢渓谷の紅葉と共に楽しもうという、欲張りの計画である。 また、前日登る予定であったが、土曜日は天気が崩れるという予報であったので、他の山と入れ替えて天気が回復した本日にした。 不安も大きかったので、2万5000分の1地形図を用意し、調べた歩行コースを書き込んで持参した。 6時過ぎ、登山口の西沢渓谷の駐車場は閑散としていた。 6時29分、出発した。 トイレに寄ろうと探したが見つからず、バス停の所には「1km先」とある。 (多くの人が利用するバス停には最低トイレを作って頂きたいものである。 車両通行止めのゲートを通り、林道を歩いて行く。 渓谷上の山にも日が当たってきて、紅葉した木々の葉が鮮やかに光ってきた。 10分ほど歩くと「なれいの滝」がある。 まだここの紅葉はそれほど進んでいない。 10分余で「ネトリ橋」近くにある観光トイレに着いた。 用を足し、橋は渡らずにまっすぐ進んでいく。 2分ほどで「甲武信ヶ岳登山口」に着く。 かつて正月に登ったことがある(メルマガNo.66)。 西沢渓谷も、2月の厳冬期を含め数回来ているが、最近では昨年5月に歩いた。 ここまで来ると日に照らされた鶏冠山が木々の上に見えてくる。 散ったばかりの黄色のカエデがある。 渓谷との距離も縮まり林道のすぐ下を流れている。 甲武信ヶ岳への徳ちゃん新道への分岐を過ぎると山道になる。 そして数分で「二俣吊橋」を渡る。 沢の向こうに、これから登る鶏冠山がもっとはっきり見えてくる(写真1)。 そして、吊橋を渡ったところに鶏冠山の登山口はあった(写真2)。 (七ツ釜五段の滝へ行くのに何回もここを通っているので知ってはいたが・・・) 沢沿いのなだらかな道を登っていく。 数分で「鶏冠谷出合」に着く(写真3)。 鶏冠谷を渡るのであるが、ここがこのコースの唯一の渡涉箇所である。 川幅は約5m、石が飛び飛びにあり靴を脱がなくても何とか川を渡ることができた。 もう少しでも水かさがあったら無理であった。 目印があり、対岸のコースはすぐわかった。 初め、鶏冠谷の岩の沢を少し登り、左にある登山道に入っていく(標識あり)。 きれいな苔が生えている。 また、シャクナゲの木がたくさん生えている。 なだらかな登りの中、色づいた落ち葉や木々の紅葉が目を楽しませてくれる。 やがて道は急になり、ロープも現れる。 登山口から1時間半ほど登ると展望が開けてくる。 急登の中、2つ目の岩を越える。 そこからは甲武信ヶ岳や雁坂嶺など周辺の山々が見える。 西沢渓谷も手に取るように見ることができる(写真4)。 先端だけ雪を被った富士山も山の陰から少しだけ顔を出している。 富士山の手前の山は乾徳山だろう。 そして、目の前に10mほどの急な岩が出現した。 鎖をたよりによじ登る。 晴れている日を選んで良かった。 ここが第1岩峰だろう。 『山梨百名山』の本に「岸壁の基部に第1岩峰と書かれた小さな指導標がある。」と書かれているがわからなかった。 ほんとうに四方八方が見える良い景色である。 登り切ると第2岩峰、第3岩峰、山頂などが見えてきた。 先へのコースがわからない。 ペンキ印や指導標識はない。 この岩を越えていくのか、回り込む別のルートがあるのか・・・。 回り込めるルートもなさそうである。 ということはやせた岩の上を越えていくしかないだろう。 第2岩峰を歩いている2人組が見えた。 初めて会う登山者である(この日はこの2人組以外に会った人はいなかった)。 せっかく先方に登山者がいる(写真5)。 声を掛けてみよう。 「こんにちは。この岩沿いにすすむんですか?」 「そうだよ。」 よかった、判断はあっている。 慎重に3点確保で、岩(第2岩峰)の上を通過する。 しゃくなげの中を下るとまた岩の大きな壁である。 ここはもっと大きな岩壁で、手強そうである。 「第3岩峰迂回路」というプレートが付けられている。 この上が第3岩峰で、そこに「山梨百名山」の標柱が立っている。 時刻は9時半。 無理して登ることはない。 少し休んでから、迂回路を通ろう。 その迂回路もロープで下ったり登ったりでそれほど楽なコースではない。 10分余で尾根に出た。 尾根を少し戻れば第3岩峰で、この先の木賊山方向に進めば鶏冠山の山頂である。 すぐに見つかると思ったピークもなかなか見つからず20分ほど歩くとその辺りでは一番高い地点に着いた。 そこは樹林を出た展望の良い所で、木賊山が見える。 そして富士山もよく見える(写真6)。 私としてはここを鶏冠山のピークとした。 ただ、前述の『山梨百名山』には、「標高2115mの山頂は生い茂るツガの林の中、少し上の方となる」とあるが、 かなり来てしまい、次のピークに来たような気がした。 そこで、帰りもツガ林の中の小高いところを探したがわからなかった。 (帰宅後、1万3千人の会員があるfacebookの山の会でそこからの動画を見せながら「鶏冠山の山頂」か否かを尋ねたが反応は全くなかった。) 10時半過ぎ、来た道を戻り第3岩峰に着く(写真7)。 写真のように、そこには「山梨百名山 鶏冠山2115m」の標柱がある。 (ここに立つだけで「登った」と言っても全く構わないことではあるが・・・) 周りの山々や渓谷、第1,第2岩峰が見える。 先ほどの最高点と思われるところと比べるため、ここでも動画を撮影した。 360度の展望が得られるすばらしい場所である。 今日は天気も良いし、1人だし何時間でもいることができそうな場所である。 11時少し前、下山をすることにした。 来た道を戻り、迂回路を通る。 そして、第2岩峰、第1岩峰と越え、下って行く。 先ほど通ったばかりであるので苦労することはなかった。 色づいている葉や落ち葉などを見ながらどんどん下って行く。 太い木に気づいたり、見たことがない松ぼっくりに出会ったりした。 12時半、沢の音が少しずつ大きくなってくる。 もうすぐ「鶏冠谷出合」だ。 やがて山道の下に小さな沢が見えてくる。 12時48分、鶏冠谷出合に着いた。 どこを渡ろうか。 3ヶ所くらい渡れそうな所があるが、どれも少し大変そうである。 一番下流の場所を渡る。 バランスを少し崩したが何とか濡れずに渡ることができた。 その後の山道が見えない。 道を探すためだろうか、歩き回った跡がある。 私も少し探したが、その近くには小石を積んだ流木があったことを思いだし、何とか山道にたどり着くことができた。 沢沿いの道を1分くらい行くと、沢から登った形跡もあった。 13時過ぎ、鶏冠山登山口に着く。 疲れは全くない。 当初の計画通り、来た道を戻らず奥の「西沢渓谷」方向に進んでいく。 せっかく来たのだから紅葉見物もしようではないか。 この西沢渓谷は、パンフレットには1周約4時間と書かれている。 この鶏冠山登山口までコースタイムで40分、まだ6分の1である。 逆光に光る紅葉を眺めながら歩く(写真8)。 5分で「大久保の滝」に着いた。 紅葉に日が当たっていて西沢渓谷で一番の景色であった。 続いて「三重の滝」「龍神の滝」を見た(写真9)。 日は当たっていなかったが、まずまずの紅葉である。 この辺に来ると観光客はぐっと少なくなる。 駐車場から1時間かかるからかもしれない。 そして、「恋糸の滝」「貞泉の滝」「七ツ釜五段の滝」を見た。 私はこの七ツ釜五段の滝が一番好きである。 そして「不動の滝」を見て、「滝の上展望台」に着く。 ここが西沢渓谷終点である。 20人ほどが景色を見ながら休んでいた。 私も少し休むことにした。 帰りは来た山道とは対岸の「旧トロッコ道」を行く。 かつて使われていた線路が、幅2mほどの道に所々残っている(写真10)。 屋久島の同様なトロッコ道を思い出した。 長野県でも見たように思う。 かつては木材を運ぶためにいろいろな所にあったのだろう。 復旧させ観光客を乗せたら人気になるだろうな、と思いながらなだらかな道を歩く。 14時半、「大展望台」に着いた。 今降りてきた鶏冠山が太陽の光を浴びて輝いていた。 その横には木賊山、破風山、雁坂嶺などが見える。 「山の神」を通り、ネトリ橋を渡ると出発した時に寄った観光トイレがある。 西沢渓谷をぐるっと一周したことになる。 あとは道路を戻るだけである。 15時半前、駐車場に着いた。 山梨百名山で最難関だというだけあってちょっと苦労はしたが、十分楽しめた鶏冠山とおまけの紅葉の西沢渓谷であった。 |