2018.07.09 MM 第648号
入笠山(にゅうがさやま 1955m) 長野県伊那市・富士見町
花の百名山 日本三百名山
この山の私の印象等は・・・
「 山歩き初心者から観光客・愛犬家まで楽しめる 入笠山」
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2018年6月3日(日) 【天候】 快晴 【コース及び時間】 富士見パノラマリゾートP山麓駅9:30=(ゴンドラ)=山頂駅9:49発-10:01山彦荘-10:09マナスル山荘-10:30 入笠山〈1995m〉10:43-11:04大阿原湿原-11:14テイ沢分岐-11:42テイ沢入口-11:53/12:00- 12:31マナスル山荘12:36-12:55ゴンドラ山頂駅13:16=(ゴンドラ)=13:36富士見パノラマリゾートP 【登り(山頂駅から入笠山) 41分 下り(大阿原湿原経由で周遊) 2時間12分 合計 2時間53分】 *コースタイムは休憩を除き写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 【ゴンドラすずらん】 1650円(往復) |
ゴンドラで山頂駅に向かう(写真1) | 200万本のドイツスズランが満開(写真2) |
鹿除けのある入笠湿原に(写真3) | 湿原の花を見ながら歩く(写真4) |
シナノオトギリ(写真5) | クリンソウ(写真6) |
山彦荘に着く(写真7) | ハクサンコザクラ(写真8) |
シロバナノヘビイチゴ(写真9) | 上から入笠湿原を見る(写真10) |
入笠山[1955m]の賑わい(写真11) | 山頂から八ヶ岳の展望(写真12) |
蝶がたくさん集まってきていた(写真13) | 大阿原湿原(写真14) |
こんな樹林もいい(写真15) | アツモリソウが保護されていた(写真16) |
【感想 等】 梅雨入り前の6月上旬の山梨&長野ミニ遠征である。 今年は久しぶりに八ヶ岳方面に行きたくなり1日目は足下には雪、ガスの中を硫黄岳(メルマガNo.644)に登った。 硫黄岳 http://h1933.web.fc2.com/hyaku-l/yama644/yama644.htm 2日目には晴れ空の中、天狗岳(メルマガNo.646)に登った。 天狗岳 http://h1933.web.fc2.com/hyaku-l/yama646/yama646.html そして3日目は、守屋山に登り、ここ入笠山に来た。 入笠山はかつて冬に来たことがある(メルマガNo.167)。 入笠山 http://h1933.web.fc2.com/hyaku-c/yama167/yama167.htm その時は沢入登山口から登り、往復同じコースを通った。 入笠山は日本300名山の1つであると共に、花の百名山である。 近くにあるし一度花の時期に行きたいと思っていた。 今回は沢入登山口から入り、入笠湿原、入笠山、大阿原湿原、入笠JAハウス、入笠湿原、沢入登山口という周遊コースを考えていた。 9時、沢入登山口に向かおうとすると、途中で車を止められ「沢入登山口の駐車場は満車だから富士見高原パノラマリゾートの駐車場に止めるように」とのことであった。 富士見高原パノラマリゾートの駐車場にはかなりたくさんの車が止まっていた。 インフォメーションで聞くと、ここ富士見高原パノラマリゾートの駐車場からは登山道はない、と言う。 と言うことは、お金を払ってゴンゴラに乗る以外は入笠山には登ることができない、ということである。 伊東市にある大室山(メルマガNo.338)は、静岡の百山に選定されているがリフトで登る以外は行く方法がないというのにびっくりしあきれたことを思い出す。 大室山 http://h1933.web.fc2.com/hyaku-f/yama338/yama338.html まあ、仕方ないことと諦め、ゴンゴラを利用することにした。 ここは冬のスキー場がメインである。 多くのスキー場が夏は高原や高山植物観賞のためのリフトの運転をしている。 ここが通年営業のため、取り組んでいるペットOK、マウンテンバイクの走行コースは感心した。 犬などのペットは高山植物に影響がないのか心配ではあるが、マウンテンバイクで下まで下るのは気持ちがいいだろうと思った。 すぐにチケットを買い、ゴンゴラに乗る(写真1)。 決まった時刻に出発するロープウェイとは違い、1分間に何台もやってくるゴンゴラにはすぐに乗れ山頂駅に着くことができた。 山頂駅の前には満開のドイツスズランが200万本植えられていた(写真2)。 しかもその先には八ヶ岳の山々が広がっている。 ドイツスズランのよい匂いが漂っていた。 我が家には日本スズランがあるが、日本スズランはあまり香りがしないし大きさも半分ほどである。 小さいからドイツスズランよりも可憐ではある。 人工的な美に度肝を抜かれたが、目的は自然の花々であり入笠山からの展望である。 観光客と共に入笠湿原に向かう。 その入口にはシカ除けゲートがあった(写真3)。 多くの高山植物が人間の保護なしでは現状を維持できないのは残念ではあるが、仕方ないことである。 そこには日本スズランが咲き始めていた。 それらを見ながら湿原の木道を緩やかに上っていく(写真4)。 湿原の周りの木々には白い花が付いている。 バラ科のズミの花である。 今がちょうど満開である。 足下には黄色のシナノオトギリが咲いている(写真5)。 守屋山でも見た赤いクリンソウもある(写真6)。 また、ムラサキケマンもあった。 6月初めということもあり、花は多くはなかった。 10分余で山彦荘に着いた(写真7)。 休まず入笠山方向に向かう。 林道に沿った樹林の中を歩いて行くと、タチツボスミレが咲いていた。 初めて見るサンリンソウもあった。 ニリンソウとは葉の付き方が違うということを初めて知った。 またシカ除けゲートを通り湿原に入る。 守屋山の山頂で見たピンクのハクサンコザクラが咲いていた(写真8)。 黄色のミツバツチグリも群生している。 シロバナノヘビイチゴもある(写真9)。 なだらかに登ってきた。 マナスル山荘から10分ほど登り振り返る(写真10)。 草原が見渡せ素晴らしい展望である。 樹林に入っていくと、ズミの花が咲いている。 つぼみは濃いピンクでより美しい。 ちょうどズミが満開の時期に来ることができてよかった。 樹林に入って10分でもう入笠山(1955m)の山頂だった(写真11)。 山頂には多くの人が休んでいた。 ゴンドラを使えば湿原を見ながら歩いてもすぐ着くのである。 私も10時前に出発し、10時半には山頂に着いてしまった。 しかも360度の展望があり、雪をかぶったアルプスの山々も見ることができるのである。 そして、北側には八ヶ岳の山々がでんと構えている(写真12)。 富士山も顔をのぞかせている。 少し休んだら南の「首切登山口」へ向かう。 山頂には大勢がいるのにこちらに向かう人はごくわずかである。 ほとんどの人は来た道を戻る。 針葉樹の背の高い樹林を歩いて行く。 10分ほどで首切登山口に着いた。 ここからは舗装道路歩きである。 2分ほどで登山口の名前になった首切清水である。 「首切」とは、この清水で喉を潤していたところ首を切られたという伝説がある、という看板が立っていた。 今は舗装道路になっていて周りもきれいであるが、ほとんど人を見かけない。 首を切られた江戸時代はもっと寂しいところだったのではないだろうか。 舗装道路に昆虫の死骸があった。 塩分を求めてか蝶が集まっていた(写真13)。 ヒョウモンチョウの仲間だろうか。 すぐに大阿原湿原であった。 周遊コース30分と出ているが、私の予定コースは湿原を進みテイ沢分岐からテイ沢に入る。 大阿原湿原は湿原というより草原である。 水があまりない。 そこにズミなどの木が生えている。 こんな草原も好きである(写真14)。 11時14分、テイ沢に入る。 まずはきれいな樹林の中を進む(写真15)。 花は少ないが、シロバナノヘビイチゴの白い花が咲いていた。 クリンソウやタチツボスミレもある。 先ほどのヒョウモンチョウは大量に発生しているようである。 ここでも集団を見つけた。 1匹は私の腕に止まってきた。 シナノオドリギだろうか、黄色のかわいい花が咲いている。 白いオサバグサもある。 シロバナノヘビイチゴもたくさん咲いている。 その先には青紫のサワギキョウがあった。 阿蘇原湿原ではあまり花には出会えなかったがここテイ沢では期待してなかったのにたくさんの花に出会えた。 11時半過ぎ、林道に出た。 ここからは車道歩きである。 未舗装の車道を歩いているとまたまたヒョウモンチョウが10匹以上地面に固まってとまっている。 私が近づいても全く逃げようとしない。 12時過ぎ、牧場のゲートをくぐり入笠JAハウスを右折する。 この辺にもズミの花がたくさん咲いている。 その先から舗装道路になった。 12時半、マナスル山荘に着く。 昼時とあって昼食を頼んだりおやきなどを頬張っている人もいる。 山道に入り入笠湿原から農道を横切り朝とは別コースでゴンドラ山頂駅に向かう。 ありました。 あのアツモリソウが・・・(写真16)。 正確には釜無ホテイアツモリソウである。 柵の中に保護されて咲いていた。 ほとんどがちょうど満開で、下の1株だけつぼみであった。 今年は4月に花沢山とびく石でクマガイソウを見たが、まさかアツモリソウまで見ることができるとは思っていなかったのでうれしかった。 他にはサラサドウダン、アマドコロ、ユキザサが咲いていた。 「恋人の聖地」と書かれた北側の展望台まで行ってもう1度八ヶ岳を眺める。 そして200万本のドイツスズランを見ながらゴンドラ山頂駅に向かう。 気の早いニッコウキスゲが3つ咲いていた。 13時過ぎのゴンドラに乗り、13時半過ぎには駐車場に着いた。 ゴンドラを使ったので2時間近く短縮できた計算になる。 これなら明るい内に静岡に戻ることができる。 半分は観光コースではあったが、花も展望も十分楽しめた入笠山であった。 |