2016.04.05 MM 第558号
トンガリロ・アルパイン・クロッシング(レッド・クレーター 1886m)
ニュージーランド・トンガリロ国立公園 世界遺産
この山の私の印象等は・・・
「 ついに歩けた世界遺産 トンガリロ・アルパイン・クロッシング 」
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2016年3月17日(木) 【天候】 雨 【コース及び時間】 レイク・タウポ6:20ピックアップ=(貸切バス)=8:00マンガテポポ駐車場到着、8:07出発-9:01ソーダスプリング9:18 -10:00サウスクレーター-10:47レッド・クレーター〈1886m〉-11:00エメラルド・レイク-12:04タケタヒ小屋12:16- 13:16/13:21-13:55タケタヒ駐車場着14:50=(貸切バス)=16:00レイク・タウポ 【 登り(マンガテポポ~レッドクレーター) 2時間23分 下り(レッドクレーター~タケタヒ) 2時間51分 合計 5時間14分 】 *コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。 |
登山口のマンガテポポ駐車場(写真1) | 前方にマウント・ナウルホエ(2287m)が見える(写真2) |
滑らないように上にプラスチックの網が付いている(写真3) | ソーダスプリング近くにはトイレが設置(写真4) |
分岐から5分ソーダスプリングに立ち寄る(写真5) | ソーダスプリングから30分、かなり高い所まで来た(写真6) |
水がたまった砂地を歩いて行く(写真7) | ガスでポールがなければ方向を見失う(写真8) |
山らしい感じがいい(写真9) | セントラル・クレーターはMt.トンガリロへの分岐(写真10) |
エメラルド・レイクが見えてきた(写真11) | 12時過ぎタケタヒ小屋に着いた(写真12) |
3.1km地点を過ぎると大きな木もある(写真13) | 14時前にタケタヒ駐車場に着いた(写真14) |
【感想 等】 トンガリロ国立公園はニュージーランドにある世界遺産の1つである。 ニュージーランド最古の国立公園で、年間100万人が訪れるという。 そこはルアペフ山(2797m)やナウルホエ山(2287m)の山々が連なっている。 できれば、宿泊に必要なハットパスを入手し、宿泊しながら縦走したいところであるが、私の滞在日数が少なすぎて無理である。 ガイドブックを見ると日帰りで行くことができる人気のコース「トンガリロ・アルパイン・クロッシング」があるという。 年間約8万人の訪れ、夏には1日500~600人がこのコースを歩くという。 このコースは基本的にはマンガテポポからタケタヒへの一方通行である。 そこへの日帰りバスが多数出ているというので、前日はタウポ湖に宿泊した。 トンガリロ・アルパイン・クロッシングにほんとうに行くことができるのか心配だった。 というのは宿で聞いたら「朝6時5分にくればいい」とだけ言うのだ。 予約をしなくて大丈夫なのかと思った。 希望者が多くてバスに乗れないとか、待っていたけどバスが来なかったとか…。 それで前日、isite(観光案所)に行って詳しく聞き、予約してきた。 isiteでは、「17日(木)、18日(金)は天気が悪い。土曜日には天気が良くなるから待ったらどうか。」と言う。 「短い旅行なので、明日どうしても行きたい」というと 「天気がよくないのでバスが出るかもわからない。明日出るバスは1社だけだ。それも明日5時半に決まる」と言う。 「申し込みたい」というと、予約チケットを作ってくれた。 代金65Nz$(約5200円)は明日払うという。 当日朝、5時半に起きるともうキッチンで朝食を作っている男性が2名いた。 宿のフロントに行けるか否かの案内が出ているか、またはスッフが起きていて教えてくれるのかと、思ったがどちらも違った。 宿のフロントは静まりかえっていた。 外は曇り空。行けない天気ではないが雨はふるかもしれない。 朝食を食べ、バスのピックアップの10分前に下に降りていくと、計6人が集まっている。 「こんなに行く人がいるんだ」とバスを待つがなかなか来ず、15分遅れてバスはやって来た。 その大型バスの車内はほぼ満席。 他の宿でも登山者を拾っていく。 天気が悪くても行きたい人は私だけでなくて安心した。 登山口まで約100㎞の距離をバスはぶっ飛ばしていく。 8時に着いた駐車場には他に大型バスが3台、マイクロバスが数台止まっている。 日帰りで歩くことができるコースとして人気があり、年間8万人が訪れるというから天気が悪い日にも行きたい人はいるのだ。 年間30万人の富士山には及ばないが、今日も300人ほどはいる。 ここ、マンガテポポ駐車場は簡素である。 準備用の屋根とトイレしかない。 ここの標高は1100mである。 今回のコースは、マンガテポポからタケタヒまでの逃げ道のない一方通行の17㎞のコースである。 歩けなくなったら引き返すというポイントまで決まっている。 また何かあったら電話をするように電話番号を書いた紙を渡されている。 そして下山口の最終バスは4時半だと念を押されての出発である。 他に選べるコースはない。 バスの運転手に「トンガリロ山に登ることができるか」と聞くと、「無理だ」と言われる。 コースの途中にあり、2時間で登れるのに残念である。 また、普通は6時間から8時間かかって歩くという。 私はどれくらいの時間で歩けるのだろうか。 登山口では小雨が降っている。 天気予報の通りだ。 荷持が濡れないようにパッキングをチェックしザックカバーを付ける。 そして雨合羽を着て出発である。 多くの登山者が便所に寄ったり雨対策をしている。 また中国人や韓国人のガイドツアーの団体もいる。 8時7分、出発する(写真1)。 初めは広い火山灰の草地である。ほぼ平なので歩きやすい。 3月と言えば、こちらは秋の初めである。 両側の草地の中に少しだけ花が残っている。 前方に上部にガスのかかったマウント・ナウルホエ(2287m)が見える(写真2)。 ゴールの時間が決められているためか、みんな黙々と歩いて行く。 歩道脇に肉厚の白い花がある。 ちょっとクロッカスのつぼみに似た花であるが、ネットで調べたが名前はわからなかった。 30分ほど歩くと山の谷間に入ってきた。 さすが世界遺産でもある国立公園である。 歩きにくいところは木道になっていて、滑らないように木の上にプラスチックの網が付けられている(写真3)。 小雨が降ったり止んだりの天候である。 階段を上ると「3km」と書かれたポールが立っていた。 17kmの内3km歩いたことになる。 時刻は午前8時44分である。 ここまで37分かかっている。 一番の平らな部分ではあるがまあまあのペースである。 山と山の間の浅い谷間をなだらかに登っていく。 前方に山が迫ってきたと思ったら「ソーダスプリング」に着いた(写真4)。 ここには写真のようにトイレが設置されている。 そのため、多くのトレッカーが休んでいる。 「ソーダスプリング 300m/5min」と書かれた標識もある。 左手に少し上がったところに炭酸の含まれた温泉があるのだろうか? 時間はありそうなので寄ってみよう。 これはソーダスプリングと言うよりウォーターフォール(滝)である(写真5)。 水に触ってみたが暖かくもなく炭酸の感じもしなかった。 まあ、素敵な滝を身近で見ることができたので良しとしよう。 あと、標識にはタケタヒまで「14.9km/5hr30min」と書かれている。 また、「止まれ! 天候はOKか?装備や服装は大丈夫か。」などと書かれている。 ここから本格的な山に入るので引き返すポイントになっているのだろう。 さあ、私も出発である。 富士山の山頂付近の溶岩堆積地に似た火山特有な地形を見ながら登って行く。 10歳以下の子どもを3人連れた夫婦も歩いている。 5km地点まで歩くと、今まで歩いて来た荒涼とした草原が見えてきた。 マンガテポポ駐車場にある準備用の白い屋根も見える。 ソーダスプリングから30分、かなり高いところまで来た。 そしてまだまだ登りは続く(写真6)。 日本では歩いていてあまり追い抜かれることはないが、ここでは何人もの人達に抜かれる。 別に競争しているわけではないので構わないのだが、・・・。 私は決してゆっくり歩いているのではない。 日本で歩くのとほぼ同じ速さで歩いている。 どうもニュージーランドの人達は日本人より体力があるのか歩くのが速いようである。 女性にしても食事を大量に食べるし、体もがっちりしていて大きい。 10時、サウスクレーター(標高1650m)に着いた。 ガスの中に突入である。 ここから右に行くとマウント・ナウルホエ(2287m)である。 ガスの中でもあるし、行く人は誰もいない。 また、ここが出発から6kmの地点である。 大勢の人が休んでいるが、そのまま歩くことにした。 水がたまった砂地を歩いて行く(写真7)。 火山性砂の中にところどころ草が生えている風景は富士山と同じではあるが、ここはほぼ平地という所が違う。 ますます広い砂漠のような所に出た(写真8)。 50mおきくらいに蛍光テープを付けたポールがなければ、このガスで進む方向を見失いそうである。 そこからすぐにこのトンガリロ・アルパイン・クロッシングでの一番ピークである「レッド・クレーター(標高1886m)」であった。 20人ほどが休んでいた。 ただ、「レッド・クレーター(標高1886m)」という表示は見えなかった。 その先は鎖もあり山らしくなってきた(写真9)。 私は、こんな感じのところが好きである。 「山に来た!」と思うシーンだ。 すぐにセントラル・クレーター(エメラルド・レイク)に着いた。 ここがマウント・トンガリロ(標高1967m)への分岐である。 「3km/1.5hr」と書かれている。 時刻はまだ午前10時40分。 往復しても16時半のバスには十分間にある。 ただ、このガスでは何も見えないし、バスの運転手から山頂には行かないように止められている。 また、山頂に行く人は誰もいない。 山頂への楽しみは次回天気がよい時に持ち越そう。 ここにも20人ほど休んでいたが、一番の美しさであるエメラルド・レイクで休むことにしそのまま歩くことにした。 セントラル・クレーターの淵が続いている(写真10)。 ガスでエメラルド・レイクが見えないのは残念である。 ここからは火山灰の砂の中を下って行く。 富士山の砂走りと同じ感じである。 下り口の風が来ない場所に30人ほどが寒そうに休んでいる。 富士山と同じで、薄いビニール合羽の人や半ズボンの人もいる。 私は軽ダウンジャケットも持って来たがそこまでは必要なかった。 手袋はしていても少し寒い感じであった。 少し下るとエメラルド・レイクが見えてきた(写真11)。 うっすらその向こうに見えるのが最大のブルー・レイクの一部だろうか。 天気も悪いので色もさえない。 休もうと思ったが、風雨が強くて諦めた。 ガスのかかった山道をひたすら下って行く。 12時過ぎタケタヒ小屋に着いた(写真12)。 小屋の中で昼食を取っている人もいるが、混んでいる。 ガスだけで雨は霧雨程度なので外で昼食にする。 小屋の庇等を利用して15人ほどが休んでいる。 昼食と言っても、日本のようにコンビニは充実していない。 山に行く途中のコンビニで弁当やおむすび・菓子パンなどを買って山登りできる日本のありがたさを、ここニュージーランドで感じている。 私は昨日買った食パンにピーナツバターを塗って持って来た。あとはビスケットにチョコレートである。 飲み物は日本から持って来たスポーツ飲料を水に溶かして来た。 昼食後は整備された道をつづら折りに下っていく。 下るに連れて少しずつ緑も増え、花も咲いている。 ピンクの小さなたくさんの花、肉厚の葉にヤマブキ色の花、白い六弁のかわいい花・・・。 藤色のアザミもある。 マーガレットに似た白い花もあった。 タケタヒ駐車場まで3.1km地点を過ぎると樹林帯に入る。 シダ類や大きな木もある(写真13)。 どんどん下って行き、14時前にタケタヒ駐車場に着いた(写真14)。 ちょうど1台目のバスが出るところであったが、余韻を楽しむべくそれには乗らなかった。 ここにも屋根があるだけで他には何もない。 簡素な駐車場である。 次のバスは人が集まったら出発と言うことであった。 バスの中で50分待ち、20人ほどが乗って帰路に着いた。 この大手バス会社は本日3台のバスを運行したようであるが、1台目に20人が乗ったという。 全員で65人が参加したと言うから、私の速さは65人中20番目くらいであった。 やはりニュージーランドの人は歩くのが速いのだろうか。体力があるのだろうか、そんなことも考えた1日であった。 天気は良くなかったが、人気コース「トンガリロ・アルパイン・クロッシング」を歩くことができて良かった。 |