2016.07.11 MM 第571号
富士山[6月](ふじさん 3776m) 静岡・山梨県 日本百名山
この山の私の印象等は・・・
「 右太もも裏の肉離れ、ハチ刺されと少々苦労した 富士山 」
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2016年6月11日(土) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 富士宮五合目P6:37発-6:41登山口-6:56六合目(雲海荘)-7:35新七合目(御来光荘)7:40-8:13元祖七合目 (山口山荘)8:18-8:50八合目(池田館)8:56-9:28九合目(萬年雪山荘)9:38-10:02九合五勺(胸突山荘)10:10- 10:46浅間大社奥宮10:55-11:14剣ヶ峰〈3776m〉11:32-11:43浅間大社奥宮11:50-11:58(アイゼン装着) 12:02-12:12(スパッツ・ソリ用意)12:19-12:32九合目12:38-12:57八合目13:02-13:25七合目13:31- 13:56新七合目14:01-14:31六合目14:36-14:51富士宮五合目P 【 登り 3時間54分 下り 2時間39分 合計 6時間33分 】 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 |
今年はほんと雪が少ない(写真1) | 宝永山への分岐に「通行禁止」の頑丈なゲートがある(写真2) |
下を見ると雲海が増えている、新七合目(写真3) | 八合目付近から雪が残っている(写真4) |
九合目を過ぎると雪の中を登る(写真5) | 右足を手で持ち上げ、なんとか浅間大社奥宮に着く(写真6) |
浅間大社奥宮横から剣ヶ峰を(写真7) | 剣ヶ峰の山頂はあと少しだ(写真8) |
やっと着いた剣ヶ峰3776m(写真9) | ソリで滑って下る(写真10) |
宝永山方向もガスで霞んでくる(写真11) | 西臼塚からの富士山(写真12) |
【感想 等】 高度順応を毎年1回行うためもあり、富士山の出かけている。 あとは雪なしの静岡県に住んでいるので、雪に接するためでもある。 今年はいつ行こうかと、GW過ぎからスタンバイしていたが、いろいろな予定や天候のため実行できないでいた。 そうこうしている内に6月4日には梅雨に入ってしまった。 参った、これじゃあいつ登れるかわからない・・・、と思いつつも週刊天気予報を見ていたら週末に晴れマークがある。 よし行こう、ということで朝5時に家を出る。 地元に住んでいるので、天気を確かめてから出発できるのはありがたい。 しかし、油断大敵である。 サブテーマに書いたように「右太もも裏の肉離れとハチ刺され」というおまけが付いた富士登山であった。 6月に登るのは2010年以来である。 その時はかなり雪があったが(メルマガNo.310)、今回は雪が少ないことがわかっている。 6時半、富士宮口の駐車場に着き、すぐに出発した。 この時期でも登る人は多く、上の駐車場はほぼ満車であった。 一番外れに車を止めたので登山口の階段まで4分かかった。 階段を少し上がると「富士山表口五合目 標高2400m」の看板がある。 これを見ると、今年も富士山に来たなぁ、と実感する。 少し歩くと「富士山富士宮口五合目公衆トイレ」がある。 しかし、シャッターは閉まったままである。 宝永山へのルートが通行できるようになったのであるから開けていただきたいものである。 (多くの人が、この下の売店のトイレを貸していただいている) 登山口から5分、山頂方向を見ると雪が少ないのがはっきりわかる(写真1)。 山開きまで1ヶ月あるが、昨年9月に登山道を閉鎖してから修復したらしい箇所もある。 火山灰は風雨で流れやすく、このようなメンテナンスが欠かせない。 登山口から15分、六合目雲海荘に着いた。 もちろん、これから通過する山小屋はどこも営業していないし、トイレも開いてはいない。 雲海荘という名前はよくつけたものである。 ここまで来ただけで雲海がよく見える。 宝永山への分岐を過ぎ、登っていく。 ここには「通行禁止」の頑丈なゲートがある(写真2)。 それも年々頑丈になっている。 高山植物や火山灰の層を見ながら登って行く。 火山灰が崩れ、ロープが埋まっているところもある。 7時半、新七合目に着く。 下を見ると雲海が増えている(写真3)。 宝永山の方向からも雲海が湧き上がっている。 八合目が近づくと、雪が残っている(写真4)。 普通に登るだけではつまらないと思い、今年はロープを引きながら腕も使ってぐいぐい登っている。 あまり早くなっている感じではないが、少し足は楽な気がする。 8時50分、八合目に着いた。 そこには10数人が休んでいた。 私も腰を下ろして休む。 左の手首内側がもぞもぞする、と思い見ると長袖の内側にアシナガバチが止まっていた。 あわてて、振り払おうと思い腕を大きく振ると手首に針を刺して逃げていった。 じ~んという痛みが残った。 どうしたら一番いいのかと思ったが、口で吸い出す方法しか思いつかなかった。 すぐに口を付け3回ほど吸った。 どうして花も草もなく、他の虫もいない八合目の3250mにアシナガバチがいたのだろう。 庭木の剪定で毎年2回ほど刺されているが、今年は刺されなくていいと思っていた矢先であった。 がっくりしながら九合目に向かう。 9時半、九合目に着く。 ここにも10人ほどが休んでいる。 もう下ってくる人もいる。 九合目を過ぎると雪があり、雪の中を登る(写真5)。 雪は解けていてアイゼンを付けなくても大丈夫である。 10時、九合五勺に着いた。 雪は多くなってきた。 アイゼンを付けている人もいるが、私は斜めに歩き凹凸の少ない溶岩の上を登る。 ここに来てロープを使ってぐいぐい登ったツケが来た。 その時体重のかかった右もも裏側の筋肉がつってきた。 今まで歩いていてこのように激しくつったことはなかったので、困ってしまった。 あと20mほど登れば富士宮口の山頂、浅間大社奥宮に着くのに足が前へ出ない。 右足は手で持ち上げ何とか1歩ずつ進み、10時46分、なんとか浅間大社奥宮に着くことができた(写真6)。 腕でロープを引き力任せに進むというばかなことをしたので、それがボディーブローのように徐々にきいてきて太もも裏の筋肉を痛めてしまったのである。 山頂へ向かうことはおろか、下ることも上手くできないかもしれない、という最悪な思いが脳裏をよぎった。 とにかく休み、状態をチェックすることが大事である。 マッサージや軽いストレッチをしながら様子を見る。 右足を高く上げることはできないが、緩やかな登りや下りなら痛いながらも歩けることがわかった。 ゆっくり様子を見ながら剣ヶ峰に向かう(写真7)。 浅間大社奥宮横には雪の吹きだまりがあり、それが解けて小川のように流れている。 剣ヶ峰の斜面には多くの雪が残っている。 しかし、最も急な剣ヶ峰への登山道にはほとんど雪がない。 無理をしないようにゆっくり足を運ぶ。 普通に歩けることのありがたさを感じる。 剣ヶ峰はあとわずかである(写真8)。 最後に少しだけ雪の上を歩く。 11時14分、富士山頂剣ヶ峰に立つことができた(写真9)。 日本一高いところからの展望は最高である。 アイゼンもピッケルも使わずに山頂に立つことができた。 景色を見ながら休んだら下山だ。 無理をしないように小股で降りていく。 11時43分、浅間大社奥宮に着き、12本爪のアイゼンを取り出しいつでも付けることができるように取り出し口においた。 実は今回、楽して下るように子供用の小型ソリをザックに縛り付けてきた。 肉離れもあるし、早く使いたくてうずうずである。 下山開始から約10分、雪の上に出たのでアイゼンを付ける。 しかし傾斜が急すぎてソリで下るのは無理である。 また、スパッツはゴアテックスでも内側が汗ばむので付けないでおいた。 足跡のない雪の上でも全く滑らずに快適に下るとこができる。 雪原?を歩くのは快適である。 雪のない静岡育ちには本当に楽しい。 10分ほど下ると、傾斜が少し緩くなった。 ソリを取り出し、スパッツを付けソリで雪面を下る(写真10)。 速い。 スピードが出すぎないようにピッケルでブレーキをかける。 雪が舞い上がり、サングラスやカメラに雪が飛んでくる。 2回帽子が飛んでしまい、取りに戻る。 九合目まで300mほどをソリで下ることができた。 今年は、ここから下ではもうソリは使えない。 あとは登山路を歩いて下るだけである。 13時、八合目に着いた。 肉離れの痛みはなくなってはいないが、歩けないほどではない。 宝永山が下に見えるが、そこにガスが近寄ってきている。 足をこれ以上痛めないように慎重に下り、14時新七合目に着く。 宝永山にはガスがかかってきた(写真11)。 この時間に登ってくる人もありびっくりする。 今日は土曜日だった。 明日にかけて往復するのだろう。 中には荷物が少ない人もいる。 観光客のような人もいる。 大丈夫なのか、と心配になる。 14時半に六合目、14時50分に駐車場に着く。 梅雨時の晴れ間に多くの観光客が駐車場にはいた。 八合目でアシナガバチに刺され、山歩きで初めての強烈な肉離れにも襲われたが前回の6月の富士登山に比べ往復とも30分ずつ余分に時間がかかっただけで無事下山することができた。 帰りに、今登ってきた富士山を西臼塚から眺め、帰路に着いた(写真12)。 |