2016.05.08 MM 第562号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 

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フッカー・バレー・トラック(885m) ニュージーランド南島 世界遺産
                       

この山の私の印象等は・・・                                     

「 ひやひやどきどきしながらも、氷河をしゃぶり十分楽しめた フッカー・バレー・トラック 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2016年3月21日(月) 


【天候】        晴れ


【コース及び時間】

 レイク・テカポ駐車場発7:30=(BUS)=10:05ザ・ハーミテージ・ホテル10:15-10:30ケアポイント分岐-10:41展望場A

-10:44吊り橋1-10:59吊り橋2-11:03展望所B-11:17小屋(トイレ)-11:27吊り橋3-11:35フッカー湖

〈885m〉11:48-11:57吊り橋3-12:15小屋-12:27展望所B12:30-12:37吊り橋1-12:40展望所A12:43

-12:48アルペン・メモリアル12:52-13:21ザ・ハーミテージ・ホテル


    【 登り(ザ・ハーミテージ・ホテル~フッカー湖)  1時間20分   下り(フッカー湖~ザ・ハーミテージ・ホテル)

                                                 1時間23分        合計 2時間43分 】
      


*コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。
 また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。


  
朝焼けのレイク・テカポ(写真1) ザ・ハーミテージ(ホテル)からフッカー・バレーへ(写真2)
聞こえるのは日本語ばかりとは・・・(写真3) 分岐を過ぎると人は急に少なくなった(写真4)
1つ目の吊り橋が見えミューラー湖が見える(写真5) 2つ目の吊り橋から見るフッカー川は迫力がある(写真6)
展望所Bに着くとマウント・クックがはっきり見えてきた(写真7) トンガリロにも咲いていた(写真8)
フッカー湖には流れ着いた氷河があった(写真9)  終点、フッカー湖の展望所(写真10)
今にもずれ落ちそうな氷河(写真11)  アルペイン・モニュメントからの展望はいい(写真12)
 
青いきれいな花が咲いている(写真13) (写真14)

 【感想 等】 

3月21日、今日はあこがれの世界遺産「フッカー・バレー・トラック」を歩く日である。

ニュージーランドの紹介に出てくる場所と言えば、レイク・テカポ、ミルフォード・サウンド、そしてフッカー・バレー・トラックである。
欲ばってそれらを歩こうというのが今回の計画である。

ただ、日にちが十分にはないのでかなりの強行軍である。
レイク・テカポを朝7時30分のバスで出発して、「フッカー・バレー・トラック」の入口であるアオラキ/マウントクック・ビレッジに着くのが9時45分である。すぐにフッカー・バレー・トラックを歩いてそのまま荷物を持って14時25分発のバスでクイーンズタウンに行こうというわけである。

アオラキ/マウントクック・ビレッジでの滞在時間は4時間40分である。
この「フッカー・バレー・トラック」のコースタイムは3~4時間である。
4時間あれば休憩を入れても十分可能だとたかをくくっていた。


朝7時10分にバス停に向かう。
バス停まで2~3分の所にある宿に泊まったので苦労はしなかった。
バス停と言っても「停留所」というものはない。
ただそこにバスが来て発着するだけのレイク・テカポの駐車場の一角である。

そこには女性が2人スーツケースを持って待っていた。
7時半のバスに乗るのか、と尋ねるとそうだという。
仲間がいて一安心である。

バスはほんとに来るのか心配になるが、仲間がいれば心配は半分になる。
その内に湖の上が赤く染まってきた(写真1)。

きれいな朝焼けである。
写真を撮りながらも、日本には「朝焼けは雨」のことわざがあるが、ニュージーランドでもこのことわざが通用するのだろうな、と心配になる。昨日のMt.ジョンは天候に恵まれたが、「トンガリロ・アルペン・クロッシング(メルマガNo.558)」では雨にやられている。
 

7時半、定刻にバスはやってきた。
乗ったのはわずかに私たちだけの3人。

来たバスは中型で後に自転車用キャリアーカーが付いているタイプであった。
そこに自転車を積んで旅をすることもできるのか、と感心した。
アウトドアスポーツの盛んなニュージーランドらしいバスである。

バスの運転手はあと2人が来ない、と言って5分ほど待っている。
そして走り出したと思ったら方向が違う。
どうも集落を一通り回っているようである。

そして回ってきたと思ったらまたバス停に止まり、しばらく経って出発になった。
出発は10分遅れたが、親切な運転手だなという印象を持った。

途中、運転手は香港人の女性と話ながら和やかに走っていく。
8時15分、バスはブカキ湖に差し掛かるとトイレ休憩だと言って止まった。
トイレに行ったのはドライバーだけで私たち3人は写真を撮ったりして待つ。
10分近く経ち出発したと思ったらまたバスは止まった。

2人との話でブカキ湖からの取水口を見せたかったようである。
ここから大量のきれいな水を取り、田畑を潤し飲み水にしているだろう事はわかる。

ただ、こんなに休憩してバスは定刻に着くのか心配になってきた。

国道80号線(マウント・クック・ロード)を北上していく。
途中、止まったのでアオラキ/マウントクック・ビレッジに着いたかと思ったらここで客を乗せるようである。
そこではサイクリスト5人を乗せ、バスの後に付けてある自転車用キャリアーカーに自転車を固定する。
そんなに急な坂でもないし自転車で走っていけばいいと思うのだが、山岳地帯をサイクリングしたいのだろう。
10分ほどかかり出発する。

そしてアオラキ/マウントクック・ビレッジのザ・ハーミテージ(ホテル)に着き自転車を下ろし始めたので、
私も降りようとしたら「まだ乗っていろ」と下ろしてくれない。

もっと走るのかと思うと、正面玄関に向かい「下りていい」という。
こんな事もあり、到着は20分遅れになってしまった。


ザ・ハーミテージ(ホテル)に着いてびっくりしたのは、日本人の多さとチョークで書かれた日本語の案内板があったことである。
ちょうどJTBのツアーバスが着いていてトレッキングツアーがあったのだろう。

ここザ・ハーミテージは宿泊客以外の荷物も無料で預かってくれるのがよい。
荷物を預け30分遅れのスタートである。
あと4時間10分でバスに乗ってクイーンズタウンに出発である。

コースタイムは3~4時間、余裕なしのぴったりの時間しかない。
「フッカー・バレー・トラック」は道を左だというので玄関を出て左に進んでいくと、なんと裏山の方に向かっている。
谷間を歩いて行くはずであるが・・・。
そこは先ほど自転車を降ろしたところである。

その近くにいた観光客に聞くと、「よくわからないけど向こうじゃない?」と反対側を指さす。
玄関に戻りまっすぐ行くと道路に出て谷の方に向かう道があった。
そこにはちゃんんと「フッカー・バレー」と書かれている(写真2)。
(どういうわけか、コースタイムはそこだけ消されている)

歩いて行くと、聞こえるのは日本語ばかりである。
日本人団体客の自由時間なのだろう(写真3)。
服装が軽装なので周辺の散策だけだろうが・・・。

彼らを追い越すと、私1人になった。
目の前には広大な草原が広がっている(写真4)。

10時半、ケアポイント分岐を通過する。
草原にはやや大きめの雁のような鳥が3羽いる。

平らな道なのですいすい歩いて行く。
道の脇に白色のイワツメグサくらいの5弁の花が咲いている。
日本にも似た感じの花はあるが同じ物は見たことがない。

ホワイト・ホース・ヒル・キャンプグラウンドを左に見て進んで行く。
振り返ると、北アルプスのような大きな山すそにザ・ハーミテージが建っている。

そして「フッカー・バレー・トラック」と言うだけあって、歩いている山道の両側には大きな山塊がそびえている。

やがて1つ目の吊り橋が見えてきた(写真5)。
その左側にはミューラー湖が横たわっている。
上の方は厚い雨雲がかかっている。

その先にある展望所(仮にAとした)からの眺めもすばらしい。
これだけでも、ここ「フッカー・バレー・トラック」に来た甲斐があった。

吊り橋上から見るフッカー川はミューラー湖から雪解けの白っぽい黄土色の濁流が勢いよく流れている。
そして薄青色の氷河が山からずり落ちそうにへばりついている。

外国人のトレッカーにも会うようになった。
みんな目的地は終点のフッカー湖だろう。

前方に2つ目の吊り橋が見えてきた。
吊り橋の上から見るフッカー川はなかなか迫力があっていい(写真6)。

歩いて行くと、山頂付近が雪で覆われ真っ白なマウント・クックが顔を出してきた。
もっと雲よどいてくれ、と祈りながら歩く。

展望所に着くとマウント・クックはかなりはっきり見えてきた(写真7)。
富士山より低い3724mではあるが、夏を通り過ぎた今でも雪を付けている。
もっと低い場所にも雪がたくさん残っている。
これは緯度の違いなのだろうか。

それにしてもラッキーである。
「朝焼けは雨」、で今日の天候も心配したが晴れてマウント・クックが顔を出す。
次回来る時はあのマウント・クックに登りたいものである。

トンガリロにも咲いていた白いクロッカスに似た花がある(写真8)。

前方に小屋が見えてきた。
この小屋にはトイレがあるので我慢してきた。
私の先にも先客がいた。

このコースではここ以外にはトイレはない。
簡素な小屋である。

小屋から10分で3つ目の吊り橋であった。
そして、吊り橋から数分で目的地のフッカー湖であった。

11時35分、フッカー湖に着く。
かかった時間は1時間20分。
ほぼ平地なので帰りも同じ時間がかかっても1時間半はある。
これで時間的なめども立ち一安心である。

大勢がいる展望所から湖畔に下りる。
そこには流れ着いた氷河があった(写真9)。

湖岸に流れ着いた透き通った小さな氷河をなめてみた。
少し甘い感じのミネラルいっぱいの氷の味がした。

しばらくそこでフッカー湖や氷河・マウントクックを眺めていた。

多くのトレッカーは展望所で休んでいる(写真10)。
20人近くはいるだろうか。

12時少し前、来た道を戻る。

行きよりもじっくり周りの風景を見ながら帰る。
黄色の肉厚な背の高い花がある。

今にもずれ落ちそうな氷河もある(写真11)。

12時40分、展望所A(ザ・ハーミテージに一番近い)でバスで一緒だった香港人2人組に会う。
彼女らは私の速さに驚いていたが、彼女たちが遅いのだ。
この速さで日没までに戻れるのだろうか?
もう今頃フッカー湖に向かう人は少ない。

行きには寄らなかった「アルペイン・モニュメント」が見えてきた。
時間は十分ある。
立ち寄る(写真12)。

高台にあるこのアルペイン・モニュメントからの展望も良いが、銅板に記録が書かれている。

ホワイト・ホース・ヒル・キャンプグラウンドへの分岐を過ぎる。
あとは草原を戻ればいい。

青いきれいな花が咲いている(写真13)。
花の色はイワギキョウに似ているが全く別の花である。

ザ・ハーミテージが見えてきた。
13時20分過ぎ、ホテルに着いた。

クイーンズタウン行きのバスの発車までまだ1時間ある。
ロビー横のソファでのんびり過ごすことにした。

バスが遅れ時間を気にしながらもひやひやどきどきしたが、氷河や雄大な山々、そしてマウント・クックを眺め、十分楽しめた1日であった。

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