2017.06.28 MM 第606号
鋸山 (のこぎりやま 329m) 千葉県鋸南町・富津市
この山の私の印象等は・・・
「 芸術的な石切場跡を見ることができよかった 鋸山 」
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2017年4月21日(金) 【天候】 曇り時々小雨 【コース及び時間】 日本寺P8:05-8:11大仏8:13-8:29十州一覧台8:33-8:39北口管理所(道迷い)8:52-9:13東京湾を望む展望台 -9:26鋸山〈329m〉9:34-石切場跡-10:09北口管理所-10:15山頂展望台(地獄のぞき)10:22-10:50日本寺P 【 登り 1時間30分 下り 1時間9分 合計 2時間39分 】 *コースタイムは休憩を除き写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 |
8時に開門の道路を通り日本寺の駐車場に(写真1) | 高さ31mの大きな大仏(写真2) |
十州一覧台からの展望(写真3) | 百尺観音が奥まったところにある(写真4) |
1度北口管理所から出て山頂をめざす(写真5) | 北口管理所下の展望所から(写真6) |
この石切場跡もすばらしい芸術のようだ(写真7) | 「東京湾を望む展望台」より(写真8) |
こんな場所も素敵だ(写真9) | 石切や運搬に使った機械だろうか(写真10) |
山頂展望台[地獄のぞき](写真11) | 千五百羅漢が並ぶ(写真12) |
【感想 等】 神奈川・千葉の海岸線の山、第5弾は鋸山(鋸南町・富津市)である。 関東地方の人達にはお馴染みの山だろうが、私は観光パンフレットで初めてこの山を知った。 静岡県からの日帰りツアーに鋸山や濃溝の滝がよく載っている。 それで、少し調べたら千葉県には高い山がなく最高峰が愛宕山(408m)であった。 神奈川県も海岸線には高い山はなく、高いのは丹沢山塊であり、その中の蛭ヶ岳(1673m)が最高峰である。 私は高さにはこだわらりがないが学生時代付き合った女の子に「山歩きが趣味だ」、と話したら 「どんな山に登っているの?」と言う。 家付近の焼津アルプス(最高峰501m)と話すと笑われてしまった。 山って言うのは1000m以上だというのだ。 彼女は山梨県に住んでいて、普段登るのは櫛形山(2052m)だと言う。 そんな考え方もあるのか、と初めての体験を鮮明に覚えている。 高さが10mでも山は山で、高いばかりが魅力ではない。 富士山は3776mと日本一の高さだが、山頂に立つのにもっと大変な山はたくさんある。 横道にそれたが、鋸山は高さはそれほどないが山が深く、海岸近くにあるので雨が多く植物が密生してるのは一般的な知識としてわかった。 どこからどんなふうに登るか。 「千葉県の山(山と渓谷社)」では3つも紹介してある。 一般的にはJR浜金谷から登るのだろう。 私は車で行くので駐車場を探さなくてはならない。 調べてると、鋸山観光自動車道(無料)を行ったところにある日本寺の東口管理所の駐車場は無料だとわかった。 また、鋸山登山自動車道(有料)や鋸山ロープウェイもあることがわかった。 一大観光地でもあることが伺える。 いろいろな登り方があるが、日本寺境内を見学後に鋸山をめざすことにした。 前日、三浦富士から下山後、東京湾フェリーで浜金谷に渡り保田漁港直営の「ばんやの湯」で汗を流す。 そして朝8時に鋸山観光自動車道を通り、日本寺の東口管理所の駐車場に着いた。 天気はどんよりした雨が降り出しそうな曇りである。 拝観料600円を払い8時5分に出発したが、駐車場にはもう数台が止まっていた(写真1)。 数分で大仏であった(写真2)。 自然の岩を掘り出して造られた大仏としては日本で一番大きく、高さは31mだという。 造り方は違うが、鎌倉大仏の2倍の高さだという。 手前の広場が広いのでそれほどの大きさ、威圧感はない。 大仏口を通り、十州一覧台に寄る。 あいにくの天気で富士山や秩父の山々は見えなかったが、房総半島の小高い山々や海岸線はなかなか良い眺めであった(写真3)。 そこから北口管理所に向かった。 その手前には百尺観音がある(写真4)。 百尺というのは30.3m。 大仏とほぼ同じ高さである。 なぜ観音像をへこませて造ってあるのかと思っていたら、かつての石切場跡にこの観音像を造ったそうである。 その上には「地獄のぞき」が見える。 時間が早いせいか、まだほとんど人には会わない。 地獄のぞきにもまだ誰も人がいない。 8時半過ぎ、北口管理所に着いた(写真5)。 どういうわけか管理人はいない。 ゲートを出て1分ほど行くと立派な看板があり、その下には「鋸山ハイキングコース→」と北口管理所の方向を指す標識がある。 「鋸山」というのはどこを指すのだろうか。 鋸山のピークだろうか? それとも地獄のぞきなのだろうか? 山塊全部なのだろうか? これは他の山でも言えることである。 「富士山に行ってきた」というのは、必ずしも山頂でなくても5合目登山口でもいいし、宝永山でもいいのである。 その看板左に細い道が続いていた。 そこを歩いて行くとまた日本寺境内に入ってしまった。 元の場所に戻り下に下っていくと展望所に出た。 金属の柵がある立派な展望所である。 東京湾や浜金谷などの展望もいいが、そこから見える房州石の切り出し跡が素敵である(写真6)。 よくこんな所から石を切り出したものである。 私には大仏や百尺観音よりこの方が興味がある。 説明板によると、良質な石を求め掘り進みこの芸術的な壁ができあがったという。 大きい物は長さ100m近くあり、「ラピュタの壁」と呼ばれているそうである。 しかし、下る道はあっても鋸山山頂への道がわからない。 ここを下って行けば山頂へ続くのだろうか・・・。 もう一度、途中に山頂への分岐がないか探すことにした。 はやりない。 2~3往復し分岐を探したがわからない。 北口管理所まで戻ると、管理人がいた。 彼に鋸山山頂へのルートを聞くとはやり少し下った所に分岐があるという。 地形図を見ると確かにそうなっていた。 思い込みが道迷いの一番の原因だと改めて思う。 ロスタイムは10分ほどで済んで良かった。 降りていくとすぐに分岐があった。 至る所に石切場跡があり見ながら楽しく歩く。 この石切場跡もすばらしい芸術のようだ(写真7)。 ピンク色の花はミツバツツジだろうか。 濃い黄色のヤマブキの花もある。 タチツボスミレも咲いている。 階段を登ったら「東京湾を望む展望台」に着いた。 見えるものの説明板があり、円形にベンチが造られている。 あいにく伊豆半島や箱根などは見えなかったが360度の展望がすばらしい(写真8)。 そこから10分余で鋸山(標高329m)の山頂であった。 一等三角点があるが、展望はよくない。 近くにはテレビの中継アンテナがある。 さあ、休んだら行きに寄れなかった石切場跡をじっくり見ていこう。 途中、2人組に会ったが他には誰も会わなかった。 小雨が時々降る平日だからなのか。 今回の遠征5山の中で一番すばらしい風景である。 途中にあるこんな場所も素敵だ(写真9) 石切や運搬に使った機械だろうか、いくつか放置されている(写真10)。 また、切り出しで残った石もそのまま置かれている。 石を切り出した跡を使い山道にしてあるところもある。 これらの石切場跡は日本文化遺産になるだろう。 10時過ぎ、北口管理所に着いた。 そこから山頂展望台(地獄のぞき)は近い。 歩いて行くと、地獄のぞきに4人の観光客がいるのが見える(写真11)。 怖そうに見えるが、金属の柵があり子供でも大丈夫である。 週末には有料道路やロープウェイで多くの観光客が来るのだろう。 ここからの展望も悪くはないが、「東京湾を望む展望台」の方がややまさるような気がした。 千五百羅漢が並ぶのを見て下ろう(写真12)。 ほんとにたくさんの羅漢が並んでいる。 あるものは風化に弱い砂岩でできているのだろうか、長い年月でのっぺりし顔の凹凸がなくなっている。 これらの羅漢はいつ造られたものかは知らないが、この日本寺は8世紀に聖武天皇の勅詔で造られたという由緒ある寺である。 名前も「日本寺」と日本を代表する名前なのだ。 説明板を読むと、日本の平和と繁栄を祈る寺として行基が開創した関東で最古の勅願所だという。 下りたところにある「薬師本殿」に寄ろうと思ったら、改築中で立入禁止であった。 外観は見れなくても、せめて中の本殿には寄ることができるようにしていただきたいものである。 11時前に駐車場に戻った。 その後、房総半島でもう1つ人気のある「濃溝の滝」に寄り、東京湾アクアラインを通って帰路に着いた。 平日のためかパーキングエリア「海ホタル」も空いていてよかった。 登山以外の温泉や濃溝の滝などの写真はブログに載せてある。*** 芸術的な石切場跡を見ることができよかった鋸山であった。 |