2016.01.17 MM 第550号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 

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日向山[1月](ひなたやま 1660m) 山梨県北杜市 山梨百名山
                       

この山の私の印象等は・・・                                     

「 1月の渓谷と周遊コースの現状を確かめたくて歩いた 尾白川渓谷・日向山 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2016年01月02日(水)

【天候】        快晴

【コース及び時間】

尾白川P8:06-8:41旭滝8:49-9:11神蛇滝-9:37不動滝-10:02林道10:08-10:15錦滝

10:20-10:52鞍掛山分岐11:02-11:19日向山〈1660m〉11:22-11:25三角点11:34-12:15

矢立石12:21-12:46駒ヶ岳神社参道-12:50尾白川P


       【 登り(尾白川渓谷経由) 2時間44分  下り(矢立石) 1時間28分  合計 4時間12分 】



*コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。
 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。


【温泉】      湯村温泉「ホテル吉野」   500円(山梨県甲府市)


  
尾白川駐車場には登山届けポストがある(写真1) 駒ヶ岳神社でお供物のミカンをいただく(写真2)
旭滝は左の岩の上が凍っている(写真3) 鉄の階段、鎖、ロープと楽しませてくれる(写真4)
雁ヶ原、山頂はもうすぐだ。(写真5) 甲斐駒が白い峰を見せる(写真6)
日向山(標高1660m)は風が強い(写真7) 雪の少ない八ヶ岳も見える(写真8)
矢立石への下りは快適な下りだ(写真9) 「矢立石」登山口(写真10) 

 【感想 等】 *尾白川渓谷は12月中旬から4月中旬まで通れません、また不動の滝上は数年前から通れません


今年も元日に焼津アルプスから御来光を拝んだあと、山梨に年始回りに行った。
そのついでに翌日、この日向山(北杜市)に登った。

昨年の正月は、高下でダイヤモンド富士の御来光を拝み、櫛形山に登った(メルマガNo.508)。
この時は雪があり、しかも誰も歩いた形跡がなくラッセルしながら登ることを楽しんだ。

今年は雪がないことはわかっていた。
日帰りで簡単に確実に登れる近くの山はどこがいいのか少し迷った。
山梨百名山はほぼ登っているので、未踏の山は見つからなかった。

そんな中、久しぶりに日向山に登りたくなった。
山の麓には温泉、尾白川渓谷もあり山も鎖、鉄梯子等もあり変化に富んでいる。
私の好きな山の1つであり数回登っている。
メルマガ&HPでは、2007年1月2日(メルマガNo.165)、5月26日(メルマガNo.178)で紹介している。


7時に出発し、尾白川の駐車場に向かう。
国道52号線から山頂付近に日の当たった甲斐駒や八ヶ岳が見える。

8時、駐車場に着く。
広い駐車場には10台ほどの車が止まっていた。

地元警察のミニパトカーもあった。
何だろうと、見ながら準備をする。

どうも正月に山に入る人のチェックのようである。
登山届けの箱を見たり、大きな荷物を背負った2人組に声を掛けている。
彼らはヘルメットやピッケルが見えるので、甲斐駒に登るのだろう。

私の方にも若い警官2人組が来て、「登山届けは出してありますか。出してくださいね。写真を撮らせてください。」
「登山届けは今から出します。私は日向山日帰りです。」
「それでも写真を撮らせてください」
嫌だなぁ、と思ったが断る理由もない。
「はぁ~」と生返事をして、そちらを向いた。

8時6分、登山届けを書き投函後出発する(写真1)。

3分ほど歩くと、「矢立石登山口」への分岐に着いた。
今回は尾白川渓谷の現状を確かめたくてそのまま直進した。

閉まっている「尾白荘」を過ぎ、すぐに「駒ヶ岳神社」に着いた。
コンクリートの鳥居の2本の柱にもシデの付けられた松が飾られている。

駒ヶ岳神社の本殿の柱も同様にシデの付けられた松が飾られている(写真2)。
本殿廊下右の端に箱に入ったミカンが置かれていたが、宮司が
「お供物です。1ついかがですか?」とミカンを渡してきた。

ありがたい差し入れ、遠慮なくいただく。
お昼にいただこう。

本殿の右手を見ると「名水神社があり、『龍神宮』」と書かれている。
そして、地元の人達だろう、ここへ参拝している。
数人並んでいるが、本殿同様にご利益があるのかもしれない。

私は、本殿にお参りをして出発する。
少し行った所に吊り橋があり、『名水百選 白州・尾白川』という木の看板がある。

そこにパウチされた「冬季期間中(12月中旬~4月下旬)通行禁止」の紙が貼られている。
登山届けのポストの所にこの表示がほしいと思った。

橋を渡ったところに甲斐駒黒戸尾根登山道と尾白渓谷道の分岐がある。
尾白渓谷道の方には「通行禁止」と書かれた工事用の馬が置いてある。

ここまで来ると、はっきり通行禁止だということがわかる。
すぐそこの鉄橋にも同様に通れないようにしてある。

2月の西側渓谷の凍った滝を見たくてアイゼンを付けて見に行ったこともある。
暖冬の今年、歩道はどれほど凍っているのか、も確かめたい。

山道を10分ほど登っていくと、山道にある水が落ち葉と共に凍っている。
アイゼンを付けるほどではないが・・・。

季節は違うが、7年前歩いた時と余り変わっていない風景である。

「三ノ滝」を過ぎ、8時半過ぎ「旭滝」に着いた(写真3)。
滝の水が流れる板状の岩の上がアイスバーンになっている。
滑れば水の中に落ちてしまう。
アイゼンを付けて近くまで行こうとも思ったが無理をするのはやめた。

落ち葉の中を進んで行く。

「百合ヶ渕」のエメラルドグリーンの水面を見て歩いて行くと、「滑落注意 死亡事故発生」という黄色の看板がある。
この看板が尾白川渓谷道には計3個が付けられていたが、焼津アルプスを含めどこにもある登山道である。
こんなところでも滑落して亡くなる方もあるんだ、と思った。
3人も亡くなっていれば、自治体としては「通行禁止」にするわけである。

9時過ぎ、「神蛇滝」に着いた。
尾白川渓谷で、この3段の滝が最も好きである。
一番上の滝はかなり凍っている。

尾根道への分岐を過ぎ、探勝路を進む。
木々の間から山頂付近が見える。
もちろん雪は全くない。

9時半過ぎ、吊橋を渡り「不動滝」に着いた。
この吊橋は鉄製の頑丈な橋である。
左手奥にここでは大きく水量が多い不動滝が見える。

渡り終わると、直径15cmくらいの木の幹にパウチされた紙が付けられている。
「これより先の渓谷道は、状況が悪く、危険なため、通行止めとします」と書かれている。

この札は見落としそうであったが、何とか見つけた。
これは、2007年5月(メルマガNo.176)に見た札と同じではないだろうか。
もしそうならあれから8年以上経っているが全く直してないのだろうか・・・。
ますます興味津々である。

枯葉で埋まった苔むしたコンクリート製の石段を登っていく。
古い遺跡を見学している感じである。

登って行くとありました。
2007年のままの鉄製の階段がそこにはあった。
それは、次の階段とのつなぎの土砂の足場を大雨で流してしまったままの状態である。

鮮明に覚えていたので、久しぶりに会う友人のようであった。
8年以上も手を付けないまま放置されているのである。

あまり市の予算が取れないのかもしれない。
しかし、こんなすばらしい渓谷を途中で不通のまま置いておくのはもったいない。
錦滝を経由し周遊コースを通行できるようにしていただきたいものである。

少し直せば通れそうに思う。
これより危険な通行可能な登山道は多々ある。

10時、林道に出た。
林道を歩き錦滝に向かう。
林道と言っても、落石崩落等でもう車は通ることができない道である。
「元林道」と言った方がいいのかもしれない。

山頂と同じように所々、白い花崗岩が露出している。

崩落しているところからは水が流れている。
岩の上ではそれが凍って白くなっている。
ある場所では、凍った氷の下を沢の水が流れている。

10時15分、「錦滝」に着いた。
滝から流れ落ちた水が白く凍って雪のような固まりになっている。

ここにある東屋にもパウチされた紙が貼ってある。
「錦滝~日向山山頂ルートは、急勾配で崩落の恐れがあるため十分注意してください」
滝をじっくり見てから登りにかかる。

鉄の階段、鎖、ロープといろいろ楽しませてくれる(写真4)。

11時前、「鞍掛山」分岐に着いた。
手作りの新しい標識ができていた。
かつては、日向山山頂から尾根を登った(メルマガNo.177-C)。
その時のことを思い出しながら少し休む。

日向山の山頂はあと少しである。
白い雪のように見える花崗岩の砕けた砂を登ればいい。

白い砂の上に木々の影がのび、幾何学模様やいろいろな模様になり目を楽しませてくれる。
雁ヶ原もあと少しである。
ここからの青と白のコントラストもすばらしい(写真5)。

尾根に出ると風が強く寒い。
そのためもあり山頂北側には草や木が生えないのかもしれない。

振り返ると甲斐駒ヶ岳が大きく見える(写真6)。
もう少し時間が取れれば登りたいところである。

白砂の一番高いところに「日向山」標柱がある(写真7)。
全体が見える八ヶ岳はほんとに雪が少ない(写真8)。
しかも後に少し雲もあり、山容も霞んでいる。

風が強いので樹林の中で休憩しよう。


今日は甲斐駒に向かう2人組以外の登山者には会っていない。
誰もいないのかな、と歩いて行くと倒木の所に若い2人組が昼食の準備をしていた。
(その後3組の登山者と会う。)

それなら三角点で休もう、とそちらに向かう。
樹林を3分行ったところにある三角点で腰を下ろして休む。

下りの「矢立石コース」は歩きやすい。
しかも、初心者でも安心して歩けるように「10-7」といったように歩いた目安が書かれている(写真9)。
葉を落とした樹林の中を快適に下って行く。

矢立石までは1時間のかからずに下ってしまった(写真10)。
ここにもパウチした表示があった。
「錦滝~日向山山頂間の通行制限について」ということで、日向山山頂から錦滝への下りは通行禁止、ということである。

ほんとうに残念ではあるが規制だらけである。
是非、地図を付けた全体的な案内を登山口と尾白川駐車場に表示してほしいものである。

ここ矢立石には、数台置ける駐車場がある。
先ほど会った方達のほとんどはここに車を止めている。


私は山道を尾白川駐車場に下る。
たくさんの落ち葉を踏みしめ下って行く。

25分で駒ヶ岳神社の参道に出た。
人気のある神社なのだろう。
10人ほどが神社の参拝の帰りである。

12時50分、駐車場に着いた。

いつもはこの尾白川にある温泉に入るのだが、今回は甲府市の湯村温泉に入る。
信玄の隠し湯と言われている開湯1200年の歴史のある温泉である。
公共浴場「鷲の湯」に入りたかったのであるが、管理をしていたおばあさんが亡くなり閉鎖されたそうである。
近くにある「ホテル吉野」に入る。

静かでお客の姿はなく、留守番をしているおやじさんがのんびりしていた。
1人独占状態でのんびり浸かった。
ナトリウム、カリウム、食塩が多い温泉で、気持ちよく入ることができた。


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