2017.08.06 MM 第609号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 

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暑寒別岳(しょかんべつだけ 1491m) 

北海道増毛町・新十津川町  日本二百名山

この山の私の印象等は・・・                                     

「 暴風雨の中ようやく登頂できた 寒暑別岳 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2017年6月10日(土)

【天候】        雨

【コース及び時間】


6:03暑寒荘P発-(増毛コース)-6:43/49-7:23/28-8:10六合目8:15-9:00八合目(扇風岩)9:10-10:00

暑寒別岳〈1491m〉10:10-12:03三合目12:08-12:55暑寒荘P



    【 登り 3時間31分   下り 2時間40分    合計  6時間11分 】


*コースタイムは休憩を除き写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。



  
登山口の立派な暑寒荘(写真1) 増毛コース登山口(写真2)
針葉樹林の中を進む(写真3)  ネマガリタケを摘む人達(写真4)
暑寒別岳山頂方向が見えてくる(写真5) カタクリの花が咲いていた(写真6)
シラネアオイがたくさんある(写真7) 五合目では山道が沢のように(写真8)
木を避けながら雪渓を登る(写真9)  ロープもあり楽しませてくれる(写真10)
白い雪と緑の灌木が織りなす登山路(写真11) 八合目「扇風岩」では雨と風が強くなる(写真12)
寒暑別岳山頂(写真13) キバナシャクナゲ(写真14)
かなり下り12時過ぎると展望が (写真15) ムラサキヤシオ(写真16)

【感想 等】 

北海道遠征第2日目の芦別岳も雪渓に阻まれ敗退した(メルマガNo.608)。

全く上手くいかない6月上旬の北海道遠征である。
そして第3弾の暑寒別岳は朝から雨である。

このコースは雪のある急な斜面はないので雨でも何とか登頂ができそうではあるが雨のスタートはウンザリである。

出発の準備をしていると暑寒荘から2人が出てきた。
雨で山歩きを諦めたのか、ただ宿泊するために来たのか彼らは車に乗って町の方へ下って行った。
この暑寒荘は立派な施設で、建物の中には大量の水が出る水道もあるとは驚きであった(写真1)。

そんな中、3台の軽自動車が駐車場の横の道を上がっていった。

私も6時過ぎ、登山ポストのノートに計画を書き出発した(写真2)。

針葉樹林の中を歩いて行く(写真3)。
クルマバツクバネソウだろうか、芦別岳にもあった花が咲いている。
ホウチャクソウもある。
また、エンレイソウもある。

6時半、一合目に着いた。
約30分で一合目に着いた計算である。

同じ調子で登っていくと、単純計算5時間で山頂に着くことになる。
タチツボスミレも雨の中、花弁を濡らしながら咲いている。

前方からラジオが聞こえてきたので見ると、5人の年配者が何やらやっている。
どうも雨の中、ネマガリタケを採っているようである。
聞くと、「タケノコを採っている」との事である。
ラジオの音はクマ除けなのだろう。
採った物を見せていただいた(写真4)。

6時半過ぎ、熊が出そうな雨が降る樹林の中でタケノコ採りとは少しびっくりである。
自然のタケノコ採りは地域住民の昔からの楽しみだろうな、とも思った。

すぐにつつじヶ丘に着いた。
辺りにツツジは見えなかったが、進行方向に暑寒別岳の稜線が見えてきた(写真5)。

二合目過ぎには「佐上台」があった。
そこにあるシラカバの並木はなかなか素敵である。

三合目の近くにはムラサキヤシオが咲いていた。
時刻はまだ7時11分。
なかなかいいペースで歩いている。

南暑寒別岳の尾根がよく見えてきた。

カタクリの花が咲いている(写真6)。

これらの写真は小雨の中、デジタル一眼レフカメラを雨合羽からさっと出しノールックで撮影している。
これまでデジタル一眼を2回雨に濡らし修理しているのでカメラを濡らさないように多少気を付けている。

さっきよりたくさんのシラネアオイが咲いている(写真7)。
雨に濡れる花もなかなかいい。

山道はかなりぬかるんできて沢のようになってきている。

7時半、登山道に雪渓が出てきた。
登山道は雨の水と雪渓が雨で溶けた水が混じりかなりの量である。

8時前、五合目に着いた(写真8)。
一合ずつ表示があるのは大変ありがたい。

雨は相変わらず降り続いている。

その先からは、時々雪渓の中の登りになった。
傾斜はそれほどないのでアイゼンは使わなかった。

六合目を過ぎ、やや傾斜が急になり少し滑るようになったので、軽アイゼンを付ける(写真9)。
灌木が所々にあり前進するのを邪魔している。
枝を手で払い避けながら進んで行く。

ようやく雪渓を抜けたと思ったら今度はロープの登りである(写真10)。
雨の中をいろいろ楽しませてくれる。

ロープを登るとなだらかな道になった。
その先には七合目の表示があった。
時刻は8時半。

少し歩くと「滝見台」の表示がある。
西暑寒別岳中腹にかかる滝が見えるはずであるが、ガスがかかり見えない。
白い雪と緑の灌木が織りなす登山路はきれいに見える(写真11)。

9時前、八合目「扇風岩」に着いた(写真12)。
雨と風が強くなり、立っていることができない。
岩につかまり、何とか通過する。

これ以上写真は撮れないので、デジタル一眼を二重のビニール袋に入れザックにしまう。
どうしても撮影したい時だけ防水ケースに入れたスマホで撮影することにした。

扇風岩を少し行った所で休んでいると、40代の男性が山頂方向からやってきた。
登山届けノートによると、私より1時間前に出発した人である。
彼もこの強風と雨に苦しんでいた。

こんな天候に中登っている仲間がいるというのは心強い。

九合目に向かう道では、風雨が強くなり顔に当たる雨粒が痛い。
雨合羽のフードも飛んでしまいそうである。
しかもとても冷たい雨である。
手で押さえながら進んで行く。

途中、エゾハクサンイチゲやキバナシャクナゲが満開である。
とても雨が強くてスマホも出せない。

10時、暑寒別岳山頂(標高1491m)に着く(写真13)。
あいにくの天気で展望はないし、することもない。
休んでいれば、寒くなるだろう。

防水ケース入りのスマホで撮影したが、3枚目からピントが合わない。
防水ケースが曇ってきたのかもしれない。


山頂休憩10分で、下山を開始する。

風雨も弱まってきたので、少し下った所でキバナシャクナゲを観察する(写真14)。
雨に濡れていて花びらが傷みつつあるがなかなかいい。

登りに比べ風も弱まってきた。
八合目「扇風岩」も難なく通過できた。

山道は沢のように大量の水が流れてはいるが、風がなく雨が弱まってきたのはラッキーである。

12時過ぎ、三合目に着いた。
空が明るくなってきている。

眼下に見えるのは増毛町だろうか?(写真15)。
日本海も見える。

近くにはムラサキヤシオが雨に濡れ咲いている(写真16)。
私には「暑寒別岳登頂おめでとう!」の祝福の言葉が聞こえてきた。


しかし、喜んでいたのはわずかな時間であった。
歩いていると、携帯電話に妻からの連絡があり、妻の父が危篤だという。
遠征を切り上げ航空券が取れれば明日の便で帰宅することを伝える。

12時55分、暑寒荘に着いた。

遠征3山目にして、暴風雨の中やっと登頂できた暑寒別岳であった。
途中であったのは八合目過ぎであった1人である。


着替えて町まで下り、札幌-富士山静岡空港の便を予約する。
10時30分発の1日1便であるが、なんとか予約することができた(残席5だった)。

残り4山を諦め札幌に戻り、翌日午後には妻の実家に行くことができた。

散々の6月の北海道遠征であったが、自然の厳しさを改めて知ることができ良かった。


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